概要
小耳症とは、耳介が産まれながらに小さい、もしくは完全に欠損している疾患です。小耳症は形態の問題だけではありません。聴力にも影響し、難聴となることがあります。
原因
耳介は耳の外に張り出て飛び出している部分です。胎児初期の器官形成期に耳の発育が不完全な状態になります。遺伝性は明らかではなく、家族内発生は数%です。第1第2鰓弓症候群と呼ばれる下顎、耳、口などに形態異常を生じる先天性疾患の症状のひとつとしてあらわれることもあります。日本人における発生頻度は6,000~10,000人に1人で、欧米諸国より高くなります。
症状
一つ目は耳介の欠損です。耳介がやや小さく軟骨の一部を欠くものから、耳介がほとんど認められない無耳症と呼ばれる状態まで様々です。二つ目は外耳道という耳の穴の閉鎖です。閉鎖により音の伝達ができず、難聴になります。3つ目は耳が小さい側の顔の骨の発達が不十分となることです。上あごや下あごが小さくなります。また顔面神経という顔の筋肉を動かす神経のはたらきが弱いため、眉毛が上がらない、眼が閉じにくい、口角の位置が下がるなどの症状がでます
検査・診断
診断は視診にて行います。生後間もなくの検診などで指摘されます。小児科医を中心に耳以外の奇形があるかも評価します。耳介以外の奇形有無を確認するためにCTなどの画像検査も行います。遺伝子疾患に関連して発症することもあるため、遺伝子検査を行うこともあります。また、聴力検査で聞こえの程度を評価することも重要です。
治療
治療は手術による耳介形成です。一般的には10歳頃に複数回の手術を行い、耳介を形成します。主に「肋軟骨を用いた耳形態のフレーム作成」と「耳介皮膚の再建」の2つから構成されます。肋軟骨移植術では耳介の形作るために柔らかく形成可能な肋骨の軟骨を使用します。
小児は大人より体の大きさに比し耳が大きいため、十分量の軟骨が採取できる体に成長するまで手術を待つのが一般的です。耳の成長は10歳頃までに成人とほぼ同じ大きさに達します。また、10歳頃になると精神的な成熟も見られ、治療に対して本人が積極的な姿勢を取れるようにもなります。これらがこのあたりの年齢を目安に治療介入を行う理由です。肋軟骨は加齢により柔軟性が失われ、フレーム形成が難しくなります。そのため、肋軟骨を用いた形成手術は20歳までが推奨されます。
皮膚の再建は耳介周囲の皮膚を移動させる皮弁を用いた方法や、薄く加工した皮膚を貼り付ける皮膚移植、tissue expanderと呼ばれる水風船のようなものであらかじめ進展させた皮膚で軟骨を覆う方法などさまざまです。小耳症の程度や各施設の方針によって手術の回数や方法は異なります。
小耳症では、耳以外の症状が合併していることもあります。これらも症状に応じて適宜治療介入を検討します。
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関連の医療相談が10件あります
腹部エコーで胆のうに所見
40歳の時に初めて腹部エコーの検査をしたところ、胆のうに胆石や胆泥、胆のうポリープがあると言われました。 その後は要経過観察で、去年は検査をしなかったので先日同じ腹部エコーの検査を別の病院でやってもらいました。 その結果、胆のう結石(非充満型)、胆のうスラッジ という内容でした。 40歳のときに言われたのと同じく今回も要経過観察となったわけですが、 胆のう結石とはつまり、胆石のことなのでしょうか? また、非充満型とはどういう意味なのでしょうか? 今後も検査は定期的にやろうと思っていますが、なんとなく右の脇腹あたりが日頃から痛むような気がするのですが 健康診断ではなく一度、消化器内科を受診したほうがよいのでしょうか? おそらく、同じ検査をやると思うのですが・・・ 症状があって病院に行く方が なにかしらの治療法を提案して頂けるのでしょうか・・・? また、この結石がどこかに詰まると激痛と聞いていますが、それは尿管結石とはまた別のものなのでしょうか? わかる範囲で結構です。 よろしくお願いします。
