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切迫早産
妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を「早産」といいます。 なお、日本では妊娠22週0日以前の出産を流産といいます。 切迫早産とは文字通り、「早産」になるかもしれない「切迫」し...
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切迫早産せっぱくそうざん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産を「早産」といいます。

なお、日本では妊娠22週0日以前の出産を流産といいます。

切迫早産とは文字通り、「早産」になるかもしれない「切迫」した状況のことを指します。もう少しわかりやすくいうと「子宮収縮があること」と「子宮頸管長が短縮していること」の2点を伴うことです。

「子宮頸管長の短縮」とは、図のような状態を指します。

子宮頸部は、妊娠中に赤ちゃんを子宮の中にしっかりととどめておくための役割を果たしており、同部位を妊娠中は「子宮頸管」と呼びます。赤ちゃんが外に出ないように、そして外から細菌などの外敵が侵入して来ないように「固くて、長くて、しっかりと閉じている」という構造になっています(左図)。

この「固くて、長くて、しっかりと閉じている」状態から「軟らかく、短く、開きかけて」いく変化(右図)が、早い週数で起きてしまうことを『切迫早産』といい、変化が起きる週数が早ければ早いほど「重症な切迫早産」であるといえます。

よく診察で「子宮の出口が短くなっているから安静に」とか「ものすごく短くなっているからすぐに入院」などといわれることがあるのはこのためです。

子宮頸管長の長さについては、一般的に30~25mmはグレーゾーン、25mm以下なら何らかの対応が必要と思っていただければよいでしょう。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

原因

切迫早産を引き起こす原因である子宮頸管の軟化・子宮のはりですが、原因不明であることも多いです。ただ、可能性として「炎症」が関与しているのではないかということが強く疑われています。

炎症を引き起こす代表例が感染です。腟内に雑菌が増えたり(細菌性腟症)、感染したりすることによって、子宮頸部に局所の炎症(子宮頸管炎)がおこります。その炎症が絨毛膜や羊膜まで拡大(絨毛膜羊膜炎)して、切迫早産を引き起こします。本来、腟内・子宮頸管には細菌感染に対する防御機能が存在し、子宮を守ってくれています。しかし、これらの機能が何らかの要因によってはたらかなくなり感染することで、炎症を引き起こします。

ただし、なぜこのような炎症を起こしてしまう方と起きない方がいるのかについては、不明な部分も多いのです。

以下のような方が切迫早産になりやすいといわれています。

  1. 過去に早産もしくは切迫早産になった方
  2. 円錐切除を行った方
  3. 喫煙者
  4. 各種ストレスや長時間労働や重労働など
  5. 多胎の妊娠など
  6. 腟内環境の悪化
  7. 子宮頸管の炎症のリスクを高めるポリープや絨毛膜血腫などの原因により出血している方。子宮頸管の周辺に出血がある場合。
  8. 子宮筋腫、子宮腺筋腫がある方
  9. 虫歯・歯周病を患っている方。

症状

切迫早産の症状は、「お腹の張り(子宮収縮)」や「下腹部痛」、「少量の性器出血」などがあります。また絨毛膜羊膜炎が原因にある場合は、38℃以上の熱発や、子宮の圧痛、おりものや羊水の悪臭などが出現することもあります。

ただし、『頸管無力症』に関しては症状がなく起きる場合が多いです。

下腹部痛や腹部緊満感は重症化していくと陣痛となることがあり、そうなると早産は避けられません。

また、炎症により破水してしまうことがあります。破水すると、無菌であった子宮内と無菌ではない我々の世界が繋がった状態となるため、感染が起こりやすくなります。感染が赤ちゃんにまで及び、赤ちゃんの状態が悪くなり早産になってしまうこともあります。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

検査・診断

検査で最も重要なものは、経腟超音波検査です。下図に示すように、子宮の出口で、分娩にならないように硬く塞いでいる部分が「子宮頸管」です。この長さを測定することで、早産の兆候がないか確認します。

妊婦健診では、妊娠20週前後にこの検査を行うことが多いです。万一、子宮収縮などの症状や炎症がないにもかかわらず、子宮頸管長が短くなっていた場合には、前述した「頸管無力症」が疑われます。

その他、子宮収縮など症状があると、適宜、超音波検査にて子宮頸管長を測定します。長さの目安については前述の通り、一般的に30~25mmはグレーゾーン、25mm以下なら何らかの対応(入院安静など)が必要ですが、週数によっても異なってきます。

その他、胎児心拍モニタリング、腟培養を行います。施設によっては、子宮頸管の炎症をチェックすることもありますが、必ずしも一般的ではありません。

胎児心拍モニタリングでは、胎児の心拍をモニタリングし、胎児の状態を評価することに加え、子宮収縮の強弱や頻度を診ます。腟培養は子宮頸管の粘液を綿棒のようなもので採取して、粘液の中に切迫早産の原因になりうるような細菌がいるかどうか調べるための検査です。

治療

切迫早産の治療の原則は

1. 安静

2. 子宮収縮抑制の使用

3. 局所感染・炎症の制御(腟洗浄と抗生剤・抗炎症剤使用)

の3つです。ただ、具体的な治療方針は地域や病院によって大きく異なります。

1. 安静

お腹が張らないように安静にします。「どの程度の安静度を必要とするか」は、切迫早産の重症度や地域・施設によって変わってきますので、主治医とよく相談するようにしましょう。

2. 子宮収縮抑制剤の使用

お腹の張りを抑える薬を使用します。よく使われるのは、塩酸リトドリン(商品名:ウテメリン)で、内服と点滴があります。また、点滴では、硫酸マグネシウム(商品名:マグセント)を使うこともあります。内服を行うか、または点滴をするか、点滴を行うのであれば短期的に行うか長期的か行うか、といった細部に関しては個別に対応しているため一概にはいえません。

3. 局所感染・炎症の制御(腟洗浄と抗生剤使用)

炎症を抑えるための手段として、腟洗浄、抗炎症剤、抗生剤の使用があります。腟洗浄というのは文字通り、子宮頸部をきれいな水を使って洗浄することで、付着した雑菌を洗い流す効果があります。

これらの治療に関しても、行う頻度やその方法に関しては施設ごとに差があります。

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