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強皮症
強皮症とは、皮膚が厚くなる病気の総称です。強皮症には大きく分けて全身性強皮症(全身性硬化症)と限局性強皮症の2種類があります。 全身性強皮症は多臓器にわたり線維化・血管内皮障害が生じる原因...
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皮膚
更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

強皮症とは、皮膚が厚くなる病気の総称です。強皮症には大きく分けて全身性強皮症(全身性硬化症)と限局性強皮症の2種類があります。

全身性強皮症は多臓器にわたり線維化・血管内皮障害が生じる原因不明の病気で、皮膚だけでなく、内臓にも障害をきたします。一方、限局性強皮症は皮膚だけに障害がとどまることが特徴です。また、全身性強皮症のなかにもびまん皮膚硬化型全身性強皮症と限局皮膚硬化型全身性強皮症の2種類があります。前者は比較的急速に皮膚硬化が進行し、内臓病変を伴うことが多く、後者は皮膚硬化が手足の末梢に限局します。

日本国内の患者数は2万人ほどといわれており、圧倒的に女性に多くみられます。全身性強皮症の患者さんでは、皮膚硬化の程度や障害のでる臓器、重症度も一人ひとり異なります。そのため定期的な診察や検査を受け、治療方針をよく相談しながら決定することが重要です。また、全身性強皮症は国の定める指定難病となっています。

原因

全身性強皮症のはっきりとした原因は明らかになっていません。遺伝的素因(体質)に加えて、有機溶媒など化学物質への接触、粉塵の吸入、ウイルス感染などの環境要因の関与が想定されています。

症状

主な症状は以下の通りです。

レイノー現象

初発症状としてはレイノー現象がもっとも多いとされています。寒冷や緊張などにより手足の末梢の血管が発作的に収縮することにより血流不足となり、蒼白、紫、赤へと皮膚の色調が変化することです。全身性強皮症の症状としてよくみられますが、他の病気が原因の場合もあります。

皮膚症状

皮膚硬化は手足末梢から始まり、顔、体幹など全身に広がる場合がありますが、その程度は個々の患者さんで異なります。初期は浮腫期といって皮膚がむくんでかゆみやツッパリ感を感じる場合があります。次に、硬化期になると皮膚が硬くなり、関節が曲がって動きづらくなります(拘縮)。さらに、皮膚が黒っぽくなってきます(色素沈着)。萎縮期になると、皮膚は柔らかくなり、黒い部分と白い部分が混在する見た目になります。指先の血行障害が強くなると、痛みを伴う潰瘍(かいよう)を起こすことがあります。

間質性肺炎

間質性肺炎が発現すると空咳や運動時の息切れが症状としてみられますが、初期は無症状の場合もあります。50%程度でみられ、進行すると息切れに対して酸素の吸入が必要になる場合もあります。

肺高血圧症

進行すると息切れや下腿のむくみが症状としてみられます。初期には自覚症状が出にくいといわれています。

腎クリーゼ

突然高血圧になり、腎機能障害が進行します。自覚的には頭痛や目が見えづらくなるなどの症状が出ることがあります。

心臓の障害

心筋の動きが悪くなったり、心臓の周りに水がたまったりする場合があります。早期には無症状のことが多いですが、進行すると動悸や息切れ、下腿のむくみがみられます。

消化管の障害

食道の動きが悪くなると飲み込みづらさ、逆流症状や胸焼けがみられます。小腸の動きが悪くなるとお腹の張り、下痢や便秘を繰り返すなど便通の異常などがみられます。

筋肉や関節の症状

筋肉の衰えから筋力が低下したり、関節の痛みや関節が曲がって動きづらくなったりする場合があります。

これらの症状について、一人ひとり出現する障害や程度は異なります。

検査・診断

全身性強皮症の診断は診察による皮膚硬化の評価で容易にできるため、通常は血液検査による抗体検査以外は不要です。そのほかの検査は主に臓器障害の分布や程度を調べるために行います。

間質性肺炎の評価には胸部レントゲンやCTなど画像検査、肺活量などを調べる呼吸機能検査を行います。肺高血圧症のスクリーニングには胸部レントゲン・心電図・心臓超音波(エコー)検査・肺機能検査などを行い、その存在が疑われる場合は心臓カテーテル検査を実施します。

腎臓

血圧測定と血液検査や尿検査を行います。ほかの膠原病の合併など特殊な腎臓の病気が疑われる際には腎生検を行い病理学的な診断を行います。

心臓

胸部レントゲン検査・心電図・心臓超音波検査に加えて、必要に応じてMRIや核医学検査を行います。

消化管

食道の評価には内圧測定検査、バリウムを飲み込む造影検査、内視鏡検査を行います。小腸の状態は腹部レントゲンや腹部CTで評価します。

筋肉や関節

通常は関節レントゲンを行いますが、必要に応じて関節超音波(エコー)やMRI検査を組み合わせて行います。

これらは必ずしもすべて行うわけではなく、一人ひとりの症状や身体所見に基づいて障害が疑われる臓器に対して随時行っていきます。また、初発時からすべての症状や障害が現れるわけではないため、経過観察のなかでも必要に応じて随時行っていきます。

治療

現段階(2018年4月時点)で確立されている治療はありませんが、皮膚硬化や間質性肺炎など内臓の障害が進行する場合は免疫抑制薬による治療を行います。現在多くの新規治療薬の効果が期待されて開発が進んでいます 。

また、障害が起こってしまった臓器に対してそれぞれ対症療法を行います。たとえば、レイノー現象や手指潰瘍には血管拡張薬、逆流性食道炎にはプロトンポンプ阻害薬、腎クリーゼにはアンジオテンシン変換酵素阻害薬が用いられます。

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