クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Uterus
子宮肉腫
子宮肉腫は子宮にできる悪性腫瘍の一つで、主に子宮体部(子宮の奥のほうで、胎児の宿る部分)から発生します。 「がん」は、皮膚や胃、腸の粘膜、子宮内膜など組織の表面を覆う上皮細胞を由来とする「...
Male consulter resolved
クリップに失敗しました
子宮

子宮肉腫しきゅうにくしゅ

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

子宮肉腫は子宮にできる悪性腫瘍の一つで、主に子宮体部(子宮の奥のほうで、胎児の宿る部分)から発生します。

「がん」は、皮膚や胃、腸の粘膜、子宮内膜など組織の表面を覆う上皮細胞を由来とする「癌」と、筋肉・線維・骨・脂肪・血管・神経などの非上皮細胞に由来する「肉腫」に分類されます。子宮肉腫は子宮体部の筋肉や内膜下の組織から主に発生します。子宮体部悪性腫瘍の8%を占め、発症数は年間約800人とまれな腫瘍です。

子宮肉腫は、発生する組織によって次の3つに大別されます。

子宮癌肉腫

腫瘍細胞の特徴が子宮体癌に類似すると考えられています。腫瘍が子宮の内側にポリープのように隆起する(盛り上がっている)病変をつくることが多い点も特徴です。子宮肉腫の約46%を占め、60歳代前半(平均62歳)と閉経後の女性に多くみられます。

子宮平滑筋肉腫

子宮の壁の筋肉組織から発生し、子宮肉腫の約36%を占めます。40歳代後半から50歳代前半(平均51歳)と閉経期に多くみられます。

子宮内膜間質肉腫

子宮内膜の下の間質細胞から発生し、子宮肉腫の13%を占めます。子宮内膜間質肉腫はさらに2種類に分けられます。閉経前に発生し、子宮肉腫のなかでは比較的予後(経過)が良好な低悪性度子宮内膜間質肉腫と、閉経後にみられることが多く、予後不良な高悪性度子宮内膜間質肉腫です。

原因

2017年現在、子宮肉腫が起こる原因は判明していません。肉腫が発生する危険性を増大させる(リスク)因子としては、骨盤に対する放射線療法の治療歴や、乳がんに対するタモキシフェンによる治療などが知られています。

症状

子宮肉腫は初期であれば症状がほとんどなく、検診などで偶然みつかる場合があります。

進行した場合に現れる可能性のある症状としては、不正出血(閉経後や月経周期と無関係な性器出血)や下腹部の違和感・膨満感があります。特に子宮肉腫は短期間に大きくなることがあるため、下腹部のしこりが急速に大きくなる場合には注意が必要です。

また、増大した腫瘍が炎症を起こしたり、周囲の臓器を圧迫して組織が変形したりすることで、下腹痛や頻尿などの症状を生じる場合もあります。

検査・診断

子宮肉腫の診断は難しいことも多く、下記の内診、病理検査、画像検査、血液検査などを組み合わせて総合的に評価を行います。

  • 問診
  • 内診
  • 病理検査 (細胞診、組織診)
  • 画像検査(超音波検査、CT検査、MRI検査、PET-CT検査など)
  • 血液検査

内診

内診により腟や肛門から子宮の形や大きさ、子宮周囲の臓器との関係などを調べます。子宮が大きい、通常とは異なる形をしている、などといった異常がみられる場合には画像検査や病理検査 (細胞診、組織診)、血液検査に進みます。

病理検査 (細胞診、組織診)

細胞診は専用のブラシやチューブのような器具を腟から入れて子宮の入り口や奥にある細胞を採取し顕微鏡で調べます。また組織診は子宮内の組織の一部を器具でひっかいて採取した組織を顕微鏡で調べます。

画像検査

子宮肉腫は術前診断が難しく、画像検査は重要な手がかりになります。超音波検査やMRI、CT検査などを行い、子宮肉腫の大きさや場所、内部の性状を確認します。

血液検査

子宮肉腫では血液中のLDHという成分が上昇する場合があり、腫瘍マーカー(血液中などに現れる、そのがんに特徴的な物質)として有用なことがあります。ただし、子宮肉腫以外の病気が原因でLDHが上昇することもあるため注意が必要です。

治療

子宮肉腫の治療は、病期や子宮肉腫の組織の種類などにより選択肢は異なりますが、手術や薬物治療を行います。また、再発または転移した場合、可能であれば手術で悪性腫瘍を摘出します。手術が不可能な場合は、患者さんの病状に合わせて化学療法や放射線療法を行います。

手術療法

可能である場合は、病変の手術療法による完全切除、あるいは最大限の腫瘍の減量術が推奨されています。子宮をすべて取り除く子宮全摘術と左右両方の卵巣や卵管を取り除く両側付属器摘出術を行うのが一般的です。子宮癌肉腫や子宮内膜間質肉腫の場合は骨盤内と大動脈に沿ったリンパ節も同時に取り除くリンパ節郭清が行われる場合もあります。

化学療法 (抗がん剤)

手術後は、再発や転移を防ぐために、一部の症例 (早期の子宮平滑筋肉腫や1-2期の低悪性度子宮内膜間質肉腫)を除き、化学療法が行われることがあります。子宮肉腫組織の種類により化学療法の種類が異なり、投与方法や副作用、入院の必要性についてもさまざまです。個別の状況に応じて担当医とよく相談し治療方法を検討することが必要です。

放射線療法

放射線治療は子宮癌肉腫の術後治療として用いられることがありますが、子宮平滑筋肉腫や子宮内膜間質肉腫に対して効果があるかは、現時点(2017年)では示されていません。また、進行がんの場合に症状を和らげることを目的として、放射線治療が行われる場合もあります。

ホルモン療法

低悪性度の子宮内膜間質肉腫においては術後再発や進行例においてもホルモン治療が有効な場合があり、選択されることがあります。

子宮肉腫の記事を読む

子宮肉腫の記事にご協力いただいている医師