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Kidney
水腎症
水腎症とは、腎臓にて産生された尿が膀胱へと移行される過程において何かしらの排泄障害を受け、尿の通り道が拡張してしまっている状態を指します。水腎症の原因には、先天的に尿の通り道が狭い場合もあれば、...
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腎臓

水腎症すいじんしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

水腎症とは、腎臓にて産生された尿が膀胱へと移行される過程において何かしらの排泄障害を受け、尿の通り道が拡張してしまっている状態を指します。水腎症の原因には、先天的に尿の通り道が狭い場合もあれば、後天的に腫瘍や結石が生じることなどから発症することもあります。 水腎症を発症しても無症状のうちに進行することもあります。認める症状として腹痛や尿路感染症による発熱や血尿、背部痛などがあります。水腎症が放置されると、水腎症を呈している側の腎機能が低下することになります。原因となっている疾患に対して適切に対処することで、こうした続発症を予防することが重要な疾患になります。

原因

腎臓は、体内で産生された不要物をおしっことして排泄させる役割を担う重要な臓器です。腎臓で産生されたおしっこ(尿)は、腎盂と呼ばれる部位に集まります。腎盂は尿管につながっていて、さらに膀胱(ぼうこう)へと尿が流れていきます。 腎臓→腎盂→尿管→膀胱、の流れのなかで、尿の通り道に障害が起きると尿がうまく流れなくなります。尿の通過障害が生じると、流れが滞っている部位よりも上流において尿が蓄積することになり、この状態を水腎症と呼びます。腎盂から尿管に移行する部位において尿の流れが滞ると腎盂が拡張することになりますが、この状態を狭い意味での水腎症といいます。また尿管が拡張すると、水尿管症と呼びます。

水腎症を引き起こす原因としては、大きく分けて先天性と後天性に分類することができます。先天性では腎盂と尿管のつなぎ目のところが狭いこと(腎盂尿管移行部狭窄と呼びます)がおもな原因です。後天性の水腎症としては、腫瘍が尿の通り道に発生してしまうことから引き起こされることがあります。また、尿管や腎盂内に結石が生じることから水腎症が発症することもあります。血管が尿管を外部から狭めることから尿の通りが悪くなり、結果として水腎症に至ることもあります。

症状

水腎症は軽度の場合は特に症状がないこともあります。水腎症に関連して発症しうる症状としては、腹痛があります。水腎症を発症すると、腎臓全体が正常よりも大きく腫れることになり、腎臓を支配する神経が刺激されることから腹痛が生じると考えられています。 また、尿が蓄積している部位に対して細菌が増殖することもあり、この場合には尿路感染症を発生することがあります。尿路感染症が発症すると、発熱や血尿、背部痛などを生じることになります。 尿の排泄が障害を受けて腎盂が拡張した状態が持続すると、正常な腎臓の組織が圧迫を受けることになり、徐々に腎機能が低下することになります。両側の腎臓が大きく障害を受けると、腎不全を発症することになります。 さらに、水腎症では結石を生じることもあります。結石を生じると強い腹痛を起こすことがあります。

検査・診断

先天的な水腎症では、胎児期にも超音波検査で指摘することが可能なものがあります。超音波を用いた検査は、胎児期のみならず新生児期から成人にかけて幅広い年齢層において有用です。 腎臓から膀胱までの尿の通り道において、どの部位で狭窄を来しているかを確認するために利尿レノグラムと呼ばれる検査を行うことがあります。尿に排泄される放射性同位元素を静脈から注入したのち、尿への排泄具合を確認することになります。狭窄をよりいっそうはっきりと判定するために、検査中に利尿剤を投与することもあります。 乳幼児では、膀胱尿管逆流症という疾患に関連して水腎症が生じていることもあります。この状況を確認するために、排尿時膀胱尿道造影と呼ばれる検査を行うこともあります。 水腎症では尿路感染症や結石を続発することもあります。血液検査を通して炎症反応を確認したり(白血球やCRPの上昇を確認します)、尿検査を用いて膿尿や血尿の有無を確認したりします。尿路感染症では原因となっている細菌を同定することも重要であり、培養検査が同時に行われることになります。 

治療

水腎症の治療を行うかどうかは、水腎症の原因となっている疾患や水腎症の程度によって異なります。先天的な狭窄が原因となっている場合、水腎症の程度が軽いものであれば経過観察のみで様子をみることになります。 しかし、水腎症の程度が強く、尿路感染症を繰り返したり腎機能への悪影響が強く懸念されたりする場合には、治療介入が検討されます。狭窄が原因となっている場合であれば、手術的な狭窄解除が行われます。手術では尿の通過障害の原因となっている尿管の一部を切除し、健常な腎盂と尿管を細い糸でつなぎ合わせる腎盂形成術が基本となります。また、原因が腎細胞がんなどによる尿道狭窄であれば、原疾患に対しての外科的な摘出術、薬物療法、放射線療法などを行うことも重要です。 狭窄に対しての治療介入が困難な場合、ステント留置を行ったり、腎盂から直接体外に尿を排泄させるための通路を形成したりすることもあります。 なお、水腎症では尿路感染症を発症することもあります。その際には、原因となっている原因菌に対しての抗生物質による治療も必要となります。

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