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妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降、分娩後12週までに高血圧がみられる状態をさします。さらに蛋白尿を伴う場合もあり、その場合はより重症に分類されます。 過去には「妊娠中毒症」と呼ばれ、高...
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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降、分娩後12週までに高血圧がみられる状態をさします。さらに蛋白尿を伴う場合もあり、その場合はより重症に分類されます。

過去には「妊娠中毒症」と呼ばれ、高血圧・蛋白尿・浮腫(ふしゅ)(むくみ)が3大症状として知られていましたが、浮腫だけが単独で現れる場合、妊娠高血圧症候群ではなく正常なケースも多いという実情がありました。

病態の主体は「高血圧」であり、蛋白尿、浮腫は高血圧に伴って起こる随伴的症状という考えから、「妊娠高血圧症候群」と名称変更されました。
なお、妊娠期に高血圧が見られたとしても、他に明らかな原因がある場合には、妊娠高血圧症候群とは呼ばないこととなっています。

原因

はっきりとした原因や病態は解明されていません。

リスク因子と考えられているものを下記に例示します。

  • 年齢:15歳以下、40歳以上
  • 体重:肥満(BMI 25以上)
  • 合併症:高血圧、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病、原発性腎疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、
  • 易血栓形成性(抗リン脂質抗体症候群、プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症、アンチトロンビン欠乏症など)遺伝的素因:本態性高血圧症、母親に妊娠高血圧症候群の既往
  • 出産回数:初産婦
  • 妊娠関連:多胎妊娠、胎状奇胎

分類

妊娠高血圧(gestational hypertension) 

妊娠20週以降に初めて高血圧が発症し,分娩後12 週までに正常に戻る場合をいいます。妊娠高血圧を発症した人の一部は妊娠高血圧腎症に移行すると考えられています。

妊娠高血圧腎症(preeclampsia)

妊娠20週以降に初めて高血圧を発症し、かつ蛋白尿を伴うもので分娩後12週までに正常に戻る場合をいいます。全身の臓器に何らかの障害が出ている状態です。子癇、腎障害、肺水腫、DIC、胎児機能不全などの重大な合併症を生じやすく、厳重な管理とその患者に適した分娩時期・方法の決定が重要になります。

加重型妊娠高血圧腎症(superimposed preeclampsia) 

以下の3つのケースがあります。

  • 高血圧症(chronic hypertension)が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降蛋白尿を伴う場合。 
  • 高血圧と蛋白尿が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降いずれか、または両症状が悪化する場合。 
  • 蛋白尿のみを呈する腎疾患が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降に高血圧が発症する場合。 

子癇(eclampsia) 

妊娠20週以降に初めて痙攣発作を起こし、てんかんや二次性痙攣が否定されるもの。痙攣発作が起こった時期により,妊娠子癇・分娩子癇・産褥子癇と分類されます。
 

症状

自覚症状がなく高血圧のみの場合などは、普段の血圧測定(家庭血圧測定)を行わないと、妊娠高血圧症候群になっているかどうかは分かりません。
ただし、重症化すると、臓器障害をきたすようになり、さまざまな症状が現れます。

特に痙攣発作をともなう子癇は最重症といわれます。痙攣発作が起きる前の症状を子癇前症と呼び、頭痛、眼の症状(眼のかすみやチカチカ)、上腹部痛がその代表です。本症状が出現した場合には速やかにかかりつけ医療機関に相談してください。

検査・診断

主な検査方法は下記になります。

  • 胎児心拍数図:胎児の状態(元気のよさ)を評価するため
  • 超音波検査:胎児の状態(発育遅延や元気のよさ)を評価するため
  • 血液検査:妊娠高血圧症候群の重症度を計るため
  • 尿検査:尿中のタンパク質の量

検査項目についてはヘマトクリット、血小板数、AT活性、PT時間、APTT時間、尿酸値、血清クレアチニン、LDH・AST・ALT・ビリルビンなどがあります。
 

治療

妊娠高血圧症候群でも妊娠高血圧腎症(血圧と蛋白尿が基準を超えている)の診断を受けた場合は、重症度のいかんに関わらず、入院管理が原則です。妊娠高血圧症候群の根本的な治療は妊娠の終了、つまり分娩を行うことです。

早い妊娠週数で妊娠高血圧症候群が発症した場合は、赤ちゃんの発育を考慮し、注意深く経過観察しながら妊娠継続を行うこともあります。妊娠継続の場合は、安静、降圧剤投与、子癇の予防のために硫酸マグネシウム投与をすることもあります。

しかし、重症度が高い場合は母体救命のために分娩を余儀なく選択することもあります。その場合は生まれた赤ちゃんは新生児集中治療室(NICU)で入院管理されることが多いです。
以上のような対症療法をしながら、母体・胎児の状態を考慮して分娩の時期を決定していきます。

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