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Nerve
多発性硬化症
多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)は、視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状の再発と寛解を繰り返す、厚生労働省が指定する難病のひとつです。 詳細な原因...
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神経

多発性硬化症(はたつせいこうかしょう)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)は、視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状の再発と寛解を繰り返す、厚生労働省が指定する難病のひとつです。

詳細な原因はわかっていないものの、何らかの免疫異常によって中枢神経のさまざまな部位に脱髄(だつずい)が繰り返し引き起こされ、症状が現れると考えられています。欧米人に多い病気ですが、日本でも約1万5千人程度の患者さんがいると推定されています。発症年齢は10歳~50歳で、20代後半で発症する方が最も多いといわれています。女性の患者さんの割合が高く、男性の3~4倍程度と報告されています。

近年では、治療薬の選択肢が広がるとともに、日常生活を改善する治療法が確立されつつあります。

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原因

現在のところ、多発性硬化症が発症する正確な原因はわかっていません(2018年時点)。しかし、免疫の異常がその発症に関わっていると考えられています。

多発性硬化症は、神経線維を覆う髄鞘(ずいしょう)(ミエリン)という部分が破壊される病気です。神経線維は、神経活動の刺激を伝える軸索と、それを節状に覆う髄鞘(ずいしょう)(ミエリン)によって構成されています。多発性硬化症が起こると、本来自己を守るはずの免疫システムが髄鞘(ずいしょう)(ミエリン)を攻撃して、軸索がむき出しの状態になる「脱髄」が引き起こされます。脱髄が起こると神経伝導がうまくいかなくなり、神経症状が現れるようになります。

疫学調査から、発症に関わる環境的要因として、EBウイルスへの感染や喫煙歴が報告されています。また、多発性硬化症は遺伝性の病気ではありませんが、遺伝的要因として特定のHLA型と発症に関連性があると考えられています。

症状

多発性硬化症は、局所性の炎症性脱髄病変が、部位を変え、時間を変えて繰り返し起こる病気です。脱髄の病変は、大脳、小脳、視神経、脳幹、脊髄など中枢神経の組織であればどこにでも起こる可能性があります。脱髄病変の起こった部位によって、異なる神経症状が認められます。初めて現れる症状としては、

  • 視力視野障害(物が見にくい)
  • 複視(物が二重に見える)
  • 感覚障害(しびれる)
  • 運動障害(力が入らない、動きにくい)
  • 歩行障害
  • 排尿障害
  • 構音障害(発声や発語が困難になる) などが挙げられます。

適切な治療により、症状が現れなくなる寛解期をむかえます。しかし、大多数の患者さんは、1~2年の間にそれまでとは異なる新たな症状の再発が認められます。寛解と再発を繰り返すことが、多発性硬化症の特徴です。

治療が奏功しない場合は、再発と寛解を繰り返しながら、徐々に神経症状全体が慢性的に増悪していきます。

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検査・診断

多発性硬化症の検査では、まずは神経学的検査が行われます。神経症状について病歴の詳しい聞き取り、ものの見え方、眼球運動、体の感覚、運動機能など、体の状態を確認する基本的な検査です。また、神経学的検査に加え、MRI検査、髄液検査、誘発電位検査などがあわせて実施されます。

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治療

多発性硬化症の治療は、発症の原因が明らかになっていないことから、神経症状の早期回復ならびに再発の予防、障害の進行抑制を目的とした薬物療法が中心です(2018年時点)。

初めて症状が現れたとき、あるいは再発時には、メチルプレドニゾロンという副腎皮質ステロイド薬を用いたステロイドパルス療法が行われます。この薬は、再発の予防効果はないものの、症状や後遺症を軽減させる作用があります。ステロイドパルス療法で症状の改善がみられない場合には、血液浄化療法が行われることもあります。

また、再発の予防と障害の進行を抑制するために、インターフェロンベータなどの治療薬が用いられます。近年では、治療の選択肢がさらに広がってきています。2011年には経口治療薬「フィンゴリモド」、2014年には分子標的治療薬「ナタリツマブ」、2015年にはグラチラマー酢酸塩、2017年にはフマル酸ジメチルが承認されています。

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