せんてんせいじろうこう

先天性耳瘻孔

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

先天性耳瘻孔とは、耳の穴の近くに産まれつき存在する小さい穴のことです。先天性耳瘻孔の深さはさまざまであり、数mmのこともあれば、1cmを超えることもあります。形状も、ひとつの袋状であることもあれば、複雑に枝分かれしていることもあります。

先天性耳瘻孔は自然に閉鎖することはありませんが、特に症状を来さない場合には積極的に治療せずに経過観察とすることもあります。

原因

先天性耳瘻孔は、赤ちゃんがお母さんの子宮内にいるとき、耳の発生過程に異常が生じて発生すると考えられています。耳の発生過程は複雑であり、いくつもの部位があわさることで完成しますが、この過程において異常が存在すると先天性耳瘻孔が生じます。

耳の発生異常の一部では遺伝が関係していることも知られています。親御さんが先天性耳瘻孔である場合、お子さんも先天性耳瘻孔を発症することがあります。

症状

先天性耳瘻孔は、産まれつき耳の付近に小さな穴があることで気がつかれます。片側だけでなく、両側性に存在することもあります。穴の中から悪臭を伴う白い物質が出てくることがありますが、それ以外は何の症状もなく経過することが多いです。

穴の中で細菌感染を引き起こすこともあります。感染が生じると、穴の周囲が赤く腫れ上がり、が排泄されて、痛みを伴います。

頻繁に耳をいじる、ふざけ半分に穴の中にシャープペンなど先が尖ったものを入れる、などの行為により細菌感染症が生じやすくなります。汗を大量にかいて不潔になりやすい夏場に発症することが多いです。何度も感染症を繰り返すと、瘢痕を形成して硬くなることもあります。

検査・診断

耳瘻孔の周囲を観察したり、触ったりすることで診察します。清潔な医療器具を穴に挿入することで、形状を評価することもあります。さらに、CTやMRIといった画像検査で、内部の診断も行うことがあります。

耳瘻孔以外にも耳の形態異常を伴う際には、適宜聴力検査などの検査も検討されます。先天性耳瘻孔に感染症を発症した場合には、原因となっている細菌を調べるために、培養検査を行うことがあります。この検査では、同時に抗生物質に対しての感受性を調べます。

治療

先天性耳瘻孔は自然に閉鎖することはありませんが、特に症状がない場合には積極的に治療介入をせずに経過観察とすることもあります。

感染症を合併した場合は、抗生物質を用いて治療を行います。また、の排泄を促すため切開術などの処置を併用することもあります。

何度も感染症を繰り返す場合は、耳瘻孔を外科的に切除することが勧められます。

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