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Brain
下垂体機能低下症
下垂体機能低下症とは、下垂体から産生分泌される各種ホルモンの量が低下していることから引き起こされる病気を指します。下垂体から分泌されるホルモンには、合計8つのホルモンが存在することが知られていま...
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脳

下垂体機能低下症(かすいたいきのうていかしょう)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

下垂体機能低下症とは、下垂体から産生分泌される各種ホルモンの量が低下していることから引き起こされる病気を指します。下垂体から分泌されるホルモンには、合計8つのホルモンが存在することが知られていますが、通常「下垂体機能低下症」といった際には、これらのうち6つのホルモン(すなわち副腎皮質刺激ホルモン[ACTH])、甲状腺刺激ホルモン[TSH]、成長ホルモン[GH]、黄体化ホルモン[LH]、卵胞刺激ホルモン[FSH]、プロラクチン[PRL])に関連して発症する病気のことを指します。分泌が低下するホルモンに応じた症状が出現することになり、ホルモンの補充療法が治療の基本となります。

原因

下垂体機能低下症は、下垂体から本来分泌されるべきホルモンの量が低下することが原因となり発症します。 下垂体とは、脳の構造物のひとつを指します。サイズはとても小さいのですが、身体の恒常性を保つためにとても重要なホルモンを分泌しています。下垂体はさらに「前葉」と「後葉」に分けることができ、それぞれから産生・分泌される物質は異なります。しなわち、前葉からは副腎皮質刺激ホルモン[ACTH]、甲状腺刺激ホルモン[TSH]、成長ホルモン[GH]、黄体化ホルモン[LH]、卵胞刺激ホルモン[FSH]、プロラクチン[PRL]が、後葉からは抗利尿ホルモン[ADH]、オキシトシン[OT]がそれぞれ産生分泌されています。下垂体機能低下症というと、通常は前葉から産生されるホルモンの分泌が低下している状態を指します。すべてのホルモン分泌が低下する訳ではなく、これらのうち一種のみが影響を受けることもあります。 下垂体機能低下症を引き起こす原因にはいくつか知られていますが、下垂体腺腫と呼ばれる腫瘍によるものが最も原因として多いです。下垂体腺腫そのものは良性腫瘍であることが多いのですが、正常の下垂体を圧迫することから下垂体機能低下症を引き起こすことがあります。また手術に際して下垂体を傷つけてしまい、下垂体機能低下症が発症する危険性もあります。 そのほかにも、下垂体近傍に発生する腫瘍が、下垂体を圧迫することから下垂体機能低下症が生じることもあります。具体的には、頭蓋咽頭種、ラトケ嚢胞、がんの転移などです。また放射線治療に関連して下垂体が障害を受けることもありますし、下垂体本体に炎症が生じることから(たとえば結核やサルコイドーシスなど)ホルモン分泌機能に障害が生じることもあります。 赤ちゃんを分娩する際に大量の出血をきたすことがありますが、分娩時の出血に関連して下垂体機能低下症が発症することがあります。こうした下垂体機能低下症のことを特に「シーハン症候群」と呼びます。

より詳しい情報は、こちらをご覧ください

症状

下垂体機能低下症とは、副腎皮質刺激ホルモン[ACTH]、甲状腺刺激ホルモン[TSH]、成長ホルモン[GH]、黄体化ホルモン[LH]、卵胞刺激ホルモン[FSH]、プロラクチン[PRL]の分泌が低下した状態です。すべてのホルモン分泌が低下する訳ではなく、これらのうち一種のみが影響を受けることもあります。分泌が低下したホルモンに応じた症状が出現します。 これらホルモン分泌低下のうちもっとも深刻なのはACTHの分泌低下です。ACTHが低下すると副腎不全になり、食欲がなくなり体重が減少したり倦怠感がひどくなるといった症状が現れ、ひどい場合には命にかかわります。 TSHが出なくなると「甲状腺機能低下症」が起こります。疲れやすくなって、体がむくみ、ひどい場合には意識に影響が出る場合もあります。   また、GHは身長の伸びに関係するホルモンです。したがって、GHの低下がある状況では子どもの成長が急に悪くなります。また、脂肪や筋肉の分布が影響を受ける結果、肥満や筋力低下などの症状が生じます。 LHやFSHは、性腺機能の発達や性欲に関わるホルモンです。女性では無月経や月経不順、男性では性欲の低下、インポテンツ(勃起障害)が起こります。 PRLは母乳の産生に関わるホルモンです。シーハン症候群を発症すると、母乳の出が悪いといった症状をきっかけとして、下垂体機能低下症が診断されることもあります。

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検査・診断

下垂体機能低下症では、血液検査にて各種ホルモンの血液濃度を測定し、原因となっているホルモン量が低下していることを確認します。また、尿中のホルモンを測定したり負荷試験が行われたりすることもあります。 下垂体機能低下症を引き起こしている原因を検索するために、CTやMRIといった画像検査を行うことも重要です。下垂体腺腫やそのほかの腫瘍では、画像検査にて腫瘍の広がり具合が確認することが可能です。 サルコイドーシスが原因の場合は、下垂体以外にも病変が広がっていることがあります。生検による病理学的な検索や心電図での不整脈の評価、胸部単純レントゲン写真によるリンパ節の腫れの評価、眼底検査によるぶどう膜炎など多岐に渡ります。また、結核であれば結核の診断のための血液検査や画像検査などが行われます。

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治療

下垂体機能低下症では、不足しているホルモンを補充することが治療の基本になります。ACTHが低下している場合であれば、副腎皮質ホルモンが補充されます。またTSHの分泌が低下している場合は、甲状腺ホルモンを内服します。これら2つのホルモンは、年齢や性別に関わらず生命活動に必須のホルモンです。また、GHは身長に対しての影響のみならず、筋肉や脂肪などにも影響を及ぼします。GHが不足している場合にも、GH補充療法が行われることになります。LHやFSHの欠乏に対しては、性ホルモンの内服ないし注射による補充を行いますが、挙児希望の有無などによっても治療法は異なってきます。なお、PRLについては補充療法ありません。下垂体機能低下症では、以上のようなホルモン補充療法を行うことで、健康な日常生活を送ることが充分期待できます。 そのほか、下垂体機能低下症の原因となっている疾患に対してのアプローチも必要です。たとえば、下垂体腺腫であれば多くの場合手術が適応となります。腫瘍によっては放射線や化学療法が適応になることもあります。

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