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成人スティル病
成人スティル病とは、16歳未満の小児に発症する「全身型若年性特発性関節炎(スティル病)」と呼ばれる病気でみられる病像が、16歳以上の成人に生じる病気を指します。成人スティル病では、発熱や発疹、関...
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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

成人スティル病とは、16歳未満の小児に発症する「全身型若年性特発性関節炎(スティル病)」と呼ばれる病気でみられる病像が、16歳以上の成人に生じる病気を指します。成人スティル病では、発熱や発疹、関節症状が主要症状となり、発熱に伴って発疹と関節症状が出たり消えたりと変動することが特徴的です。
成人スティル病は難病指定を受けている疾患のひとつです。女性にやや多く、発症平均年齢は47歳とされています。成人スティル病は小児期のスティル病と類似した病態を呈する疾患ですが、小児期にスティル病を発症した方は、成人スティル病全体のなかでは必ずしも多くはありません。

治療方針

成人スティル病ではステロイドや他の免疫抑制剤を使用しながら治療を行います。成人スティル病は再燃(治まっていた症状が再び起こる)と軽快を繰り返すこともある疾患であり、長期的な治療介入が必要である疾患であるといえます。

原因

人の身体には、身体に何かしらの侵襲(刺激など)がかかった際に「炎症」を起こすことで対処する機能が備わっています。炎症を生じると局所が腫れる、痛みを生じる、赤くなる、熱を持つ、炎症部位に対応した機能障害を生じる、といった反応が起こります。

こうした炎症反応は生じるべきときのみに生じ、健康な状態であれば生じないように適切にコントロールされています。この炎症を引き起こす、炎症を抑える、といった反応は「サイトカイン」と呼ばれる物質を通して調整されています。

しかし、成人スティル病では炎症の調節を行う免疫がうまく働かないために、炎症が無秩序に生じてしまっています。

具体的には炎症を担当する細胞の一種類として知られる「マクロファージ」と呼ばれる細胞が活性化しており、TNF-αやIL-6、IL-1、IL-18などのサイトカインが過剰に産生されています。その結果、本来は炎症が生じるべきではないタイミングであるにも関わらず、常時炎症反応が生じることになります。しかしながら、なぜこうした異常反応が生じるのかといった、成人スティル病の根本的な原因は現在のところわかっていません。
 

症状

成人スティル病では、

  • 発熱
  • 皮疹
  • 関節痛

の3つが主要症状として出現します。発熱を主体として、有熱時には皮疹・関節痛が生じ、解熱をしたときには無症状になるといった症状の変動を伴います。

特徴的な弛張熱とサーモンピンク疹

成人スティル病での発熱は「弛張熱(しちょうねつ)」と呼ばれるタイプの形式を取ることが多く、夕方から早朝にかけて39度以上の発熱を認めますが、日中は解熱することになります。こうした発熱と同時に、「サーモンピンク疹」と呼ばれる皮疹を体幹や四肢に認めます。

関節症状

成人スティル病で見られる関節症状は、手首や肘、肩、膝などの大関節に多発性に認めます。関節痛の増悪寛解はありますが、関節の変形をきたすことは少ないです。その他、咽頭痛や筋肉痛、リンパ節腫脹や肝脾腫といった症状も併発することがあります。
 

 

検査・診断

成人スティル病では炎症反応を反映して、血液検査にて白血球・CRPの増加や赤沈の亢進などを認めます。その他、補体値の上昇や免疫グログリンの上昇も認めます。さらに、サイトカインが過剰に産生亢進していることを反映して、「フェリチン」と呼ばれる項目が上昇していることも確認されます。またリウマチ因子や抗核抗体の陰性所見や肝機能障害の確認も行います。

しかしながら成人スティル病では、この項目が陽性であれば確定診断、といった検査項目はありません。同じような臨床症状を呈する疾患も存在しており(感染症や他のリウマチ性疾患、悪性リンパ腫などの悪性疾患など)、こうした疾患との鑑別を行う姿勢もとても重要です。
 

治療

ステロイドの全身投与

成人スティル病ではステロイドの全身投与によって炎症を鎮めることが治療の中心となります。初期は大量のステロイド投与を行い、治療に対しての炎症状態の変化を確認しながら、徐々にステロイドの量を減量していきます。

免疫抑制剤

しかし、成人スティル病ではステロイドに反応しない場合や、ステロイド減量中に症状が再燃することもまれではありません。このようにステロイド治療で効果が十分に得られない場合には、その他の免疫抑制剤を使用することも検討されます。

使用される可能性のある薬剤のひとつとして生物学的製剤のトシリズマブがあります。本薬剤は小児スティル病で高い効果が確認されているため、同様の病態を示す成人スティル病でも応用されることがあります。その他、メトトレキセートやシクロスポリンなどの薬剤が使用されることもあります。

成人スティル病の治療経過を予測することは、必ずしも容易ではありません。治療薬に反応性が高く炎症をコントロールすることが可能な場合もあれば、慢性的に炎症を持続することもあります。慢性に炎症が持続する場合には、アミロイドーシスといった合併症を併発することもあり注意が必要です。いずれにせよ、長期的に付き合う可能性のある疾患として対応することが求められる疾患といえます。