こうはつはくないしょう

後発白内障

最終更新日:
2023年12月04日
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2023/12/04
更新しました
2017/04/25
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概要

後発白内障とは、白内障の手術後に起こる可能性のある合併症の1つです。目の中でレンズの役割を持つ水晶体を包む“水晶体嚢(すいしょうたいのう)”という袋の後ろ側(後嚢)が濁ることによって、視力低下などの症状をきたします。

白内障手術は以前と比べて安全なものになりましたが、手術後に合併症が起こることがあり、その1つとして手術後数か月~数年を経て後発白内障を発症する場合があります。以前は発症頻度が比較的高く30%ほどでしたが、最近は手術法の改良などによって1~10%ほどに減少したといわれています。

後発白内障は手術で残った水晶体嚢の中の細胞が増殖することによって水晶体後嚢が濁り、目のかすみや視力低下などが現れ、白内障が再発したような状態になってしまう病態です。

治療では、レーザーを用いて症状の回復を図ります。レーザー治療は外来通院で行うことができ、治療後に視力の回復が期待できます。

原因

白内障は、加齢などによって目の中でレンズの役割を持つ水晶体が白く濁る病気のことです。水晶体はカメラのレンズのように光の屈折を調整するためにはたらきますが、水晶体が濁ると光が目の中を通りにくくなり、かすみ目などの症状が現れます。

白内障の治療では、最終的には濁った水晶体を取り除くために手術が行われます。水晶体は水晶体嚢と呼ばれる透明な袋で包まれており、白内障手術ではこの水晶体嚢の前面(前嚢)を丸く切り取り、超音波を用いて水晶体嚢の中の濁った水晶体本体を砕きながら吸引してきれいにしていきます。そして、眼内レンズという人工のレンズを挿入します。

しかし、濁りをきれいに除去しても、眼内レンズを固定するために残した水晶体嚢に細胞レベルで濁りは残ってしまうものです。この濁りは水晶体上皮細胞であり、手術後問題なく経過する例が多いですが、一部で細胞が時間をかけて増殖し水晶体嚢の後面(後嚢)に広がることがあります。その結果、後発白内障が起こり、視力低下などの症状が現れるようになります。

症状

後発白内障は、白内障手術の合併症として起こり、目がかすむ、視力が低下する、まぶしくなるなどの症状が現れます。白内障の症状と似ているため、再発したように感じる方もいるようです。発症時期は早いケースでは手術から数か月後、遅いケースでは数年たってからのこともあります。濁りの程度が軽い場合は、視力の低下などの症状が現れないこともあります。

検査・診断

後発白内障は、細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)によって診断されます。細隙灯顕微鏡検査とは、患者の目にスリット光(細隙灯)を当てて、双眼型顕微鏡で拡大しながら目の状態を観察する検査です。細隙灯顕微鏡を用いて、水晶体後嚢の濁りの状態を調べます。なお、検査に伴う痛みはありません。

治療

後発白内障では、濁りの程度が軽く、特に症状が出ていなければ治療の必要はありません。症状が現れ生活に支障をきたすようであれば、YAGレーザーと呼ばれるレーザーを用いて治療が行われます。

治療方法としてはまず点眼麻酔で目の表面の麻酔をし、レーザー用のコンタクトレンズを装着します。次に、YAGレーザーを水晶体後嚢に照射して切開し、穴を開けることで濁りを取り除きます。周囲にある水晶体嚢は残るため、眼内レンズが外れるようなことはありません。痛みはほとんどなく、所要時間も10分程度です。

レーザーで切開した後嚢の破片が目の中に散らばるため、視界に黒い点が浮いているように見える飛蚊症(ひぶんしょう)が出現することがありますが、徐々に改善していきます。治療は外来通院で行うことができます。

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