へんけいせいかんせつしょう

変形性関節症

最終更新日:
2018年02月07日
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2018/02/07
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概要

変形性関節症とは、関節の構成成分である軟骨がすり減ってしまい、関節の形態が著しく変形してしまう病気です。軟骨がすり減る以外にも関節内で多くの変化が生じるため、関節の痛みや腫れなどが現れます。

変形性関節症は、荷重関節である股・膝・足関節でみられることが多いですが、非荷重関節でも頻繁に動かすことのある肘関節では頻度は少ないものの生じることがあります。病気の発症リスクを少しでも軽減するためには、適度な運動を行い、体重調整を行うことや筋力を保つこと、過度の運動を避けることが重要です。

原因

人の関節は、骨と骨が合わさる部分で構成されています。骨と骨が直接接触していると、運動する度に両者の間で大きな摩擦が生じ、骨同士が削れてしまいます。こうした事態を避けるため、人の関節には関節軟骨を始めとして摩擦力を軽減させる仕組みが備わっています。

しかし、年齢を重ねるにつれて軟骨が徐々に削れてしまい、その他にもさまざまな変化が関節に加わることで関節の動きが円滑でなくなってしまいます。関節軟骨の摩耗がひどくなると、関節の痛みや変形が徐々に伴うようになり、変形性関節症を発症します。変形性関節症の発症には、遺伝、年齢、性別、肥満、職業など、遺伝因子と環境因子が関わっていると考えられています。

症状

変形性関節症を発症すると、関節の痛みを自覚するようになります。初期段階は運動負荷をかけたときのみ痛みが生じ、安静を保つと痛みの軽減が期待できます。しかし病状が進行すると、運動負荷やタイミングに関係なく常に痛みを自覚するようになります。また、変形性関節症では、摩耗した軟骨片などにより二次性に滑膜炎が生じます。滑膜炎が起こると、痛みに加えて関節内で水が貯留し、関節の腫れがみられるようになります。

このようなことが複合的に重なりあい、障害を受けた関節の動きが著しく障害されると、関節機能障害を生じて日常生活に支障をきたすようになります。

検査・診断

変形性関節症の診断は、年齢、症状、レントゲン画像などから総合的に行われます。また、関節リウマチやその他の炎症性疾患と区別するために、血液検査や関節液検査も、通常補助的に行います。レントゲン画像以外にもCTやMRIなどの画像検査を追加することで、より詳細に確認することができ、骨壊死などの骨髄病変などの確認も行うことができます。

治療

現時点では、変形性関節症の根本的な治療法はなく、変形性関節症で生じる関節の疼痛・可動域制限・変形などの症状に対する対症療法(症状を和らげる治療)が行われます。

保存療法

保存療法には、運動療法、薬物療法(消炎鎮痛剤の経口投与やヒアルロン酸製剤の関節内注入など)、装具療法(軟性・硬性など種々の装具、杖などの補助具など)があります。

手術療法

保存療法により症状の軽減が得られない場合には手術療法が検討されます。術式には、関節鏡視下手術や各種骨切り術などを適切に組み合わせた関節温存手術や、人工関節置換術に代表される関節形成術があります。

予防

高齢化の進む近年の日本では、運動機能が低下してしまい寝たきりにつながることも増えてきています。関節を含む運動器の障害のために要介護になったり、あるいは要介護に陥る危険性が高まったりする状態をロコモティブシンドロームと呼びますが。変形性関節症は、このロコモティブシンドロームの代表的な原因疾患のひとつでもあります。こうした状態を避けるためにも、適切な運動を日常的に取り入れ、病気を予防することが重要です。

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