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上腕骨近位端骨折

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

上腕骨近位端骨折とは、上腕骨の肩関節よりの部分に生じた骨折です。骨折全体の中で占める割合としては多く、5%ほどであるとの報告もあります。

交通事故やスポーツなどがきっかけとなることもありますが、骨粗しょう症に関連して発症することが多く、高齢の方に多い骨折です。

保存的治療が行われますが、骨折の程度が強く、骨のずれを生じているような状況では、手術が必要となります。手術の方法はさまざまで、程度に応じて適宜選択されます。

原因

骨粗しょう症の患者さんが転倒などの衝撃により、上腕骨近位端骨折を起こすことがあります。また、交通事故やスポーツ、児童虐待などで生じる強い外力が原因となることもあります。

そのほか、腫瘍や感染症などで骨が脆弱(ぜいじゃく)(弱くもろくなる)になって、弱い外力でも病的骨折を起こすことがあります。

上腕骨近位部には多くの筋肉があり、これらの牽引力により、分断された骨が正常な位置からずれて転位を起こすことがあります。

症状

上腕骨近位端骨折は外傷をきっかけとして発症することが多く、受傷後より急速に痛みを認めるようになります。

見た目の変化として、上腕部の変形や腫れがみられることもあります。また、出血を起こし、数日経過してから皮下出血ができることがあります。

そのほか、骨折の部位によっては、近くを走行する橈骨(とうこつ)神経が障害され、手首を返す動作や親指をあげる動作が障害されることもあります。また、肩関節脱臼を合併することがあります。

検査・診断

上腕骨近位端骨折が疑われる際には、単純レントゲン写真が行われます。

複数箇所に骨折を生じたり、脱臼を併発したりすることがあるため、一方向からの撮影ではなく、複数の方向からレントゲン写真を撮影し、評価することが重要です。

また、より詳細な評価を行うために、CTやMRIが行われることもあります。MRIでは、筋肉や神経の障害の程度を評価します。

治療

骨の転位が大きくない場合には保存的療法が選択されますが、転位が強い場合には手術が選択されます。

保存的療法

三角巾やバストバンドを用いて腕を固定して、転位の予防や安静を図ります。この状態で骨が結合するまで経過観察を行いつつ、経過に合わせてリハビリテーションを行います。

手術

転位が強い場合や、複数箇所の骨折がある場合などには手術が選択されます。手術は、プレート固定術や髄内釘(ずいないてい)固定術、人工骨頭置換術などが症状に合わせて選択されます。

保存的療法と同様、術後経過に合わせて運動負荷をかけてリハビリテーションを行うことは必須です。

上腕骨近位端骨折は骨粗しょう症から生じることも多いため、その予防のためにカルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動を日頃から心がけることも重要です。

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