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思春期早発症
思春期早発症とは、通常よりも2〜3年ほど早い段階で思春期が始まってしまう状態を指します。思春期とは、男性であれば声変わりや精巣の発育、女性であれば初経や乳房の発育などの二次性徴をもとに特徴付けら...
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思春期早発症ししゅんきそうはつしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

思春期早発症とは、通常よりも2〜3年ほど早い段階で思春期が始まってしまう状態を指します。思春期とは、男性であれば声変わりや精巣の発育、女性であれば初経や乳房の発育などの二次性徴をもとに特徴付けられますが、こうした成長過程が通常よりも早い年齢で認めるようになった状態です。
思春期早発症の発症率は同性同年齢のあいだでおおよそ2〜3%です。しかしながらそのなかでも治療対象となる患者さんは半数程度といわれており、残りの半数は検査の結果、経過観察にとどまることもあります。そのため、実際に治療の対象となる思春期早発症の患者さんは同性同年齢の1%程度です。思春期早発症は、女児のほうが男児よりも3〜5倍多く発症するともいわれています。

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原因

月経の開始や乳房の発達、精巣の発達などといった二次性徴、すなわち思春期に関連した身体的な変化は、生体内においてホルモンによって厳格に調整されています。
脳の中には「視床下部」や「下垂体」と呼ばれる部位が存在しており、思春期の調整に関わるホルモンが分泌されています。これら脳の組織から分泌されたホルモンは、卵巣や精巣など、思春期に関連した「末梢臓器」をターゲットとしてはたらきかけることになります。
視床下部からは「ゴナドトロピン放出ホルモン」が分泌され、下垂体にはたらきかけて「ゴナドトロピン」を分泌するように促します。下垂体から分泌されたゴナドトロピンは卵巣や精巣にはたらきかけ、それぞれエストロゲンやテストステロンといったホルモンを分泌するようになります。エストロゲンやテストステロンは「性ホルモン」とも呼ばれており、全身各種臓器にはたらきかけ思春期に関連した肉体的な変化をもたらします。すなわち、視床下部→下垂体→末梢臓器、といった一連の流れのなかで思春期は発来することになります。
思春期早発症は、これら一連の流れでどこかで異常がある場合に発症することになりますが、①視床下部に異常がある「中枢性思春期早発症」、②視床下部や下垂体は正常に働いているにもかかわらず、精巣や卵巣から異常に性ホルモンが分泌される「末梢性思春期早発症」、の二つに大きく分けることができます。
中枢性思春期早発症では、視床下部の異常からゴナドトロピン放出ホルモンが早期から分泌されるようになっています。この中枢性思春期早発症のなかでも、腫瘍など脳の病気によって引き起こされるものを「器質性中枢性思春期早発症」、検査でも脳などに異常が見当たらず原因不明のものを「特発性中枢性思春期早発症」といいます。女児の場合は特発性中枢性思春期早発症の割合が多く、女児の思春期早発症の70〜90%を占めます。男児の場合は脳腫瘍などが原因の器質性中枢性思春期早発症が女児よりも多いといわれています。
一方の末梢性思春期早発症では、精巣や卵巣に腫瘍が発生するなどを原因として、異常なタイミングで性ホルモンが分泌されるようになっています。
なお、思春期早発症は非常にまれながら、遺伝性疾患として発症することもあります。具体的には、先天性副腎皮質酵素欠損症による副腎皮質からの性ホルモン過剰分泌状態を例に挙げることができます。

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症状

思春期早発症では、一般的に思春期に見られる肉体的な変化が、通常よりも早く見られるようになってしまいます。思春期の変化としては、性腺の成長や乳房の変化、ひげや声変わりなどがありますが、思春期早発症の診断に際しては、何歳までにこうした変化が出てきたかも重要な判定項目になります。
すなわち男児であれば、9歳までに精巣(睾丸)が発育する、10歳までに陰毛が生える、11歳までに脇毛、ひげが生える、声変わりがみられる、などです。女児であれば、7歳6か月までに乳房の発育がみられる、8歳までに陰毛、脇毛が生える、10歳6か月までに月経(生理)が始まる、などです。
これら思春期が他のお子さんよりも早く来ることから、学校生活において他のお子さんとの違いでからかわれてしまい。精神的な負担となることもあります。また、思春期早発症の陰に隠れて重篤な疾患が存在することもあり、より重篤な症状を呈することもあります。

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検査・診断

思春期早発症では、どの部位にどのような症状が、いつ頃認めるようになったかの問診が重要です。一言に「思春期」と表現しても、どの程度成熟した状況なのかは異なるため、陰毛や乳房、精巣の発育も確認することも大切です(Tanner分類と呼ばれる指標を元にして評価します)。また、思春期早発症では身長や骨密度にも影響が出てきますので、成長曲線や骨年齢の測定も重要です。
思春期早発症は、ホルモンに関連した病気です。そのため、ゴナドトロピンや性ホルモン、副腎皮質ホルモン、甲状腺関連ホルモン、ヒト絨毛性ゴナドトロピンなどの測定が重要になります。またGnRH負荷テストといった負荷試験を行うことも大切です。
なかには、腫瘍などの器質的な異常がもとになって思春期早発症が発症していることもあります。そのため、脳のMRIや卵巣の状態をみる腹部の超音波(エコー)検査を実施することもあります。まれに遺伝性疾患が起因となって思春期早発症が起きることもあるため、遺伝子検査を実施する場合もあります。

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治療

思春期早発症は中枢性思春期早発症が多く、中枢からのゴナドトロピンの放出を抑えるような治療薬を用いることになります。ゴナドトロピンの分泌を抑えるためにGnRHアナログと呼ばれる薬を注射して治療することになります。この結果、異常な中枢性刺激が末梢に伝わらないようにすることが可能となり、性ホルモンの安定化を図ることが可能となります。患者さんの年齢や骨年齢などを判断しつつ、治療期間を決定します。
また、思春期早発症は脳腫瘍や性腺腫瘍を原因として発症することもありますので、この場合には上記の注射よりも原因疾患に対しての治療(手術や化学療法、放射線療法など)を考慮することになります。

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