概要
一般細菌による膀胱の感染症で、膀胱粘膜の炎症が持続している病気です。膀胱の防御能を低下させる基礎疾患を背景に持つことが多いとされています 。反復性膀胱炎と難治性膀胱炎に分けられることもあります。
抗菌薬治療により、 いったん症状が改善するものの、その後再燃する場合や、抗菌薬を投与しているにもかかわらず症状が改善しない場合があります。これらに対し抗菌薬の投与を繰り返すことは、その投与量を増加させ、耐性菌の出現を助長します。また、副作用への注意も必要となるため、適切な対応が必要となります。
原因
慢性膀胱炎では、膀胱の防御能を低下させる基礎疾患を背景に持つことが多いとされています。具体的には、下記のような泌尿器疾患を有する患者さんにみられます。
など
症状
急性膀胱炎と同様に排尿痛(特に排尿終末)、頻尿、残尿感の3徴を認めます。しかし、慢性膀胱炎では急性膀胱炎に比して症状が軽度であることもあり、なかには無症状に近い患者さんもいます。
一般に発熱は認めません。発熱を認める場合は、腎盂腎炎や前立腺炎、精巣上体炎を併発している可能性があります。ときに切迫性尿失禁や血尿を認めることもあります。
検査・診断
膀胱刺激症状と尿検査(膿尿、細菌尿)から診断は容易です。起因菌同定のため尿培養も必須です。
反復性膀胱炎には細菌残存タイプと再感染タイプがあり、前者では尿路に何らかの原因を有していることが多く、CTや膀胱鏡などで精査していく必要があります。後者では起因菌も前回の尿路感染とは異なっていることがありますが、多くの場合再発をコントロールするのは難しいです。
難治性膀胱炎では、抗菌薬を使用しているにもかかわらず症状が改善せず、膿尿が持続する場合を指します。この場合、下部尿路の炎症が原因であることが多く、膀胱炎以外の疾患(神経因性膀胱、間質性膀胱炎、尿路結石、尿路腫瘍など)を除外します。
また、膿尿が持続する場合は、膣分泌物の尿への混入の可能性も考えられるため、カテーテル導尿法での検尿も参考にします。
治療
抗菌薬による治療または予防法として、低用量の抗菌薬を持続的に服用する方法と、症状発現時に自己判断で抗菌薬を内服する方法があります。
後者は、膀胱炎症状を自覚した際に病院を受診せずに自己判断で抗菌薬を開始する方法です。しかし、再発が多い患者さんにはしっかりと病院を受診してもらい尿路の異常がないか精査をする必要があります。
いずれの治療法も抗菌薬の自己管理が重要であると考えられます。
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