みじゅくじひんけつ

未熟児貧血

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概要

未熟児貧血とは、早産児において発症する貧血を指します。赤ちゃんは赤血球が多い「多血」という状態で産まれてきますが、正期産児であっても出生後から貧血気味になります。さらに、早産児は出産時の赤血球数が少なめであり、貧血に対する生理反応が正期産時よりも弱いため、貧血が進行しやすく未熟児貧血を発症します。また、正期産時に比べて鉄の貯蔵量も少ないため、鉄欠乏性貧血を発症するリスクも高いです。 未熟児貧血による症状は、短期的には頻呼吸、多呼吸、体重減少などを挙げることができますが、長期的には神経学的な成長発達にも影響を及ぼすことが懸念されます。未熟児貧血に対する治療として、赤血球の産生を促す「エリスロポエチン」や鉄剤の投与が重要になります。

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原因

未熟児貧血は早産児に発症する貧血を指し、生後1〜2か月以内に発症する「早期未熟児貧血」と生後4か月頃から発症する「晩期未熟児貧血」に分類されます。 赤ちゃんは母体内において酸素が低い環境で生活をしており、少しでも効率的に酸素を利用するために赤血球の産生が促進されています。しかし出生と同時に酸素が高い状況にさらされると、赤血球の産生にブレーキがかかるようになり、貧血傾向へ方向付けられます。さらに、出生後しばらくは体重増加が著しい時期であり、相対的に赤血球が足りなくなるようになります。その後貧血が進行すると、腎臓から「エリスロポエチン」と呼ばれる物質が産生されるようになり、赤血球の産生を促すことから強い貧血に陥ることがないような生理反応を示します。 早産児においては、出生時の段階でそもそも正期産児に比べて赤血球の貯蔵量が少なく貧血傾向で出生します。スタートラインから貧血気味であることに加えて、上述したような出生後の反応が重なることから貧血が促進されます。また、エリスロポエチンの産生が正期産児よりも弱く、貧血に対する生理反応も充分ではありません。こうしたことから、早期未熟児貧血が発症します。 一方、晩期未熟児貧血とは、早産児の生後4か月ごろに発症する貧血です。体の成長に合わせた鉄の補給が必要ですが、早産児では鉄の貯蔵量は充分ではなく鉄欠乏性貧血に陥りやすく、晩期未熟児貧血が発症します。

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症状

未熟児貧血を発症すると、貧血に関連した症状を呈するようになります。皮膚の色は白くなり、頻呼吸や頻脈、体重増加不良などを示します。 早産児は呼吸中枢が未熟であり、低酸素下に置かれると無呼吸発作を起こすことがあります。未熟児貧血では脳への酸素供給が低下するため、無呼吸発作が増加することもあります。 貧血に深く関与する鉄は、脳のエネルギー代謝や神経伝達、脳の成長に深く関与していることがわかっています。したがって、未熟児貧血を適切に対応できない場合には、長期的な症状として神経学的な成長障害(言語発達や運動発達、従順性の低下など)を認めることがあります。

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検査・診断

未熟児貧血では、血液検査にて赤血球の数や大きさ、ヘモグロビン、鉄の動態を確認することになります。未熟児貧血では、赤血球の数やヘモグロビンが低下します。また、赤血球が成熟する過程において、網状赤血球と呼ばれるものを血液中に認めるようになります。未熟児貧血の治療過程において、治療反応性の効果判定を行うために、網状赤血球の数を血液検査で確認することもあります。

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治療

未熟児貧血の治療の基本は、適切な栄養管理、鉄分の補充、エリスロポエチンの使用です。国内においては早産児に対する鉄剤投与のガイドラインが普及していますが、これによると、未熟児貧血の治療に関連して経腸栄養がある程度確立した段階で、鉄剤補給を行うことが推奨されています。早期未熟児貧血は早産児に発症するものであり、入院期間中から見られます。したがって、入院期間中からエリスロポエチンを定期的に皮下注射し、赤血球の産生を促すことがなされます。また、出生時、へその緒を切るまでの時間を少し遅らせたり、臍帯中に存在する血液を赤ちゃん側に送り出す「ミルキング」と呼ばれる動作をしたりすることもあります。また、NICU入院期間中は、治療の必要性から採血をする頻度も高いです。少しでも貧血の進行を予防するために、採血回数を減らすという視点も大切です。 NICUを退院した後も後期未熟児貧血を発症するリスクはあります。母乳栄養児においては、人工乳栄養児と比較してより鉄分不足になる可能性が高いです。そのため、退院後には適宜人工乳を使用したり、引き続き経口薬での鉄分補給が行われたりすることになります。離乳食を適切なタイミングで行い、食事から充分量の鉄分が確立できるように促すことも大切になります。 貧血の進行に関しては、お子さんによって大きく変動があります。したがって、NICUを退院された後も、継続的な貧血状況のチェックを行うことが大切です。

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