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敗血症
敗血症とは、感染症によって生命を脅かす臓器障害が現れる状態です。敗血症を発症すると全身の各種臓器に症状を生じ、中枢神経障害(突然精神機能障害や意識障害が起こり、頭が混乱状態になるなどの症状がみら...
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敗血症はいけつしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

敗血症とは、感染症によって生命を脅かす臓器障害が現れる状態です。敗血症を発症すると全身の各種臓器に症状を生じ、中枢神経障害(突然精神機能障害や意識障害が起こり、頭が混乱状態になるなどの症状がみられる状態)を引き起こすこともあります。

敗血症を発症すると高い死亡率を示すため、早期の段階で敗血症を診断し、治療介入を行うことが大切です。

原因

敗血症の原因は、感染症です。原因となる感染症は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫による感染症など多岐にわたります。

また、敗血症では、感染症の併発と同時に全身に炎症反応が生じています。この炎症反応のことを、「SIRS(全身性炎症反応症候群)」と呼びます。全身性炎症反応症候群を発症している状況では、生体への侵襲(何らかの感染源や病気が原因となり生体へ攻撃をしかけること)に対し、免疫細胞が炎症性サイトカインという物質を放出して全身性の急性炎症反応を起こしています。

症状

敗血症は、感染症により炎症反応症候群を生じている状態です。このため、敗血症では炎症反応症候群に関連した症状が現れます。

具体的には、体温が38℃以上もしくは36℃未満になります。また心拍数も正常より高くなり、成人であれば、一分間に90回以上の心拍数を示すようになります。加えて、呼吸回数の増加もみられるようになり、成人で1分間に20回以上の呼吸をするようになります。

敗血症性ショック

敗血症の症状が非常に重くなると、敗血症性ショックと呼ばれる状態に陥ることもあります。敗血症性ショックになると、尿量が低下したり、せん妄(脳がうまく働かなくなり、興奮して、話す言葉やふるまいに一時的に混乱が見られる状態)などの意識障害を引き起こしたり、皮膚の色が変わったりなどの症状が現れるようになります。また、血液の固まりやすさに影響が生じることもあります。

PICS(集中治療後症候群)

さらに敗血症から回復した後に、PICS(Post Intensive Care Syndrome:集中治療後症候群)と呼ばれる状態になることがあります。PICSになると、認知機能障害や筋力低下、心的外傷後ストレス障害などの症状が現れます。

検査・診断

敗血症の診断では、SOFA(Sequential Organ Failure Assessment)と呼ばれる基準が用いられます。集中治療室では、感染症が疑われ、SOFA総スコア2点以上の急上昇があるときに敗血症を疑います。また、非集中治療室では、quick SOFA(qSOFA:呼吸数22回/分以上、意識レベルの低下、収縮期血圧100mmHg以下、の3項目から成り立つ)の2項目以上に当てはまる場合に敗血症を疑い、対応することになります。

敗血症では、炎症反応症候群を発症していることを確認するために、血液検査が行われることがあります。血液検査によって、血液中の酸素濃度の低下や、白血球の数が異常に増加・低下していないか、などを調べます。 

敗血症は感染症をきっかけとして発症するため、原因となっている感染症を検査することも大切です。また、より重い敗血症性ショックになると、各種臓器障害が生じるようになるため、臓器障害の程度も確認します。

治療

敗血症の治療では、原因となっている感染症の治療に加えて、血液循環を保つための治療が行われます。血液循環を保つための基本は輸液であり、生理食塩水や乳酸リンゲル液などが投与されます。感染症の治療は、細菌が原因であれば抗生物質、ウイルスが原因であれば抗ウイルス薬、真菌が原因であれば抗真菌薬を投与します。

これらの治療でも状態が安定しない場合には、循環作動薬の投与、人工呼吸器の装着、急性血液浄化法、人工心肺、血糖コントロール、栄養管理、ステロイド投与、免疫グロブリン投与、タンパク分解酵素阻害薬の投与などを検討します。

敗血症では、診断後1時間以内を目標として広域な抗菌薬の速やかな投与が必要です。1時間投与が遅れるごとに、経過が悪くなるといわれています。また、病気からの回復後に認知機能障害や筋力低下、心的外傷後ストレス障害などの症状が現れることもある(PICS:集中治療後症候群)ため、退院後も継続したケアが必要であると考えられています。

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