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新生児敗血症
新生児敗血症とは、新生児期に発症する全身症状を伴う重篤な感染症の一つを指します。敗血症そのものは年齢に関わらず発症する病気ですが、新生児においてはもともと感染症に弱く、一度感染症に罹患すると敗血...
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新生児敗血症しんせいじはいけつしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

新生児敗血症とは、新生児期に発症する全身症状を伴う重篤な感染症の一つを指します。敗血症そのものは年齢に関わらず発症する病気ですが、新生児においてはもともと感染症に弱く、一度感染症に罹患すると敗血症を来す可能性が高いです。また、新生児においては「周産期」という特別な因子が影響することから、敗血症の原因となる病原体も他の年齢層と比較すると異なる部分もあります。すなわち、新生児期早期に認める敗血症の最大原因であるB群溶血性連鎖球菌は、分娩中に母体から赤ちゃんへと移行することで感染症を引き起こします。新生児敗血症は、致死率や合併症を残すリスクも高く、早期に治療介入を行うことが求められる疾患です。


その他、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/150819-000018-DJQKCT

原因

新生児敗血症は、全身症状を伴う細菌感染症を指しますが、新生児敗血症が発症する時期に応じて早発型と遅発型に分類されています。
早発型敗血症は、出生後72時間以内に発症する敗血症です。原因菌として多いのは、B群溶血性連鎖球菌や大腸菌などであり、出産時に母体から移行することで胎児に感染症症状を引き起こすことになります。特にB群溶血性連鎖球菌は膣に存在する常在菌ですが、早発型敗血症として非常に急速に進行し重篤な症状を来します。その他、頻度は劣りますが、リステリアと呼ばれる細菌も早発型敗血症の原因菌であり、妊娠期間中から胎盤を介して赤ちゃんに感染することがあります。


生後72時間以降に発症する敗血症を遅発型敗血症と呼びます。この時期になると、周産期に関連した細菌が原因菌になるのみならず、環境中に存在する細菌も敗血症の原因となりえます。「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる細菌が代表的な病原菌であり、皮膚や髪の毛などに常在する菌です。新生児敗血症はNICUに入院中の患者さんにみることもあり、MRSAといった抗生物質耐性菌が原因となることも多いです。出生後間もない新生児は免疫機能が未熟であり、敗血症を来たしやすいです。また、早産児においては母体からの抗体移行も少なく、よりいっそう感染症に弱い状況になります。さらに皮膚そのものも脆弱であり、容易に体内へと細菌が侵入します。
母体側の因子として、前期破水や絨毛羊膜炎などを挙げることができ、胎児への感染症を助長することになります。


その他、こちらの記事も参照下さい。
https://medicalnote.jp/contents/150819-000018-DJQKCT

症状

新生児敗血症でみる症状としては、無呼吸もしくは多呼吸、呻吟(呼吸をするときにうなるようになります)、鼻翼呼吸(鼻の孔を広げて呼吸するようになります)、陥没呼吸(肋骨が位置する部分がへこむ呼吸を指します)、頻脈や徐脈、末梢の冷感、血圧低下、発熱もしくは低体温などがあります。また腹部膨満、黄疸なども新生児敗血症で認めることがあります。
新生児敗血症では全身症状を中心に生じることになりますが、特異的にそれとわかるものは多くはありません。その瞬間瞬間の症状に注目する以外にも、臨床症状の時間的な変化を確認することも大切です。すなわち、それまで比較的順調に経過していたにもかかわらず、突然上記のような症状が出現した際にも、新生児敗血症が原因として疑われることになります。


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https://medicalnote.jp/contents/150819-000018-DJQKCT

検査・診断

新生児敗血症では、血液中に病原菌を確認することが大切です。本来血液中には細菌が存在していない「無菌的」な状態です。しかし、新生児敗血症では血液中に細菌が混入することから病気が発症します。そのため、血液を用いて培養検査を行うことで血液中への細菌混入を証明することになります。菌の混入を確認すると同時に、原因となっている菌を同定し、有効な抗生物質が何であるかを検索する「薬剤感受性検査」も行われます。薬剤感受性検査結果は、使用すべき抗生物質を選択する上で重要な情報です。
その他、全身の感染状況や末梢循環不全状態を確認するための血液検査が行われます。血液検査では白血球や血小板数の変化をみますし、CRPといった炎症時に上昇する項目も検査します。また、炎症性サイトカインと呼ばれる物質を測定することもあります。新生児敗血症では、末梢循環不全の徴候として代謝性アシドーシスを生じることがありますので、血液ガス検査でこれを確認することがあります。また血糖コントロールも不良になるため、血糖値を測定することもあります。


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https://medicalnote.jp/contents/150819-000018-DJQKCT

治療

新生児敗血症の治療の中心は、病原菌に対して有効な抗生物質を投与することです。新生児敗血症が診断された初期においては、原因となる病原体を検査にて同定できていないことがほとんどです。したがって、発症までの臨床経過(たとえば母体の感染徴候や膣のB群溶血性連鎖球菌培養検査結果)や発症時期などの情報をもとに、可能性の高い病原体を推定し、それに対して有効な抗生物質を選択することになります。
たとえば、早発型新生児敗血症であれば、B群溶血性連鎖球菌や大腸菌が原因菌として多いことから、アンピシリンやゲンタマイシンといった薬剤を組み合わせて治療が開始されます。またMRSAの関与が疑われる状況(NICUに入院している)では、バンコマイシンを代表としたMRSA用の抗生物質が使用されます。その後培養検査にて原因となる菌が同定でき次第、特異的に効果のある薬へと変更されます。また、抗生物質以外に「ガンマグロブリン」と呼ばれる免疫物質が投与されることもあります。
B群溶血性連鎖球菌は母体の膣内に常在する可能性のある菌であるため、妊娠期間中にB群溶血性連鎖球菌を保有していないかどうかを確認することもされます。もしお母さんがB群溶血性連鎖球菌の保菌者である場合には、周産期にアンピシリンと呼ばれる抗生物質が予防的に使用されることになります。


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