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涙嚢炎
涙嚢炎とは、涙を溜める「涙嚢」と呼ばれる器官において炎症が生じることを指します。涙嚢は目頭に位置しており、多くの場合は涙の通り道に当たる鼻涙管と呼ばれる通り道が狭くなっていることに随伴して、ブド...
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涙嚢炎るいのうえん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

涙嚢炎とは、涙を溜める「涙嚢」と呼ばれる器官において炎症が生じることを指します。涙嚢は目頭に位置しており、多くの場合は涙の通り道に当たる鼻涙管と呼ばれる通り道が狭くなっていることに随伴して、ブドウ球菌や連鎖球菌といった細菌に感染することから発症します。鼻涙管が狭まる状況は新生児においてみることが多く、新生児涙囊炎と呼ばれます。

涙囊炎を発症すると目やにが増えたり、目頭を押すと膿が出てくることもあります。急性症状を発症すると、涙嚢に一致して皮膚の赤みや腫れが酷くなり、痛みを伴うようになります。

涙囊炎は鼻涙管が狭くなっていることが根本原因として存在することが多いです。鼻涙管の通りをよくすることを目的として、「ブジー」と呼ばれる治療方法が選択されることがあります。また、急性症状を伴っている場合には、抗生物質が適応になります。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

原因

健康な眼は涙で覆われていますが、涙が存在するおかげで眼は潤い、さまざまな病原体から眼の障害を防ぐことができます。涙は眼の上に位置する「涙腺」と呼ばれる組織から分泌されており、眼球表面に広がっています。眼球を潤した涙は、眼と鼻をつなぐ通り道を通って鼻へと排泄されることになります。

涙の通り道は、目頭に存在する「上涙点」と「下涙点」に端を発します。上下の通り道を「涙小管」と呼び、両者は合流し「総涙点」を形成します。その後、「涙嚢」へとつながり、「鼻涙管」を経て、鼻へつながることになります。

涙囊炎とは、先に述べた涙嚢において炎症が生じることを指します。多くの場合は、涙嚢の下流に当たる鼻涙管が狭いもしくは閉塞していることを原因に発症します。鼻涙管が狭くなると涙の流れが停滞しがちになり、細菌が繁殖しやすい状況になります。炎症を引き起こす細菌としては、黄色ブドウ球菌と連鎖球菌が代表的です。

鼻涙管が狭くなるもしくは閉塞する原因には、先天的なものと後天的なものがあります。先天的な狭窄の場合は、体の成長と共に鼻涙管の発達も見込め、それと共に涙囊炎も改善することが期待できます。後天的な鼻涙管閉塞の原因としては、結膜炎、蓄膿症やポリープなどを例として挙げることができます。

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症状

涙囊炎では、目やにが増える、目頭を押すと膿が出てくる、涙嚢に当たる部分がやや盛り上がっているなどといった症状をみるようになります。慢性的な涙囊炎の場合には痛みを伴うことはあまりありませんが、急性涙嚢炎では目頭に痛みを生じます。同時に局所の発赤や腫れも強くなります。慢性経過の涙囊炎と同様に、目頭を抑えることで膿が排泄されます。

涙囊炎では、基礎になっている病態に関連した症状も伴います。たとえば鼻涙管閉塞では、涙が眼から鼻へとうまく排泄されなくなっており、目が常に涙であふれている、涙っぽいといった症状を呈します。また、結膜炎に関連した涙囊炎では、結膜炎症状として目の充血やかゆみ、目の違和感などを併発します。

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検査・診断

涙囊炎では、局所の変化を詳細に観察することで病気を疑います。また、涙囊炎では涙嚢に炎症を引き起こした原因疾患を明らかにするための検査も検討されます。代表的には鼻涙管閉塞が原因となっており、涙道通水試験と呼ばれる検査が行われることがあります。その他、結膜炎などの眼科疾患、蓄膿症や鼻ポリープ、鼻炎などの鼻に関連した疾患と関連して鼻涙管閉塞が生じることもあります。これら疾患を検索する目的で、眼科的な検査や耳鼻科的な検査が併用されることもあります。

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治療

痛み、強い発赤や腫脹などを伴っている場合には、感染の合併による強い炎症が発症していることが疑われるため、抗生物質の使用が検討されます。多くの場合は黄色ブドウ球菌や連鎖球菌が原因となっていることが多いため、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質が選択されます。ただし、近年では抗生物質に対して耐性を示す菌の存在(たとえばMRSA)も知られているため、治療薬に反応が乏しいときには適宜抗生物質の変更を考慮することが重要です。また、対症療法的に局所を暖めることも有効です。

急性期の症状が治まったものや慢性経過を示す涙囊炎に対しては、手術的な治療介入が検討されます。涙の通り道である鼻涙管の閉塞もしくは狭窄が原因になっていることが多いため、狭い部位を解除するためにブジー挿入と呼ばれる方法がとられることがあります。ブジーを挿入することで、物理的に鼻涙管の通りを改善させようという治療法になります。

鼻涙管開放術が奏功しない場合には、鼻涙管にチューブを挿入・留置することもあります。さらに、涙嚢鼻腔吻合術と呼ばれる手術方法が選択されることもあり、鼻涙管の閉塞部位をバイパスする形の通り道を形成することで涙の通りをよくします。その他、そもそもの炎症の主座となりうる涙嚢を摘出する涙嚢摘出術が行われることもあります。

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