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弾性線維性仮性黄色腫
弾性線維性仮性黄色腫とは、カルシウムやその他のミネラルが皮膚や眼、血管、消化管などの弾性線維に蓄積し、さまざまな組織が進行性に障害される遺伝性の疾患です。弾力線維性仮性黄色腫と呼称される場合もあ...
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弾性線維性仮性黄色腫だんせいせんいせいかせいおうしょくしゅ (別:弾力線維性仮性黄色腫)

更新日時: 2018 年 07 月 18 日【更新履歴
更新履歴
2018 年 07 月 18 日
内容を更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

弾性線維性仮性黄色腫とは、カルシウムやその他のミネラルが皮膚や眼、血管、消化管などの弾性線維に蓄積し、さまざまな組織が進行性に障害される遺伝性の疾患です。弾力線維性仮性黄色腫と呼称される場合もあります。

約10万人に1人の割合で発症すると推定されており、日本においては、約300人の患者さんがいると推定されています。症状が軽微な方や非典型例など、診断されていない患者さんも多くいると考えられ、正確な患者数や性差、人種差などについては今後さらなる調査により明らかにされるものと考えられます。

弾性線維性仮性黄色腫について、2000年になって原因遺伝子であるABCC6が同定されました。近年、研究面においても大きな進歩を遂げています。

原因

弾性線維性仮性黄色腫は、16番染色体にあるABCC6遺伝子の異常により引き起こされます。ABCC6遺伝子に異常があると、細胞膜における物質の輸送に関わるMRP6と呼ばれるタンパク質に異常が生じます。

しかし現在のところ、MRP6がどのような物質の輸送に関わっているのか、その詳細はわかっていません。そのため、どのようにして弾性線維にカルシウムやその他のミネラルが蓄積してしまうのか、詳細な発症機序については不明です。

弾性線維性仮性黄色腫は「常染色体劣性遺伝形式」と呼ばれる遺伝形式をとります。ヒトの細胞の中には2本のABCC6遺伝子が存在しますが、1本に異常を認めるだけでは病気は発症せず、病気の保因者となります。

しかし両親ともに保因者である場合には、お子さんが異常な遺伝子を1本ずつ両親から引き継ぐ可能性があり、結果として2本とも異常な遺伝子を有することになり得ます。この場合には、お子さんが病気を発症することになります。

すなわち、常染色体劣性遺伝では両親が病気の保因者である場合にお子さんが病気を発症する確率は25%です。

症状

弾性線維の変性・石灰化に伴い、主に皮膚、眼、心血管に症状が出現します。皮膚症状としては、10〜20代で首や脇の下、ひじやひざの内側などに仮性黄色種と呼ばれる黄白色の丘疹が認められるようになり、次第にたれ下がったようになります。

眼症状としては、網膜に影響が出ます。眼底にオレンジ皮様変化を認める場合や、網膜を構成し弾性線維を主成分とするブルッフ膜が変性し破れることに伴って網膜色素線条を呈することがあります。さらに、この部分に血管新生が起こり、出血してしまうことがあります。出血すると、視力に影響が及びます。

血管においては、血管壁が変性・石灰化するために内腔が狭くなり、血が流れにくくなります。その結果、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞が起こりやすくなります。消化管出血を起こす場合もあります。

検査・診断

特徴的な皮膚症状や眼症状から弾性線維性仮性黄色種が疑われます。皮膚病変に対しては、症状のある部分から組織を採取して組織学的な評価がなされます。HE染色やVon Kossa染色などを行い、皮膚の変性や石灰沈着を確認します。

眼症状に関しては、基本的な検査に加え、網膜色素線条を認めた場合には血管新生・出血により視力に影響が及ぶ危険性が伴うことから、継続的なフォローが必要となります。血管障害に関しても同様です。

また、弾性線維性仮性黄色種は、ABCC6遺伝子に異常を生じていることから発症することがわかっています。そのため、ABCC6遺伝子における異常を調べることもあります。

治療

弾性線維性仮性黄色腫に対しての根本的な治療方法はありません。そのため、それぞれの症状に対するアプローチが必要となります。

皮膚症状は徐々に進行していくため、皮膚の機能的な問題に加えて、整容的な問題からも、患者さんの精神的負担となりかねません。そのような負担を軽減するためにも、患者さんの希望に応じて形成的手術が行われることがあります。

眼症状に関しては、血管新生や出血に対してのレーザー治療が試みられてはいますが、その効果に関しては個人により差があります。多発する動脈硬化病変に対しては、動脈硬化症に準じた薬物治療やステント留置術、血管置換術などが実施されます。