薬の副作用を疑っています。
本日、小学校1年生、7歳の娘が長引く咳のため、内科を受診しました。症状としては咳だけが続いており、発熱、鼻水等はなく食欲や元気もありました。症状が咳だけで元気だったこともあり、医療機関の受診はしていませんでしたが、咳が2週間続いていたので、流石に長過ぎるのではないかと思い、本日、受診に至ったという経緯です。午前中の受診だったため、昼食後に処方された薬を服用したところ、服用後30分くらい経過したころからだるそうにし始めました。薬の反応かと思い特に気にしていませんでしたが、服用後3ー4時間程して39.8℃の発熱が始まりました、そして就寝前に薬を再度服用したところ、30分から1時間程して急な吐き気をおこし、嘔吐しました。それまでの2週間では発熱、嘔吐等、全くなく元気だったこと、薬の服用から症状が出るまでの時間の経過が自分が食べ物のアレルギーの症状が出た時とよく似ている為、薬が原因の副作用による、発熱、嘔吐ではないかと疑っています。処方された薬は ①ペリアクチン散1%(0.4g)アスベリン散10%(0.4g)カルボシステインドライシロップ50%「NIG」(1.2g)昼夜服用 ②キプレス細粒4mg(夜服用) ③ツロブテロールテープ1mg「久光」夜貼付 ④フルティフォーム50エアゾール56吸入用 昼夜服用 処方され服用したのは以上の4点です。 質問は2点です。 ①娘は体重が22kgなのですが、薬の量は適量でしょうか?(自宅周辺の小児科がお休みだったので、普段は小児を診ていない内科でみていただきました) ②今は関節痛、発熱があるのですが、意識ははっきりしており、夜の薬の服用後に嘔吐した後は水分は摂取できているので、薬の服用を中止し自宅で様子を見ています。明日は日曜日で空いている医療機関が少ないので、症状が落ち着いていれば無理に受診して体力を使うより自宅で休ませておこうと思っているのですが、受診するべき状態でしょうか? お手数おかけしますがお教えいただけますと幸いです。何卒よろしくお願いします
大腸に関して
今年9月中頃から下痢になり、かかり付け医から胃腸の飲み薬を処方してもらい、1週間飲んでいましたが、良くなったり、悪くなったりです。今月14日㈫から酷くなり、17日㈮朝、朝食だけは食べましたが、翌日、吐き気と嘔吐、腹痛で食べられず、かかり付け医に行き、診断は「食あたり」でした。処方された吐き気止め、痛み止めの薬を飲みましたが、20日㈪の朝、吐き気、腹痛が収まらないので、別のクリニックに行き、触診の結果、左下腹部のS字結腸あたりと臍下にシコリがあり、母は触診中にとても痛がりました。その後、採血と点滴を行い、エコー検査をしましたが、エコーでは映りませんでした。翌日、そのクリニックに行き、血液検査では脱水症状と言われました。現在 歩く事と話しは出来ますが、体力は落ちています。そのクリニックは大腸内視鏡検査が出来ますが、可能でしょうか?先生は体力が戻ってからと言っていますが、現在、下痢なので体力が落ちて行く一方です。24日㈮にクリニックの先生に相談しますが、大腸内視鏡検査は可能でしょうか?
胸痛について
2~3年前から、一時的に胸が苦しくなるような症状がたまにあります。数秒から長くても3分程度、頻度も時期によってまちまちです。 通院している婦人科の医師に相談したところ、更年期症状の一環で狭心症を起こしているのではないかとのことでしたが、ここ数週間頻度が増してきた相談すると、心臓の検査を受けてみた方が良いと言われました。 1月に受けた健康診断で心電図の異常はありませんでした。どのような医療機関を受診すればよいのか、どのような検査を依頼すれば良いかわからず、ご相談させていただきました。
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小耳症を得意な領域としている医師