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Uterus
淋菌性子宮頚管炎
淋菌性子宮頚管炎(腟炎)は、淋菌による性器感染症の一部であり、それぞれ子宮頚管と腟に炎症が生じる疾患です。淋菌自体は男性にも感染しますが、淋菌性子宮頚管炎(腟炎)は女性に限った疾患名となります。...
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子宮

淋菌性子宮頚管炎りんきんせいしきゅうけいかんえん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

淋菌性子宮頚管炎(腟炎)は、淋菌による性器感染症の一部であり、それぞれ子宮頚管と腟に炎症が生じる疾患です。淋菌自体は男性にも感染しますが、淋菌性子宮頚管炎(腟炎)は女性に限った疾患名となります。性交渉にともない感染が広がるため、性交渉を有する女性すべてに発症の可能性がありますが、多数のセックスパートナーやコンドームの未使用により感染リスクが上昇します。日本国内での発生報告によると、クラミジアに次いで2番目に多くみられる性感染症であり、2003年をピークに減少傾向となっていましたが、近年ではクラミジア感染とともに増加傾向に転じていると報告されています。女性では20歳代での発症が最も多く、また妊娠中に感染し未治療のまま出産に至ると新生児結膜炎を引き起こすこともあります。 なお、近年ではオーラルセックスの一般化にともない、性器淋菌感染症をもつ方の10〜30%に咽頭から淋菌が検出されるという研究もあり、オーラルセックスによる感染拡大が増加傾向にあるとされています。淋菌感染の方は、20〜30%でクラミジアも合併感染しているといわれています。 診断を受けずに未治療のまま放置すると、骨盤内炎症性疾患、異所性妊娠(子宮外妊娠)、流産など、女性への重大な合併症に繋がることがあります。また、男女ともに不妊の原因となることもあります。最近の研究では、淋菌感染に限らずクラミジア、梅毒などの性感染症は、HIV(エイズの原因ウイルス)への感染リスクを2、3倍に高めるといわれています。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

原因

グラム陰性双球菌である淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による性器感染が原因です。淋菌を保有する相手との性交渉時に、精液、膣分泌液、血液、唾液といった体液を介して感染の可能性があり、一回の性交渉での感染率は30%程度で、2〜7日間の潜伏期間を経て発症します。淋菌は弱い菌であり、感染者の粘膜から離れると数時間で感染性がなくなるといわれています。また、日光、乾燥や温度変化、消毒剤に弱く、これらで容易に死滅します。このため、性交渉やオーラルセックス以外で感染することはまれと考えられています。 性交渉の際に最も粘膜が触れ合うことを考えれば、通常は淋菌性腟炎が発生し、続けて子宮頚管まで進展すると淋菌性子宮頚管炎に至ると推定されますが、両部位へ同時に感染することも十分に考えられます。

症状

男性の場合には非常に強い痛みを感じることが多いのですが、女性では症状に乏しいことが多く、約50%で無症状とされています。特に淋菌性腟炎の状態だけでは症状がほとんどありませんが、淋菌性子宮頚管炎が生じると、おりものの増加や軽度の異臭、性交時出血(粘膜の丈夫さが低下することによる)などを認める場合があります。淋菌性子宮頚管炎(腟炎)ではまれですが、このままさらに進展し、子宮内膜炎、付属器炎、骨盤内炎症性疾患、肝周囲炎まで至ると下腹痛や右上腹部痛などを伴うこともあります。  また、未治療のまま長期間放置しておくと、不妊症の原因となることがあります。これは、淋菌感染が卵管周囲まで進展し、卵管周囲に癒着を形成してしまうことなどが理由と考えられています。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

検査・診断

病原菌である淋菌を直接確認することで確定診断となります。一般的に、淋菌性子宮頚管炎(腟炎)は同時に発生していると考え、子宮頚管をやわらかいヘラのような検査器具で擦ることにより、粘液を採取します。この検体(採取した粘液)をグラム染色による検鏡、分離培養法、核酸増幅法などの方法を利用して淋菌の存在を確認します。分離培養法の診断精度は、検査室までの運搬時間や温度により低下してしまう恐れがありますが、核酸増幅法は正確な診断が行いやすいという特徴があります。ただし、核酸増幅法では薬剤感受性(抗生物質の効き具合)が分からないという欠点もあります。 咽頭感染を診断するためには、同様にして咽頭の粘膜を専用器具で擦ることにより採取し、グラム染色による検鏡、分離培養法、核酸増幅法などを行って確認します。また、検査法によっては咽頭うがい液から淋菌の検出が可能な場合もあります。 前述したようにクラミジアの合併感染も稀ではないため、クラミジアも同時に検査することが推奨されています。検査方法は淋菌と同様です。

治療

抗生物質による治療が必要となり、淋菌感染に対しては、内服薬や静注薬が用いられます。症状がほとんどなく、子宮頚管炎(腟炎)に留まっていれば単回投与(一回のみの内服もしくは静注)で治療可能な場合もありますが、骨盤内まで進展していたり、そのために下腹痛など症状が強い場合には数日間の治療が必要となることがあります。 近年では淋菌の薬剤耐性化が世界的な問題となっており、昔からよく使用されていたいくつかの抗生物質は80%程度のケースで無効といわれています。加えて、徐々に耐性を持つ薬剤の種類が増加してきているため、治療後は有効であったかの効果判定を行い、治療が不十分な場合には薬剤感受性検査を実施してより有効な抗生物質を判断することが望ましいとされています。 一方で、男性の淋菌感染者のうち約10%が無症状であるため、症状がなくともパートナーの淋菌検査は必ず行うべきでしょう。