どうみゃくりゅうようこつのうしゅ

動脈瘤様骨のう腫

最終更新日:
2018年07月18日
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2018/07/18
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概要

動脈瘤様骨のう腫とは、骨に生じる骨腫瘍類似疾患であり、骨の中に血液が充満したのう腫(袋状の空間)を形成します。

全骨腫瘍の2%弱を占めるに過ぎず、非常にまれな病気ですが、骨にできる種々の病気のなかでも成長が早く、周囲の骨を破壊しながらどんどん大きくなるのが特徴です。

多くは10~20代の若者が発症します。よくできる部位は、大腿骨や上腕骨などの長い骨や脊椎です。治療は基本的には手術による病変部位の切除や掻把(そうは)になります。

原因

発症原因には諸説ありますが、動脈瘤様骨のう腫には、一次性と二次性があります。それぞれの原因として下記のようなことが考えられています。

一次性

骨内で血管が異常形成されることや、局所的に血が固まりにくくなることなどにより、骨内に血液が溜まった空間を形成することが原因と考えられています。しかし、発症原因は明確には解明されていないのが現状です。

二次性

外傷などの衝撃によって骨にダメージが加わって骨の内部に出血が生じること、それを修復するための組織反応であること、骨嚢腫線維性骨異形成・骨芽細胞腫、骨肉腫などの骨の病気が出血性病変を伴うこと、などが原因と考えられています。

症状

動脈瘤様骨のう腫の多くは、大腿骨や上腕骨などの長い骨や脊椎に生じます。また、鎖骨や指の骨、踵骨、骨盤にも発生することが報告されています。

発症部位によって症状は異なりますが、多くは病変部に痛みを生じ、腫瘍部位が腫れとして体表から触れるようになります。これらは動脈瘤性骨のう腫の二大徴候とされており、発症部位によらず広くみられる症状です。

また、病変部に骨折を生じることがあり、しばしば多くの出血を伴います。脊椎に発症した場合には、大きく膨れた病変部が脊髄やそこから分布する神経を圧迫し、しびれや感覚異常、麻痺などの神経症状を呈することもあります。

検査・診断

種々の画像検査と病理検査が行われますが、それぞれ以下の通りです。

画像検査

もっとも簡便に行える検査はレントゲン検査ですが、レントゲン検査でも骨病変は明確に観察できます。動脈瘤様骨のう腫は周囲の軟部組織にせり出すように隆起し、内部は骨が破壊されて黒く見えるのが特徴です。

また、CTやMRIで腫瘍の大きさや位置などを詳しく観察しますが、特にMRIでは腫瘍内に血液が充満しているため、液面形成という所見がみられます。

病理検査

他の骨腫瘍との鑑別を行い、確定診断をするうえで必須の検査です。のう腫の一部を採取して行います。しかし、診断が確定する前でも治療を目的としてのう腫を切除し、摘出されたのう腫で病理検査が行われることもあります。

治療

のう腫を取り除く必要がありますが、方法としては掻把術と切除術があります。

掻把術

骨の中に器具を差し込んでのう腫の内容を掻きだす方法であり、骨自体は残るため術後に運動機能障害を生じることは少ないとされています。一般的には掻爬した後にのう腫内に人工骨を充填することにより、骨の強度を保ちます。

切除術

のう腫がある部位を骨ごと切除するもので、自分の骨の一部を移植する手術も同時に行われます。また、頚椎など手術が難しいケースでは放射線治療が行われることもあります。

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