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偶発性低体温症
偶発性低体温症とは、何らかの予期せぬアクシデントによって体温が奪われ、体温が異常に低下した状態をいいます。医学的には、深部体温(体の中心の温度)が35℃未満の状態を低体温といいます。 「何...
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偶発性低体温症ぐうはつせいていたいおんしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

偶発性低体温症とは、何らかの予期せぬアクシデントによって体温が奪われ、体温が異常に低下した状態をいいます。医学的には、深部体温(体の中心の温度)が35℃未満の状態を低体温といいます。

「何らかの予期せぬアクシデント」とは、病気が原因となって体温が下がっていくのではなく、雪崩に巻き込まれたり冬の登山中に遭難してしまったり、お酒に酔って寒い屋外で寝続けてしまったりなど指すことが多いです。低体温症を起こすと手足が冷たくなるだけでなく、不整脈や意識障害などの危険な状態を招くことがあります。

原因

偶発性低体温症の原因の多くは、「何らかの予期せぬアクシデント」です。一例として、以下のようなケースが想定されます。

  • 長時間、体温よりも低い水温の水に浸かっていた
  • 衣服や帽子が濡れたままでいたり、強風にさらされ続けたりした
  • 雪崩に巻き込まれた、溶け出してきた雪が突然屋根から落ちてきた

など

偶発性低体温症は意識がはっきりしていない状態で起こることもあります。たとえば、認知症の患者さんが、寒い屋外に長時間いたり眠っていたりしたときや、屋内に戻る方法がわからなくなったときに偶発性低体温症に陥るケースがあります。

また意識障害により偶発性低体温症となることもあります。意識障害となる原因はさまざまです。具体例としては、意識を低下させるような重症のけが、心臓や自律神経の異常による失神、低血糖発作、けいれん発作、脳卒中、睡眠薬や向精神薬などの薬物中毒、アルコール中毒などがあります。

症状

偶発性低体温症の症状は患者さんによりさまざまですが、一般的には体温が低下するにつれて、より危険な状態になります。

まず体温が下がっていくにつれて全身のふるえ(シバリング)が生じ、皮膚が青白くなります。さらに体温が低下すると寒さを感じにくくなり、不機嫌になったり、眠気が生じたりします。その後、昏睡状態に陥ります。

体温の低下がさらに進むと、呼吸や心臓の活動が遅くなり、心室細動という不整脈が生じて心停止を起こします。

検査・診断

まず蘇生処置を行う一環として、血圧や心拍数、呼吸数や体温を測定します。このとき、直腸や食道、膀胱などに体温計を入れ、深部体温を測定します。

低体温症では、不整脈と電解質の異常も生じやすくなるため、12誘導心電図の計測や血液検査を行います。意識障害に陥っていることも多いため、脳の異常を調べることを目的として頭部CT撮影を行うこともあります。

その他、低体温に陥った原因を調べるために、薬物中毒のスクリーニングや全身のCT撮影を行うこともあります。

治療

蘇生処置

蘇生処置を実施します。呼吸が不十分であれば気管挿管を行い、人工呼吸器を装着して呼吸を保ちます。

心臓が止まりかけている場合には、心臓を動かす薬剤を使用して血圧と心拍数を回復させます。ただし体温が低すぎると薬剤の効果が期待できないことから、上記の蘇生処置と同時に体温を上げる(復温する)治療も実施します。

復温の方法

  • 37℃(正常な体温)程度に温めた点滴を投与する
  • 40℃程度の風呂に入れる
  • 膀胱や胃などに温かいお湯を入れる
  • 胸腔(胸のなか)や腹腔(おなかのなか)にも温かいお湯を入れる
  • わきの下や足の付け根に温かいお湯のパックを当てる
  • 電気毛布や布団で保温する

など

心臓の活動が再開しない場合には、体外循環装置を装着して全身に血液を送る処置を行いながら、復温することもあります。

低体温の状態では、脳の神経細胞がダメージを受ける速度がゆっくりになるため、心拍再開後の神経学的な後遺症が少なく済むこともあります。状態によっては低体温になる前とほとんど変わらない状態で社会復帰できることもあります。