がいいんぱじぇっとびょう

外陰パジェット病

別名
外陰ぺージェット病
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

外陰パジェット病は、女性の外陰部に発生する皮膚がんの一種です。外陰ぺージェット病と呼称されることもあります。

パジェット病とは、主に乳房(乳腺)に発生する疾患ですが、乳腺以外に発生する場合もあり、それらは乳腺外パジェット病というように一括して呼ばれることもあります。

パジェット病は、皮膚を構成する扁平上皮(へんぺいじょうひ)という部分にとどまって発生することが大多数ですが、浸潤癌(しんじゅんがん)、つまり皮膚の奥まで入り込んでいってしまうタイプのものもあります。一般的に、扁平上皮までで留まっている方が完全切除可能な確率が高く、治療できる可能性が高いと考えられます。一方で、浸潤癌を伴っている場合には、皮膚の内部にある小さな血管やリンパ管などにがん細胞が入り込み、周囲や全身へ広がってしまう可能性が上昇してしまいます。

 

原因

外陰パジェット病の原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモン(エストロゲン)に依存する細胞が主に関連していることがわかっています。他の危険因子としては、加齢や物理的刺激、また遺伝的な要因があるといわれています。

他の種類の多くの癌と同様に、何か一つの原因だけで発生するわけではなく、さまざまな影響の蓄積で起きるものと考えるべきです。

症状

多くの場合、痒み(かゆみ)や軽い痛みを感じます。見た目では、いくつもの湿疹(しっしん)が広く癒合(ゆごう)(くっついて一つの病変のようにみえる)し、表面は赤いことが多いですが、褐色や白色が混在することもあります。

湿ってただれることがあり、痒みを伴う場合もあります。気づかずに自分自身で触ったり掻いたりしてしまううちに、表面から少量の出血を認める場合がありますが、大量出血することはまずありません。

検査・診断

鑑別疾患(他に考えうる疾患)として、単なる湿疹接触皮膚炎、カンジダ外陰炎などが挙げられ、見た目だけでは判別が困難なことが少なくありません。確定診断のためには生検(小さく病変を採取すること)し、顕微鏡で細胞の性質を判断する必要があります。

生検は外来で行うことができ、基本的に短時間で終わるものです。痛みを伴いますが、局所麻酔を使用して実施することも可能です。パジェット病と診断された場合には、進行具合の把握や術前検査のために、より精密検査を行うことになります。なお、パジェット病は乳がん大腸がん直腸がん子宮頸がんなどの他臓器のがんを同時に重複する可能性があるため、通常は全身の確認が行われます。

治療

表皮内にとどまった病変に対しては、健常な皮膚を含めた局所切除が主に選択されます。病変が広範囲に及んでいる場合、外陰部全体を切除しなければならない場合もあります。皮膚の奥深くまで進んでいる浸潤癌の場合には、いわゆる外陰癌という疾患と同様の扱いとなり、治療法もそれに準じて決定されます。

一般的に、抗癌剤のみで治療を行うことはありませんが、手術後に抗癌剤を追加治療として実施する場合があります。

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