せいじんあとぴーせいひふえん

成人アトピー性皮膚炎

最終更新日:
2018年07月18日
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2018/07/18
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概要

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う皮膚の病気で、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴です。

乳児期のみならず成人にもみることがあります。特に近年では成人期以降の患者さんが半数以上を占めることも報告されており 、日常生活の質の低下とも関連しています。

アトピー性皮膚炎に対しては、薬物療法やスキンケア、増悪因子に対しての対処などを行います。

原因

アトピー性皮膚炎は、多くの因子を原因として発症します。アトピー素因をベースとしてアトピー性皮膚炎が生じることもありますが、ダニやハウスダスト、ペットの毛などの環境因子が症状増悪につながることもあります。化粧品や服などの物理的な刺激が原因になっていることもあります。

成人においては特に、仕事が忙しくて十分な睡眠を取ることができない、人間関係がうまくいかない、などといったストレスも大きな要因となります。

以上のような要因が複雑に関与し、皮膚のバリア機能が損なわれてしまうことで、アトピー性皮膚炎特有の皮膚症状の出現に至ります。

症状

アトピー性皮膚炎による症状は、慢性的に経過します。強いかゆみがよくなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴的です。

アトピー性皮膚炎のかゆみは非常に強く、睡眠の質が低下したり、日中の活動がうまく行えなくなってしまったりすることもあります。このため、仕事の効率が落ちる、仕事でミスをする、人間関係に悪影響が及ぶ、といったこともあります。

全身どこにでも生じる可能性があるアトピー性皮膚炎ですが、年齢に応じて病変を認めやすい好発部位や皮膚の変化があることも知られています。

たとえば、乳児であれば頭や顔に湿疹を認めることが多いですし、幼児であれば汗をかきやすいひじや膝関節の内側に出現しやすくなります。成人の場合には長年にわたり皮膚症状を有していることも少なくなく、皮膚がごわごわと厚く硬くなること(苔癬化)があります。

アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が損なわれてしまい、感染症を併発することがあります。たとえば、単純ヘルペスウイルスが増悪し「カポジ水痘様発疹症」と呼ばれる重篤な皮膚感染症を来すこともあります。

その他、目の周囲を掻くことと関連して眼球に慢性的に外力がかかり、網膜剥離を来すこともあります。

検査・診断

アトピー性皮膚炎は、皮膚の症状変化を時間経過に沿って詳細に評価することで診断されます。また、アトピー性皮膚炎の程度を評価するために、血液検査が行われることがあります。

血液検査では、末梢血好酸球数・血清総 IgE 値・LDH値・TARC値などの項目を評価します。これらの検査結果などから、治療に対しての反応性も判断し、より適切な治療につなげます。

治療

アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚の状態を正常に近づけることで、質の高い日常生活を送ることができるようにすることを目的として行われます。治療内容としては、薬物療法やスキンケア、増悪因子に対しての対処などが行われます。

薬物療法

ステロイドや免疫抑制剤(タクロリムス)の外用や抗アレルギー薬の内服などが中心になります。どのような治療方法が選択されるかは、皮膚症状の程度や障害を受けた部位などにより決定されます。

スキンケア

皮膚のバリア機能を保つためのスキンケアを行うことも大切であり、保湿剤を併用することもあります。

増悪因子に対しての対処

アトピー性皮膚炎には、さまざまな増悪因子が存在することも知られており、これらに対処することも良好な治療効果を得るためには重要です。具体的には、汗をかいたらシャワーを浴びる、部屋の掃除をしっかりとしてダニやホコリを減らす、などです。

成人の場合には特に、社会生活からのストレスが皮膚症状の増悪につながることも少なくありません。規則正しい生活を送り、充分な睡眠を取り、ストレスを抱え込まないようにすることも、アトピー性皮膚炎の治療の観点からは重要です。

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