にじせいせっけっきゅうぞうかしょう

二次性赤血球増加症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

二次性赤血球増加症とは、血液の病気以外の原因により(二次性)体の中の赤血球が増える病気です。赤血球などの血液細胞は、骨の中の骨髄という場所にある造血幹細胞が変化することで作られます。

また、赤血球は通常、全身に酸素を運ぶ役割をしています。そのため、低酸素状態であったり赤血球が不足したりすると、血球の産生を刺激するタンパク質(エリスロポエチン)が増加し、骨髄で多くの赤血球が作られるようになります。エリスロポエチンの産生は、腎臓で行われます。

二次性赤血球増加症は、何らかの原因でこのエリスロポエチンが増加することで発症します。過剰になった赤血球は、血液の流れを妨げ、体中に血栓(血液の塊)を作ります。血栓ができると、脳梗塞などを引き起こすことがあります。

原因

体の中が低酸素になる、もしくはエリスロポエチンを異常に作るようなできもの(腫瘍)ができることが背景(基礎疾患)となって赤血球が異常に増加します。また、実際には増えていないにもかかわらず、他の原因で見た目上赤血球が増加する場合、相対的多血症、ストレス多血症があります。考えられる原因として、下記のようなものがあります。

症状

異常に赤血球が増加するため、血液がドロドロになります。その結果、頭痛めまい、手足を温めたときにかゆみを感じる、熱くピリピリと感じる(しゃく熱感)、ひざや足などの関節がはれて痛みが出る、胃の調子が悪くなる、といった自覚症状が出ます。

もっとも気を付けなくてはいけない点は、血栓が血管の中にできやすくなることです。脳や心臓に血栓ができると脳梗塞心筋梗塞といった命を脅かす病気を合併することがあります。そのため、治療の多くは血栓を防ぐことが目的になります。

検査・診断

二次性赤血球増加症では、血液検査や骨髄検査、画像検査に加え、経皮酵素飽和度、血清エリスロポエチン値の測定が行われます。

血液検査

血液に含まれる細胞の数や形を調べたり、肝臓・腎臓の機能を確認したりします。「網状赤血球」と呼ばれる幼若な赤血球がきちんと増えているか、ヘモグロビンの原料となる鉄を運ぶたんぱく質がきちんと作られているかについても併せて調べます。また、エリスロポエチンの濃度を調べます。二次性赤血球増加症の場合、エリスロポエチンは高値を示すことが多く、血液の病気が原因の場合は低値を示すためです。

骨髄検査

血液を作る工場である骨の中の骨髄をほんの一部とります。うつ伏せの姿勢で、局所麻酔を行い腰の骨に針をさします。こうして採取した細胞を病理医と呼ばれる別の医師が顕微鏡により観察し、骨髄の中できちんと赤血球が作られているかをチェックします。また、赤血球が増加するような血液の病気がないかどうかも調べます。

画像検査

低酸素状態であった場合、肺の状態を評価するために胸部CT検査を行います。また、エリスロポエチンを作るような腫瘍の有無を調べるために腹部CT検査を行います。

治療

原因となる基礎疾患により、治療内容は大きく異なります。基本的には外来の通院で治療できます。喫煙が原因の場合は禁煙をすることにより低酸素状態を改善できる可能性があります。また、基礎疾患の改善が難しい場合は、血栓を作りにくくする飲み薬で治療することがあります。

基礎疾患に対する治療

低酸素状態を改善するために、禁煙を勧めます。慢性閉塞性肺疾患の場合、気管支を広げる薬を用いたり在宅酸素療法を行ったりします。また、エリスロポエチン産生腫瘍が原因の場合、手術などで腫瘍を取り除きます。

赤血球増加に対する治療

血栓を作りにくくするためにアスピリンなどを内服します。出血しやすくなる副作用がある点に注意します。緊急の場合には、体の中から血液を取り除く瀉血(しゃけつ)療法を行うこともあります。基礎疾患の治療と並行しながらこれらの治療を行い重篤な合併症が起きないようにコントロールします。

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