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天疱瘡
天疱瘡(てんぽうそう)とは、皮膚や粘膜などに水疱(水ぶくれ)やびらん(表皮細胞がはがれてただれ、内側が見えてしまう状態)を生じる自己免疫性疾患の一種です。デスモグレインと呼ばれるタンパク質に対し...
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天疱瘡てんぽうそう

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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

天疱瘡(てんぽうそう)とは、皮膚や粘膜などに水疱(水ぶくれ)やびらん(表皮細胞がはがれてただれ、内側が見えてしまう状態)を生じる自己免疫性疾患の一種です。デスモグレインと呼ばれるタンパク質に対して自己抗体がつくられ、口のなかや皮膚に水ぶくれが出きる病気です。

日本では難病指定されている病気のひとつで、5,500人ほどの患者さんが認定を受けています(2013年時点)。中年層や高齢者など年齢をある程度重ねた方に好発する病気で、やや女性に多い傾向があります。

天疱瘡(てんぽうそう)は、皮膚症状により細かく分類されます。なかでも尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)の頻度が高く、両者を合わせると天疱瘡のおよそ8割を占めています。

原因

天疱瘡(てんぽうそう)は、デスモグレインという分子に対して免疫グロブリン (IgG) という自己抗体ができてしまうことにより引き起こされます。デスモグレインは上皮細胞(皮膚・粘膜の表面の細胞)の接着に関わっている分子です。4種類存在し、天疱瘡の患者さんでは、主に皮膚の細胞の接着に関わるデスモグレイン1もしくは主に粘膜 (口腔内など)の細胞の接着に関わるデスモグレイン3に対する抗体ができます。デスモグレインに対する自己抗体ができることで、体の免疫システムが自分の皮膚や粘膜に含まれるたんぱく質を誤って攻撃し、水疱やびらんを発症します。

天疱瘡はいくつかの病型がありますが、なかでも尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)の頻度が高いです。尋常性天疱瘡ではデスモグレイン3を中心に自己抗体が産生され、抗デスモグレイン1抗体が病気に関わることもあります。産生される自己抗体に応じて、症状が異なります。

落葉状天疱瘡では、抗デスモグレイン1抗体が発症に深く関わっています。デスモグレイン1は皮膚に多く存在するタンパク質であるため、多くは皮膚に症状があらわれます。

 

症状

水疱やびらんを生じます。頻度の高い尋常性天疱瘡では粘膜にも症状がでますが、そのほかの代表疾患である落葉状天疱瘡では皮膚症状に限局し、粘膜に病変はみられません。尋常性天疱瘡はさらに、皮膚症状がどの程度合併するかによって粘膜皮膚型と粘膜優位型に分けられます。

一方の落葉性天疱瘡では小さな水疱が多発的に皮膚にできて、紅斑とびらんを生じ、頭部・顔面・胸・背中など汗をかきやすく体内の油分が溶け込みやすい場所に症状が多発します。水疱はすぐに破れてしまい、浅いびらんの上に鱗屑(はがれかかった角質)をつけることが特徴です。

検査・診断

皮膚症状や粘膜症状を詳細に確認することからはじめます。天疱瘡(てんぽうそう)の発症にはデスモグレインと呼ばれるタンパク質に対しての自己抗体が大きな役割を果たしており、血液検査にて自己抗体を検出することが重要です。なかでも重要な自己抗体は、抗デスモグレイン1抗体と抗デスモグレイン3抗体です。それぞれのタンパク質は皮膚や粘膜などに分布していることから、検出される抗体によって症状が異なります。

また、天疱瘡の確定診断には、患者さんの組織を一部採取して病変を調べる生検も重要です。水疱のできている病変部もしくは外見上正常な皮膚採取し、皮膚や粘膜に抗体が沈着しているかは蛍光抗体直接法を用いて確認します。

治療

天疱瘡の治療は、早期発見のうえ、初期治療の段階できちんと病勢をコントロールすることが、その後の治療経過に大きな影響を与えます。そのため、初期では適切な治療の重要性が指摘されています。

天疱瘡の治療では、ステロイドの治療が第一に選択されます。ステロイドの反応性を見ながら減量していくか、もしくは反応が悪い場合には免疫抑制剤や免疫グロブリン大量療法、血漿交換療法、ステロイドパルスなどを検討します。

症状が緩和されていくにしたがって、ステロイドの量を徐々に減らし、寛解(かんかい)を目指します。ステロイドによる治療効果は期待できるものの長期投与が必要となるため、それに伴う糖尿病や骨粗しょう症などの合併症を引き起こす可能性があり、注意が必要です。

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