クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Noimage s500x350
低出生体重児
低出生体重児(low birth weight infant: LBWI)とは、出生時体重が2,500g未満の新生児のことを指します。さらに細かい分類として、出生時体重が1,500g未満もしくは...
Male consulter resolved
クリップに失敗しました

低出生体重児(ていしゅっせいたいじゅうじ)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

低出生体重児(low birth weight infant: LBWI)とは、出生時体重が2,500g未満の新生児のことを指します。さらに細かい分類として、出生時体重が1,500g未満もしくは1,000g未満の新生児をそれぞれ極低出生体重児(very low birth weight infant: VLBWI)、超低出生体重児(extremely low birth weight infant: ELBWI)と呼びます。 一言に「低出生体重児」といっても、原因や出生週数、体重などに応じてその経過には非常に大きな幅があります。正常な体重を有する新生児と遜色なく経過することもある一方、出生後の適応がうまくいかずに集中治療を要することもあります。特に出生週数が早い場合は生命の危機に陥ることもありますし、長期的な合併症を抱えることもあります。

原因

低出生体重児の原因は大きく分けて、1) 早産、2) 子宮内発育障害、の2つに分けることができます。

1) 早産

妊娠22週から妊娠37週未満で出生することを「早産」と呼びますが、予定日よりも早いお子さんほど体重が小さく産まれる可能性が高くなります。

2) 子宮内発育障害

子宮内において、赤ちゃんは週数を経るにつれて徐々に大きくなります。しかし何かしらの原因があることで子宮内における赤ちゃんの正常な成長が妨げられることがあります。こうした場合も、低出生体重児の原因となります。

子宮内の発育が障害される原因としては、胎盤や子宮の問題であったり、お母さんが原因であったり、赤ちゃん自身が問題を抱えていることがあったりなどさまざまです。不妊治療に関連して多胎児が出生することも多くなっていますが、この場合は子宮内での発育スペースが限られるため低出生体重児として出生するリスクが高まります。これは、胎盤や子宮が要因となるものの例です。またお母さんの因子の例として、妊娠高血圧症候群が原因で低出生体重児になることもあります。赤ちゃん側の因子の例としては、ダウン症などの染色体異常、風疹などの胎内感染などを挙げることができます。

より詳しい情報は、記事①記事②記事③をご参照ください

症状

低出生体重児の症状は、原因や程度によりさまざまです。比較低頻度が高く認められるものには、低体温や哺乳障害、低血糖などがあります。 出生週数が早ければ早いほど、また出産に対してのストレスに耐えることができず、新生児仮死の状態で産まれる危険性も高まります。また、週数が早いお子さんほど全身臓器の成熟度が未熟であり、さまざまな障害が引き起こされます。具体的には、呼吸の適応ができずに「呼吸窮迫症候群」と呼ばれる呼吸障害を生じることがありますし、出生後しばらく血圧がうまく保てない場合もあります。また、「脳質内出血」や「脳質周囲白質軟化症」などを発症することもあり、長期的な神経学的な発達に影響が及ぶことも懸念されます。そのほか、消化管の未熟性として「新生児壊死性腸炎」を発症し、嘔吐や腹部膨満、血便などをきたすこともあります。そのほか、黄疸、未熟児網膜症からの視力障害、慢性肺疾患にともなう呼吸障害、低身長、貧血、高血圧、肥満などさまざまな合併症を呈するリスクがあります。また、乳幼児突然死症候群のリスクもあるとも報告されています。 こうしたリスクが低出生体重児にはありますが、週数や出生体重により発症リスクは大きく異なっていることには注意が必要です。

より詳しい情報は、記事①記事②をご参照ください

検査・診断

妊娠中の母体に対するエコー検査を通して、ある程度の出生体重は推定することが可能です。具体的には、赤ちゃんの頭の大きさや大腿骨の長さなど、各種パーツなどをも元にして、赤ちゃんの体重が推定されることになります。実際の診断は、出生直後に測定される実体重からなされます。 出生後出現する症状は、非常に千差万別であり、症状やリスクなどの応じて行う検査も取捨選択されます。低体温や低血糖は比較的みられやすいものであるため、体温測定や血糖のチェックは重要です。また出生早期は呼吸や循環障害をともなうことも多く、レントゲン写真や心臓のエコー検査などが行われることもあります。脳室内の評価をするために頭部エコーをはじめとした画像検査が行われることもあります。また貧血や各種電解質異常を検索するために、血液検査も検討されます。新生児壊死性腸炎が疑われるときには、腹部レントゲン写真が行われます。未熟児網膜症に対しては、眼底検査が行われます。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

治療

低出生体重児は、正常体重児と比較して各種合併症を来すリスクが高いため、集中治療室での治療が行われることが多いです。低体温になることが多いため、しっかりとした保温を行うことや、哺乳障害に対しての栄養補給(点滴や場合によっては経管栄養)などを行います。 そのほかの治療については、各種合併症に対して行われます。たとえば呼吸窮迫症候群であれば、「サーファクタント」と呼ばれるものが気管内に投与されますし、新生児壊死性腸炎であれば手術も検討されます。未熟児網膜症では、レーザー光凝固が行われることもあります。 施設によって退院基準は異なりますが、体重増加がしっかり確認でき、合併症に対しての治療が自宅でもできることを確認してから退院が許可されます。しかし、退院後も成長や発達に影響が引き続くことも多いため、長期間にわたる慎重な経過観察がとても重要になります。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください