筋肉

リウマチ性多発筋痛症(りうまちせいたはつきんつうしょう)

リウマチ性多発筋痛症とは

リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatic; PMR)は、原因はわからないものの、肩や頸に痛みがおこる、炎症を主体とする病気です。年齢との関連が強く、加齢とともにその有病率は増していくとされています。男女比は1対2で、もっとも多いのは70~80歳代の女性といわれています。
巨細胞性血管炎(側頭動脈炎)との合併率が高く、合併した場合は視力障害、頭痛や顎跛行(食事を食べていると顎の筋肉が痛くなる)などを伴います。

原因

リウマチ性多発筋痛症の原因は、よくわかっていません。発症の原因として遺伝的背景や感染症などの環境要因が関与しているという報告がありますが、いまだによくわかっていない点が多いです。

症状

リウマチ性多発筋痛症の症状にはいくつか特徴があります。

急性・亜急性の発症

発症した日を覚えているほどに突然の急激な発症をする方が多くみられます。

肩から頸の痛み

高い確率で肩の痛みが起こり、両肩があがらないという訴えも多くみられます

片側から両側へ

多くは体の左右どちらかで発症し、2~3日が経過してから両側に痛みが広がります。

近位筋の痛み

「近位筋」とは体の中心に近い筋肉(肩、腰などの筋肉)のことをいいます。これらの筋肉に圧痛(押すと痛みを感じること)があります。

手背の浮腫

手背のむくみが起こるケースもあります。押すとへこんで跡ができるくらいの「圧痕性の浮腫(むくみ)」と呼ばれるものです。

関節の可動域制限、痛み

頸、肩、股関節が痛みで動かしづらくなります。腰痛や朝のこわばりが起こり、寝返りが打ちにくくなります。

検査

診断には、ヨーロッパリウマチ学会・米国リウマチ学会におけるリウマチ性多発筋痛症診断(分類)基準が用いられています。
この基準では、

  • 年齢50歳以上
  • 両肩の痛み
  • 炎症反応上昇(CRP上昇または赤沈の亢進)

を満たすことが必要とされています。
ただし、CRP上昇や赤沈の亢進はリウマチ性多発筋痛症以外の病気でもみられることが多く、リウマチ性多発筋痛症に特異的な検査とはいえません。関節リウマチ、感染症、血管炎などでもCRP上昇や赤沈の亢進がみられることがあり、これらの病気との鑑別が重要であるといわれています。
また、超音波検査を用いた診断が盛んになりつつあり、診断基準にも一部導入されています。しかし、超音波検査によって診断の精度が大きく変わるわけではなく、「臨床症状の確認」に用いられているといえます。

治療

主な治療は、ステロイドの内服です。
ステロイドへの治療反応性はおおむね良好で、1~2週間後には症状改善がみられることも多いですが、個人差は大きくあります。このステロイドへの反応をみるのもリウマチ性多発筋痛症を診断するうえで役立ちます。
ステロイドを15mg内服して、1~2週間後に大きな改善がみられた場合はリウマチ性多発筋痛症である可能性が高く、なかなか改善がみられない場合は他の診断も考えます。

治療の効果としては、普段の自覚症状が改善しているか(特に肩関節が挙上できるか、肩関節の可動域はどれくらいか)や炎症反応などをみます。症状の改善が認められたた場合には、徐々にステロイドの量を減量するようにすすめられています。
リウマチ性多発筋痛は治療中に病状が再燃(治まっていた症状などが再び悪化すること)することがあり、長期的にステロイド投与を必要とする場合があります。
ステロイドの合併症(糖尿病や骨粗しょう症)を起こしやすい方や、ステロイドだけでは症状が再燃してしまう方には、関節リウマチと同様の治療で「メトトレキサート」という薬を使うこともあります。

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