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不育症
不育症とは広い定義では、妊娠は成立するものの、流産や死産、新生児死亡(新生児:出生後28日を経過しない乳児を繰り返し、結果的に子どもを持てない病態をいいます。特に流産(22週未満に妊娠が終了して...
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不育症(ふいくしょう)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

不育症とは広い定義では、妊娠は成立するものの、流産や死産、新生児死亡(新生児:出生後28日を経過しない乳児を繰り返し、結果的に子どもを持てない病態をいいます。特に流産(22週未満に妊娠が終了してしまうこと)を2回以上繰り返した場合を「反復流産」、3回以上繰り返した場合を「習慣流産」といい、大多数の不育症は妊娠12週未満の初期に発生します。

不育症の定義には新生児死亡が含まれてはいますが、不育症において主に問題となるのは流産・死産です。新生児死亡も最終的に子どもを獲得できないという意味では同じですが、これは主に赤ちゃん側の要因(お母さんの要因ではない場合)で起こり、偶然起こることが多いです。

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原因

不育症・習慣流産は、偶然起こることもあれば、何か要因があることもあります。要因は多様で、内分泌異常や血栓性素因(血管に血の塊が生じやすい状態)などが挙げられます。しかし、不育症については分かっていないことが多く、詳細な検査を行っても約半数は原因が特定できないといわれています。

以下に「不育症の方を調べるとよくみられる異常」を挙げます。ただし、これらは不育症の直接の原因かどうか分かっていないため、「これらの因子があると流産しやすい」という意味で「リスク因子」ともいわれています。

赤ちゃん側の病気

  • 染色体異常疾患(構造異常・数的異常)
  • 遺伝子異常(単一遺伝子疾患・多因子遺伝子疾患)

お母さん側の病気

  • 抗リン脂質抗体症候群
  • 子宮奇形(子宮形成不全)
  • 甲状腺機能の異常
  • 黄体機能不全
  • 血液凝固系の異常

検査・診断

不育症の検査対象

不育症の検査を次のような方に推奨されます。

3回以上の流産を繰り返した場合

流産が3回以上になると、治療前後での妊娠の成功率に差が出てくることが分かっているため、検査を受けることが推奨されます。ただし、一度でも出産を経験したことがある方では、検査の意義はあまりありません。

原因不明の死産の場合

原因不明の死産の場合は、たとえ1回であっても検査を行うことがあります。ただし、臍帯(さいたい)が絡んでしまうなど偶然起きた出来事が原因となることが多いため、主治医とよく相談してください。

検査の内容

問診

主に下記について確認します。

  • 妊娠歴
  • 肥満
  • 喫煙
  • カフェインの大量摂取
  • 精神的なストレス

血液検査

<内分泌検査>

  • 卵巣・下垂体ホルモン(LH、FSH、PRL、E2、P4)
  • 甲状腺ホルモン検査(FT3, FT4, TSH)

甲状腺異常を認めた場合:抗サイログロブリン交代、抗ペルオキシダーゼ抗体、TSH受容体抗体)

  • 糖尿病検査(血糖値)

<免疫学的検査>

  • 抗核抗体
  • 抗リン脂質抗体検査

<血栓性素因検査>

PT、APTT、プロテインC活性、プロテインSカッセイ、第XII因子活性

<夫婦の染色体検査>

超音波検査・子宮卵管造影検査

先天的な子宮奇形や後天的な粘膜下子宮筋腫など子宮の形態異常がないか確認するために行います。中隔(ちゅうかく)子宮という奇形は、流産率が高く、かつ子宮鏡手術による治療が可能です。

骨盤MRI:子宮の奇形である双角子宮と中隔子宮を鑑別したり、子宮の形状を確認したりするために使用することがあります。

子宮鏡検査

超音波検査ではっきりとしない子宮内膜ポリープや子宮内膜炎を確認することができます。

治療

まず知っていただきたいことは、不育症患者さんのうち多くの方が、最終的に子どもを授かることができるといわれていることです。しかしこれはもちろん、検査・治療を進めた場合です。流産を3回以上経験された方にとっては、妊娠されても不安を感じることもあると思いますが、ぜひ医師と二人三脚で前向きに治療を行ってください。

不育症の治療は検査を行い、みつかったリスク因子をもとに行います。精神的なストレスやカフェインの大量摂取、喫煙、肥満も流産と関連性があり、生活習慣を見直すことも重要です。不育症治療を行っても流産した場合は、絨毛染色体検査を行い、その後の治療方針を検討します。

原因がわかっている場合の不育症の治療法

基本的には検査でみつかった異常に対して適切な治療を行います。

  • 抗リン脂質抗体陽性や凝固因子異常の場合は「抗血栓療法」を行います。
  • 甲状腺機能異常や糖尿病などでは内科の医師などと連携し、薬物治療を行います。
  • 子宮の形態異常がある場合には、子宮鏡下や腹腔鏡下の手術により治療を行います。
  • 近郊型相互転座やRobertson転座などの染色体異常に対しては、着床前診断(PDG)を行う選択肢があります。しかし、子どもを得るまでの流産回数が減ることは期待できても、最終的に子どもを持てる割合には影響しないと報告されています。また、PDGでは生殖補助医療が必要となり、体への負担や高額な治療費がかかるため、実際に行うかについては遺伝カウンセリングでよく相談してください。

原因不明な不育症の治療法

検査を行っても原因が分からない方が半分程度いらっしゃいます。流産の多くは胎児の染色体異常が原因であり、胎児側の理由で流産を繰り返している場合もあれば、まだわかっていない原因(リスク因子)が存在する可能性も考えられます。最近では、原因不明の不育症に対してプロゲステロンの投与を用いることが検討される場合もあります。

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