きゅうせいあるこーるちゅうどく

急性アルコール中毒

最終更新日:
2021年10月12日
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2021/10/12
更新しました
2020/08/31
更新しました
2017/04/25
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概要

急性アルコール中毒とは、飲酒によって精神的・身体的な影響を受け、一時的な意識障害に陥る状態のことです。

一般的には“酩酊(めいてい)”と呼ばれる状態であり、多量の飲酒によって引き起こされますが、急性アルコール中毒を引き起こす飲酒量には個人差があります。また、どの程度の血中アルコール濃度に至れば急性アルコール中毒とされるのか明確な定義はありません。

血中アルコール濃度が高まると、ヒトは真っ直ぐ歩けなくなるなど運動障害が出現し、呼吸が速くなったり、吐き気や嘔吐などの症状がみられたりするようになります。その状態からさらにアルコールを摂取すると意識レベルが低下し、最終的には呼吸をしたり心臓が拍動したりする機能が低下するため死に至ります。

とくに若い世代では、急激に血中アルコール濃度が高まる一気飲みなどをすることで死亡する事故が毎年発生しているため注意が必要です。

原因

急性アルコール中毒は、飲酒によって血中アルコール濃度が高まることが原因で引き起こされます。

どの程度の血中アルコール濃度に達すると急性アルコール中毒と定義するのか明確な基準はありませんが、一般的にはいわゆる“酩酊”と呼ばれる血中アルコール濃度0.16%以上に至る状態を急性アルコール中毒とします。

症状

血中アルコール濃度が0.02~0.1%程度はいわゆる“ほろ酔い”と呼ばれる状態であり、気分の爽やかさや楽しさを感じるようになります。そして、0.3%程度になると“酩酊”と呼ばれる状態になり、自己抑制が取れて気が大きくなる、運動障害が生じて真っ直ぐ歩けなくなるといった症状のほか、血圧低下、心拍数上昇、吐き気・嘔吐などもみられるようになります。

さらに0.4%まで上昇すると“泥酔(でいすい)”と呼ばれる状態になり、意識レベルが低下して呼びかけに応じない、支離滅裂なことを言うといった症状が現れ、それ以上になると呼吸や循環をつかさどる脳の部位がダメージを受けて命の危機に陥ることも少なくありません。

また、急性アルコール中毒では嘔吐物が喉に詰まって窒息したり、転倒などの事故で大けがをしたりすることも多々あります。

検査・診断

急性アルコール中毒は飲酒後の発症などの経過や症状などから容易に診断することができます。そのため、呼吸や循環に異常をきたすような重症な場合でない限り特別な検査を行うことは通常ありません。

しかし、命の危険が考えられるような場合には、脱水の有無など全身の状態を評価する目的で血液検査を行うことがあります。また、血液検査で血中アルコール濃度を調べることもあります。

治療

急性アルコール中毒の治療は、基本的に“アルコールが体内で代謝されるのを待つ”ことになります。

アルコールの代謝を早める治療薬などはありませんので、呼吸や循環を慎重に観察しながら様子を見ていくことになります。ただし、アルコールは脱水を促す作用があるため、失われた水分を補うために点滴治療を行うこともあります。

また、重症な場合には呼吸の機能が低下するため、酸素投与や人工呼吸器装着などが必要になることもあります。

予防

急性アルコール中毒は節度を守った飲酒によって予防することができます。急性アルコール中毒による死亡事例は大学生や新社会人など若い世代で多く、歓送迎会などでの一気飲みが原因になるケースも少なくありません。

また、急性アルコール中毒が疑われる場合は嘔吐物が喉に詰まって窒息死する危険もあるため、1人にさせず横向きの状態で寝かせて様子を見る、衣服を緩めて体の締め付けをとるなどの対処を講じましょう。

節度ある適度な飲酒量は、平均して1日あたり2杯以下(純アルコール量20g程度)といわれています。お酒を飲み過ぎたら、しばらく控えめにする時期を作るなどの工夫も必要です。節度ある適度な飲酒を心がけるようにしましょう。

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