がいいんむもうしょう

外陰無毛症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

外陰無毛症とは、第二次性徴に訪れるはずの陰毛の出現がみられず、ほぼ陰毛が生えないか、生えてもごくわずかな場合を指します。

陰部に生えてくる体毛(陰毛)は、一般的に思春期(第二次性徴の始まりからその成熟までを指す)に生えてきます。第二次性徴とは、成長に伴い現れてくる性器(男の子なら陰嚢や陰茎、女の子なら子宮や卵巣のこと)以外の体の変化のことをいいます。

女の子の場合、やや個人差はありますが乳房の発達、陰毛の出現、身長増加、初潮という順番で体の変化が訪れます。

原因

陰毛は、第二次性徴の際に、副腎という臓器から分泌される男性ホルモン(とくにテストステロン)の影響で出現が促されます。女の子でも、体内には男性ホルモンが存在するため、このメカニズムは男女共通と考えられています。そして、陰毛が生える際に、ホルモン生成、ホルモン分泌、毛根の形成といった流れのいずれかに異常があると、外陰無毛症につながります。

外陰無毛症を引き起こす原因として、薬剤や放射線といった物理的、化学的な影響や、内分泌学的な影響によるものが挙げられます。しかし、思春期を迎えるまでに特殊な薬剤や治療を受けた経験や、交通事故や薬品被害などを受けた経験がなければ、多くの場合で内分泌疾患(なんらかのホルモン分泌異常を起こす疾患)が原因であると考えられます。

さらに、これらの内分泌疾患が起こる理由としては遺伝性疾患も含まれ、たとえば、アンドロゲン不応症、下垂体機能低下症、自己免疫性無毛症などが挙げられます。無毛以外に体の異常がない場合には、先天性無毛症といって毛根が形成されない疾患である場合もあります。

症状

外陰無毛症の症状としては、外陰部の陰毛が生えてこない、または生えてもごくわずかな場合や、生えてもすぐに抜け落ちてしまって生えそろうことがない、などが挙げられます。通常、痛みや(かゆ)みなどを伴うことはありません。

しかし、原因となっている疾患によって、体の他の部位にもさまざまな症状が起こる可能性があります。また、無毛症をきっかけに内分泌疾患や遺伝性疾患が見つかることもまれにあります。

先天性無毛症といって毛根が形成されない疾患の場合には、頭髪なども含めて体の全体もしくは一部が無毛となりますが、それ以外の症状は伴わないことが多いと考えられています。

検査・診断

遺伝性疾患の場合には、染色体検査や、血液中の性ホルモン値(テストステロンなど)の測定を行います。その他の内分泌疾患が疑われる場合は、それに関係したホルモン値を含む検査(主に血液検査)を行います。

ただし、染色体検査は特殊な検査であり、また結果の解釈や受け止め方も含めて、事前にご家族や主治医などと充分に話し合ってから検査を行うべきでしょう。

治療

原因となる疾患によって、治療法や対応が変わってきます。下垂体機能低下症など、男性ホルモンの分泌が不十分なことが原因の場合には、男性ホルモン(テストステロン)剤の外陰部塗布や、注射での全身投与によって、発毛を促すことができる場合があります。ただし、効果には個人差があります。

先天性無毛症やアンドロゲン不応症などに対しては、現在(2018年6月時点)においても根本的な治療法はないとされています。

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