前立腺

前立腺がん(ぜんりつせんがん)

前立腺がんとは

前立腺がんとは、膀胱(ぼうこう)に隣接して尿道を取り巻いている前立腺という臓器にできた悪性腫瘍のことです。高齢の男性に多くみられ、近年では患者数が増加しています。

前立腺がんは、前立腺肥大のように尿の勢いが弱くなったり頻尿(ひんにょう)になったりという明らかな症状が出にくいため、早期発見が難しい病気です。したがって発見されたときにはすでに進行していて、肺や骨へ遠隔転移してしまっていることが多く、死亡率が高い病気です。前立腺がんについての正しい知識を身につけて早期発見につなげることがとても重要です。

原因

前立腺がんの原因は完全には解明されていませんが、男性ホルモン(アンドロゲン)に依存して発症することがわかっています。発症する危険性が高まる因子としては、高齢であること、脂肪や糖分の多い食生活、さらに遺伝的な要因があるといわれています。

症状

前立腺がん早期では特徴的な症状はみられません。しかし、前立腺肥大を同時に発症している場合には、尿が出にくい、尿の切れが悪い、排尿後すっきりしない、夜間にトイレに立つ回数が多い、トイレまで我慢できずに尿が漏れてしまう(尿失禁)などの症状がみられる場合もあります。
前立腺がんが進行すると、血尿や骨への転移による腰痛などがみられることがあります。腰痛のために骨の検査を受けて前立腺がんが見つかったり、肺転移から前立腺がんが見つかったりすることもあります。

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検査

前立腺がんが疑われる場合には、採血でPSA検査や診察で直腸診を行います。患者さんに横になってもらった状態で肛門に指を入れ、直腸の前側にある前立腺を触診します。前立腺がんで特徴的な所見としては、前立腺がかたい、表面がゴツゴツして弾力がない、などです。

さらに、画像による評価のために超音波検査や単純MRI検査行い、がんが進行していないかどうかを評価するために全身のCT検査や骨シンチグラフィを行ったりします。

一方、前立腺がんと診断された後、経過を評価していく上で大事な検査がPSA(前立腺特異抗原)で、再発の有無や進行の有無を評価するために役立ちます。
それだけでなく、PSAは地方自治体で行われる検診でも測定されており、この値が高い場合には前立腺がんがないかどうかを調べるための精密検査を強く勧められます。

前立腺がんが強く疑われる場合には、前立腺の生検(生体から組織切片などをとって行う検査)を行って病理検査を行い、確定診断とがんの進行度の確定を行います。

治療

前立腺がんの治療は、下記のように、がんの進行度に応じて異なり、手術療法、放射線療法、そしてホルモン療法の3つの治療法を組み合わせて行います。

限局性前立腺がんの低リスク群

限局性とは、前立腺がんが前立腺内にとどまっている状態のことです。PSA監視療法のほか手術療法・放射線療法・ホルモン療法など、さまざまな治療があります。

限局性前立腺がんの中間リスク群および高リスク群

手術療法と放射線療法が中心となります(高リスク群においては手術療法だと再発リスクが高いため放射線療法が中心となってくることが多いです)。ただし、放射線療法を行う場合、放射線療法単独よりもホルモン療法を併用したほうが生化学的再発(PSAの上昇などにより再び前立腺がんが検知されること)率や遠隔転移(がん細胞がはじめに発生した場所から血液やリンパ液に乗って他の器官に転移すること)発症率が低いとされているため、これらのリスク群の患者さんにおいては各治療を組み合わせることも必要になってきます。

局所進行がん

放射線療法とホルモン療法の併用療法が適応されます。また、手術療法も選択肢のひとつです。

近年では、前立腺がんの手術に対してロボット手術を行う施設が増えてきています。前立腺を摘出する場合、周りに無数の血管が走っていることから、どうしても手術が困難となり出血量も多くなります。それに対してロボット手術では、手先をより正確に動かすことが可能となり、出血量を少なく抑えることができます。

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