まんせいけつまくえん

慢性結膜炎

最終更新日:
2023年11月06日
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2023/11/06
更新しました
2017/04/25
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概要

慢性結膜炎とは、細菌やウイルスなどの病原体への感染やアレルギーなどによって結膜(白目を覆う半透明の膜)に炎症が生じた状態が長く続く病気の総称です。慢性結膜炎は数週間から数年以上、炎症症状が緩やかに続きます。具体的には、目の充血、目やに、目のかゆみや異物感などの症状が引き起こされるようになります。

治療方法は原因によって異なりますが、炎症やアレルギーを抑える目薬などを使用します。ドライアイが生じている場合は人工涙液を使用することがあります。

原因

慢性結膜炎は結膜の炎症が長く続く病気の総称です。原因は多岐にわたりますが、細菌やウイルスなどの病原体への感染、アレルギーなどのほか、ドライアイ(涙の分泌量が減ること)も発症原因となります。

また、眼瞼外反(がんけんがいはん)や眼瞼内反などまぶたの形の異常、逆さまつげなどによって結膜が傷つくと細菌やウイルス感染を起こしやすくなり、慢性結膜炎を発症する可能性があります。

そのほか、眼瞼炎涙嚢炎(るいのうえん)などの病気が原因で慢性結膜炎を発症することもあります。

症状

慢性結膜炎は結膜の炎症が長く続く病気の総称ですが、一般的な急性結膜炎よりも軽度な症状が長く続くのが特徴です。具体的には、目の充血、目やに、かゆみ、異物感などの症状が続くようになります。目やには急性結膜炎から慢性結膜炎に移行していくと分泌量は少なくなりますが、粘り気があるものが分泌されるようになるとされています。

また、慢性結膜炎ではまぶたの裏の粘膜にぶつぶつができたり、炎症によって生じた分泌物が沈着して固まる“結膜結石”を引き起こしたりすることが知られています。このような症状が現れると目の異物感といった症状が強くなりがちです。

検査・診断

慢性結膜炎が疑われるときは、以下のような検査が行われます。

細隙灯顕微鏡検査

目に光を当て、結膜など目の表面を拡大して観察することができる細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)を用いた検査です。結膜の状態を詳しく観察するために第一に行うのが一般的です。

培養検査

目やになどの分泌物を採取して培養する検査です。細菌感染による慢性結膜炎の場合は培養検査を行うことで原因菌を特定することができます。

また、同時に効果がある抗菌薬を調べる薬剤感受性検査を行うこともできるため治療方針の決定にも役立ちます。

涙液分泌能検査

慢性結膜炎はドライアイによって引き起こされることがあります。そのため、ドライアイが疑われるときは涙の分泌量を調べる涙液分泌能検査を行います。

また、必要に応じてドライアイの原因となるシェーグレン症候群などと鑑別するために血液検査を行うこともあります。

治療

慢性結膜炎の治療方法は発症原因によって大きく異なります。

細菌感染が原因の場合は、それぞれの原因菌に適した抗菌薬入りの目薬や炎症を抑える成分が含まれた目薬が使用されます。ウイルス感染が原因の場合は有効な治療薬はありませんが、炎症を抑える成分が含まれた目薬や細菌による二次感染を予防するための目薬が使用されます。

一方、アレルギーが関与していると考えられる場合には、ステロイド薬やアレルギー反応を抑える抗アレルギー薬が含まれた目薬を使用します。また、ドライアイが原因の場合には人工涙液を点眼するなど、目の乾燥を抑える治療を行うと同時にドライアイの根本的な原因への治療や対処を行います。

進行して結膜結石ができた場合などは結石を除去する治療が必要となります。

予防

慢性結膜炎はさまざまな原因によって結膜の炎症が長く続く病気です。発症を予防するためには、感染やアレルギーなどによる結膜の炎症症状が生じた段階で適切な治療を行うことが大切です。

また、ドライアイ、眼瞼外反や眼瞼内反、逆さまつげなどがある場合も慢性結膜炎の発症リスクが高くなるため、適切な治療や対処を講じることで慢性結膜炎を予防することができます。

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