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Brain
急性硬膜外血腫
頭蓋骨にある脳組織は、硬膜と呼ばれる硬い1枚の膜で保護されています。急性硬膜外血腫とは、硬膜と頭蓋骨の間に血腫(血液の塊)が形成される状態です。多くの場合は、頭部に対する外傷をきっかけに発症しま...
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脳

急性硬膜外血腫(きゅうせいこうまくがいけっしゅ)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

頭蓋骨にある脳組織は、硬膜と呼ばれる硬い1枚の膜で保護されています。急性硬膜外血腫とは、硬膜と頭蓋骨の間に血腫(血液の塊)が形成される状態です。多くの場合は、頭部に対する外傷をきっかけに発症します。バットで頭を打つ、喧嘩で頭部を殴打されるなどをきっかけに発症することも多く、10〜30歳前後の若年層に多いといわれています。

典型的な急性硬膜外血腫で脳の損傷がそれほど強くない場合は、早期に適切な治療を施すことで後遺症を残すことなく回復することが充分期待できます。一方、脳損傷が激しい場合には、長期的な予後を含めて、経過が悪くなることもあります。

原因

急性硬膜外血腫のもっとも多い原因は、頭部の外傷です。頭蓋骨の骨折を伴うことが多く、骨折部の近傍に存在する動脈や静脈が損傷を受けて、硬膜外血腫の発症に至ります。

しかし、まれながら、骨折が認められずに、出血のみが前面に出ることもあります。側頭部の外傷により中硬膜動脈と呼ばれる動脈が損傷を受け、側頭部に硬膜外血腫が形成されることが典型的です。

それ以外にも、成人の場合は、後頭部に対する直接的な外力により、後頭蓋下に血腫が形成されることもまれではありません。この場合は動脈ではなく、横静脈洞と呼ばれる静脈が損傷を受けることが発症に関連しています。
 

症状

外傷発症直後は、明らかな意識障害を伴わないことも多く、比較的受け答えもスムーズに行えます。しかし、時間経過とともに硬膜外血腫が増大してくるため、徐々に意識状態が悪くなります。

このように、受傷時から意識が一時的にはっきりしている時期のことを「意識清明期」と呼びます。動脈からの出血、血腫形成までの時間は比較的短時間であり、その一方、静脈からの血腫形成には時間がかかります。

脳損傷が強くない場合は、血腫の増大と共に症状が変化するのに対して、脳損傷が強いときには受傷直後から意識状態がはっきりしないこともあります。意識障害の程度は、脳障害の程度を反映するため、治療による回復の見込みを予測するためにとても大切な症状になります。
 

検査・診断

確定診断は、頭部CTを用いて行います。典型的な画像所見では、頭蓋骨に接した部位(硬膜下にあたる部位)に凸レンズ状の血腫(画像上は白色の部分として確認されます)を認めます。似たような受傷機転で発症する「急性硬膜下血腫」と鑑別するためにも、血腫の形に着目することは大切です。

また、頭部外傷を反映した骨折を認めることもあります。血腫が形成されると、脳組織が圧迫を受けます。脳組織が圧迫を受けている状態を反映して、脳全体が本来ある位置からずれているようにみえることもあります(mass effectと呼びます)。頭部MRIは、頭部CTと比較するとより精度の高い診断方法です。

しかし、結果を得るまでに時間がかかることもあり、一刻を争うような状況には適さない場合があります。硬膜外血腫の一部は後頭蓋窩と呼ばれる部位に発生することもあります。同部位はCTにて正確に撮影するのが困難な場合もあることから、より正確に評価が可能な頭部MRIが適応されます。
 

治療

治療方法には、手術にて血腫を摘出する方法と、内科的な治療により経過を見る方法があります。手術をするかどうかは、血腫の大きさや脳損傷の程度によって判断されます。

脳損傷の程度が軽度の場合には、治療予後が充分高いことが期待されます。血腫の大きさが増大しないかどうかを時間単位に注意深く観察を行いながら、手術適応のタイミングを検討します。

ある程度の血腫が存在する場合には、全身麻酔下に開頭・血腫を除去したり、頭蓋骨に小さな穴を開けて(穿頭術と呼びます)血腫吸引・除去したりします。脳損傷が重度であるときには、長期的な予後は難しいこともあります。血腫除去術や薬物療法、低体温療法を行うこともあります。
 

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