きかんしのうほう

気管支嚢胞

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

気管支嚢胞とは、胎児のときに気管や気管支が正常に発達せず、嚢胞(のうほう)を形成する先天性のまれな病気です。成人では無症状のことが多く、胸部の画像検査で偶然発見されることが多いですが、縦隔にできた嚢胞が大きくなり気管を圧迫すると、気道を狭窄して呼吸困難症状がみられます。また、嚢胞の中に感染を起こした場合は、発熱、咳や性痰、胸痛を認めます。

画像検査が主な検査で、治療は手術による嚢胞切除が原則です。喫煙は感染や症状を悪化させることがあるため、禁煙することが重要です。

原因

胎児のときに気管や気管支が正常に発達せず、気管や気管支周囲の縦隔、あるいは肺内に嚢胞を形成します。嚢胞は、胎生4週前に異常が起これば縦隔に、胎生4週以降に起これば肺内にできます。肺内では下葉に形成されることが多いです。嚢胞の内部には気管支腺分泌物や出血成分、カルシウムを含んだ粘調なクリーム状の内容物を認めることが多いです。肺内にできた嚢胞はしばしば気管支と交通し、嚢胞内部に感染を起こすことがあります。
 

症状

気管支嚢胞の症状は年齢によって違います。幼児から小児では呼吸器症状が強く出現し、ときに死亡することもあります。成人では無症状のことが多く、胸部の画像検査で偶然発見されることが多いです。

嚢胞の中に感染を起こした場合は、発熱、咳や性痰、胸痛を認めます。喀血や血痰がみられることもあります。縦隔にできた嚢胞が大きくなり気管を圧迫すると、気道を狭窄して喘鳴や呼吸困難の症状がみられます。

検査・診断

主な検査は胸部X線や胸部CT、胸部MRI検査といった画像検査であり、これらにより嚢胞の存在を確認します。
 

治療

治療は手術による嚢胞切除が原則です。小さな嚢胞で無症状のものは経過観察されることもありますが、経過中に嚢胞が大きくなって症状が出現したり、嚢胞内部に炎症が起こったりすると周囲の組織と癒着して切除の際に周囲から剥離(はくり)するのが難しくなります。

ごくまれですが嚢胞に悪性腫瘍を合併した症例も報告されているので、早期での手術が望ましいと考えられています。嚢胞内に感染を起こした場合は抗生物質を使用します。喫煙は感染や症状を悪化させることがあるため、禁煙することが重要です。

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