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新生児壊死性腸炎
新生児壊死性腸炎とは、消化管への血流が障害される結果、細菌感染が重なることから腸管が壊死(えし)を来す病気です。新生児壊死性腸炎は、消化管の発達が未熟であることを発症の根本原因としており、妊娠週...
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大腸・小腸

新生児壊死性腸炎しんせいじえしせいちょうえん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

新生児壊死性腸炎とは、消化管への血流が障害される結果、細菌感染が重なることから腸管が壊死(えし)を来す病気です。新生児壊死性腸炎は、消化管の発達が未熟であることを発症の根本原因としており、妊娠週数32週以下の早産児や出生体重1,500g未満の極低出生体重児においてみられることが多いです。 腹部膨満や胆汁性嘔吐などの症状から始まり、ショック状態から死に至ることもある疾患の一つです。病気の治療を早期に行うことが重要であり、腸管安静のための絶食や抗生物質、手術などで治療介入がされます。

原因

新生児壊死性腸炎は、消化管への血流障害と細菌感染が重複することを原因として発症する病気です。極低出生体重児に発症することが多く、消化管や免疫の未熟性が発症に深く関わっています。 予定日よりも早く産まれる早産児や、出生体重が小さいお子さんは、本来母体内で獲得されるべき成長過程を経ることなく出生に至っています。消化管や免疫機能も、母体内で一定レベルまで成長を経ることが、出生後の腸管栄養確立には重要となります。早産児や低出生体重児は、成熟までの時間的な猶予がない状態で出生することになるため、消化管や免疫機能が「未熟な」状態で出生します。 また、早産児や低出生体重児は出生時に低酸素や血圧低下といった大きなストレスを受けることがあります。さらに、出生後も母体外の環境にすぐには順応できずに、血圧を充分保つことができない状態や低酸素状態が持続することもあります。

早産児や低出生体重児は、サーファクタントの不足を原因とする呼吸窮迫症候群や、動脈管開存症と呼ばれる病気を発症することも多く、これらもすべて低酸素や低血圧といったストレスにつながります。 消化管が正常に機能し、出生後も成長を重ねるためには充分な酸素と血液が供給されることが不可欠です。しかし、上述した出生前後に関わるさまざまな因子を原因として、需要に見合うだけの血液や酸素が消化管に供給されなくなります。低出生体重児や早産児は感染に対しての免疫機能も未熟であり、脆弱性のある消化管に感染が重複することから新生児壊死性腸炎が発症することになります。さらに、人工ミルクは消化管に対しての負担も大きく、新生児壊死性腸炎発症のリスク因子の一つです。

症状

新生児壊死性腸炎は、病気の進行に応じて症状が変化します。低出生体重児や早産児は、NICUにて集中治療を受けており、出生後しばらくはチューブを胃の中に留置して栄養を投与していることも多く、胃の中に残存している栄養の量をチェックすることが可能です。新生児壊死性腸炎の発症初期には、消化管の動きが悪くなるため胃の中に栄養が多く残存していることが確認されるようになります。お腹の中のガスも動かなくなるため、お腹も張るようになります。また体温が一定しない、無呼吸発作が増える、脈の変動が普段よりも大きくなる、などの変化が感じ取られることもあります。 さらに病気が進行するとお腹の張りはよりいっそう強くなり、胃の内容物に胆汁が混じるようになります。新生児壊死性腸炎では消化管からの出血も生じるため、便に肉眼でわかるほどの血液が混じることになります。その後、血圧も低下しより重篤な症状を呈するようになります。

検査・診断

新生児壊死性腸炎の診断は、腹部単純レントゲン写真をもとにして行われます。病初期には、消化管内にガスが増えた像が確認されます。病気が進行すると、消化管内にガスを認めるのみではなく、消化管の壁の内部にもガスを認めます。消化管の血液は、「門脈」と呼ばれる血管を通して肝臓へと運ばれますが、消化管壁内のガスが門脈中へと移行している状況もみられます。 新生児壊死性腸炎の末期には、消化管が破れる「穿孔(せんこう)」という状況に至ります。この状況になると、消化管内のガスが、完全に消化管外へと漏れていることが確認されます。 

治療

新生児壊死性腸炎の治療は、絶食、抗生物質、手術療法にて行われます。早期であれば、栄養を投与することは、消化管に負担をかけることを意味しています。新生児壊死性腸炎の発症には酸素や血液の供給が充分でないことが関係していますので、消化管への負担を少しでも軽減するために絶食を行うことになります。また、胃の内容物をチューブ経由で外へ出すことも、消化管安静のためには有効です。 また、感染症を併発することで新生児壊死性腸炎の発症が促進されます。したがって、抗生物質を投与して感染症のコントロールを図ることも大切な治療になります。

しかし、これら内科的な治療を行っても新生児壊死性腸炎の病状が進行することもあります。その場合には、手術的に病変となっている腸を切除することになります。広範な腸管切除が必要となることもあり、のちに短腸症候群を発症することもあります。この場合には、適切な栄養補給を行えるように、食事摂取方法の工夫や点滴などが求められます。