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先天性風疹症候群
妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、風疹ウイルスは血液を介して赤ちゃんにも感染が成立します。その結果、胎児に種々の合併症が引き起こされることになります。先天性風疹症候群とは、胎児に生じる合併症の...
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先天性風疹症候群せんてんせいふうしんしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、風疹ウイルスは血液を介して赤ちゃんにも感染が成立します。その結果、胎児に種々の合併症が引き起こされることになります。先天性風疹症候群とは、胎児に生じる合併症の総称を指します。風疹ウイルスは、成人や小児がかかっても、重篤な合併症を生じることなく自然に治癒することが多いです。しかしその一方、特に妊娠早期に風疹ウイルスにかかると、死産や重篤な合併症が胎児に生じます。ひとたび障害が赤ちゃんに生じると、赤ちゃんに対して成長してからも続く永続的な影響を及ぼすものも多いです。
風疹ウイルスに対しての特別な治療はありませんが、ワクチンにて免疫を付けることは可能です。そのため、先天性風疹症候群を予防するためにも、積極的なワクチン接種が小児期だけではなく妊娠適応期の親御さんに対して推奨されています。日本においては、ワクチン接種や疫学的な感染状況の把握等の努力が功を制し、報告例は激減しています。

その他、こちらの記事も参照ください。
https://medicalnote.jp/contents/150509-000009-NTLTFA
https://medicalnote.jp/contents/161031-002-JE

原因

先天性風疹症候群は、胎児が風疹ウイルスに感染することで発症します。風疹ウイルスを有する患者さんの咳や鼻水などを介して、飛沫を摂取することで感染が他者に成立します(飛沫感染と呼びます)。気道から感染した風疹ウイルスは、鼻や喉等のリンパ節で増殖をした後に、血液を介して全身へ広がります。妊婦さんが風疹ウイルスに感染した場合には(特に初感染においてリスクが高いです)、胎盤を介して胎児に血液中の風疹ウイルスが運ばれることになります。
妊娠初期16週までに胎児が風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群の発症リスクが最も高いです。特に8週から10週までにかけては、胎児の各種臓器が形作られるとても重要な時期であり、この時期に感染をするとより一層先天性風疹症候群の発症リスクが高まります。子宮内の胎児に感染した風疹ウイルスは、妊娠経過中を通じて慢性的に悪影響をもたらすようになります。


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症状

風疹ウイルスが妊婦さんに感染した場合、およそ2〜3週間の潜伏期間を経て症状が出現します。妊婦さんに見られる可能性のある症状は、倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れ(特に耳の後ろや後頭部のものが腫れることが特徴です)、発疹、関節症状などです。母体における風疹は、数日程度の経過で自然に治癒することがほとんどです。
しかしその一方、胎児に対して影響が生じる可能性はとても高く、子宮内での胎児死亡に加え種々の奇形を発症することがあります。具体的に、頻度が高く見られる合併症には、子宮内発育遅延(週数に比較して、胎児の大きさが小さいです)、小頭症(知能や発達に影響を及ぼします)、眼症状(白内障、網膜症など視力低下をもたらします)、難聴、心疾患(心不全症状を引き起こすことがあります)など、全身臓器多岐に渡ります。その他、頻度は下がりますが、血小板減少による出血傾向、貧血、肺炎、低ガンマグロブリン血症(免疫不全の一つです)などを併発することもあります。先天性風疹症候群に伴う症状は出生後すぐに認めるものもあれば、成長過程を経るにつれて明らかになるものもあります。


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検査・診断

先天性風疹症候群の診断は、①風疹ウイルスに対する抗体の検出(血液検査)、②風疹ウイルスそのものの同定(ウイルス分離)、③風疹ウイルス特有の遺伝子の同定(PCR法)、の三つを挙げることができます。①の抗体検査に関しては、母体が風疹ウイルスに初めて感染した際に高値を示す「IgM抗体」とよばれるものが、胎児の血液から検出されます。さらに、生後遅れて数ヶ月後に「IgG抗体」と呼ばれる抗体が胎児血液中にて検出された場合にも、子宮内での風疹ウイルス感染がより強く疑われます。また羊水や血液、尿、咽頭拭い液等を用いて、②及び③の検査を行うことから先天性風疹症候群が診断されることもあります。


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治療

風疹ウイルスに効果がある抗ウイルス薬はありません。妊娠経過中に風疹ウイルスに暴露された可能性がある場合には、先天性風疹症候群に関してのリスクについてのカウンセリングがとても重要になります。妊娠継続を判断された場合には、状況に応じて母体に対してのガンマグロブリンが投与されることもありますが、先天性風疹症候群の発症を予防する確実な方法ではありません。
胎児が出生した場合には、各種合併症に対応した治療が必要になります。例えば、心疾患の中でも「動脈管開存症」と呼ばれるものを併発することがあります。この場合には、動脈管を閉鎖するための薬剤が点滴で使用されることがありますし、場合によっては手術的な閉鎖術が取られることもあります。また心不全の治療も必要になります。難聴の場合においては、補助器使用や難聴療育といった長期的な治療介入も必要になります。その他、緑内障や白内障等を認める場合には、眼科的な治療介入も必要です。
先天性風疹症候群を発症すると、確実な治療方法がないため予め風疹ウイルスに対しての免疫力を付けることが有効であり、ワクチンによる予防接種が強く推奨されます。具体的には、日本においては1歳の時と小学校入学前1年間の2回、定期予防接種が設定されています。また妊娠適齢期における年代においても、妊娠が成立する前に予防接種を受けることが重要です。


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