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混合性結合組織病
混合性結合組織病はリウマチ膠原病のひとつです。厚生労働省では、「全身性エリテマトーデスを思わせる臨床所見、全身性硬化症を思わせる臨床所見、多発性筋炎/皮膚筋炎を思わせる臨床所見が、同一患者に同時...
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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

混合性結合組織病はリウマチ膠原病のひとつです。厚生労働省では、「全身性エリテマトーデスを思わせる臨床所見、全身性硬化症を思わせる臨床所見、多発性筋炎/皮膚筋炎を思わせる臨床所見が、同一患者に同時あるいは経過とともに認められる」「血液検査で抗U1-RNP抗体が高い抗体値で得られる」という2つの特徴を持つ疾患を混合性結合組織病と定義しています。女性に多く、発症年齢は30〜40歳代が多いといわれていますが、小児から高齢者まであらゆる年齢に発症します。

原因

抗U1-RNP抗体

混合性結合組織病の発症原因はまだ解明されていません。しかしこの病気に罹患した方の血液を調べるとすべての例で抗U1-RNP抗体が陽性を示します。抗U1-RNPとは、自分自身の体の成分と反応を起こす自己抗体のひとつですが、自己抗体の発現が確認されることから、混合性結合組織病はなんらかの自己免疫システムの異常が原因だと考えられています。

遺伝的な要因

混合性結合組織病の発症には遺伝的な要因も指摘されています。しかし、混合性結合組織病そのものが遺伝するということはなく、混合性結合組織病になりやすい体質が引き継がれるという認識でとらえておくのがよいと考えられています。

症状

初期症状としては、寒冷刺激や精神的緊張によって血管が収縮することで手や指が蒼白化したあと暗紫色、紅潮を経て元の色に戻る「レイノー症状」と、手の甲や指が腫れぼったくなる「ソーセージ様手指」が知られています。混合性結合組織病では全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎に似た臨床症状・検査所見が現れますが、どの疾患の特徴が前面にあらわれてくるかで大きく異なります。

混合性結合組織病における全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎に類似した症状

  • SLE様症状:多発関節炎、リンパ節腫脹、顔面紅斑、心膜炎、胸膜炎、腎炎(蛋白尿や血尿など)
  • 強皮症様症状:手指に限局した皮膚硬化、肺線維症、食道運動機能の低下、消化管病変(食道以外も含む)
  • 多発性筋炎/皮膚筋炎様症状:近位筋の筋力低下

肺高血圧症

混合性結合組織病では、肺高血圧症が認められることもあります。肺高血圧症とは、心臓から肺へとつながる血管(肺動脈)の末梢が狭くなり血流が滞ることで肺動脈の血圧が上がってしまう病態です。症状が続くと、肺動脈に血液を送っている右心室(心臓の右側の心室)に大きな負荷がかかり、右心室の機能が低下する右心不全を引き起こし、命に関わる病態となります。

神経症状

そのほかにも、無菌性髄膜炎、三叉神経障害などの神経症状が認められることもあります。無菌性髄膜炎では発熱、髄膜刺激症状が現れます。治療に用いられる非ステロイド性抗炎症薬が発症を惹起している場合があります。三叉神経障害は、三叉神経の第2、3枝領域に好発するとされており、顔面片側性の知覚・味覚障害を呈します。

検査・診断

混合性結合組織病では、抗U1-RNP抗体が陽性であることが必要です。また、全身性エリテマトーデスや全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎にともなう疾患標識自己抗体が陽性になった場合には、混合性結合組織病より全身性エリテマトーデスや全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎やオーバーラップ症候群の可能性を考えます。血液検査の結果から、補体や血球の減少、筋酵素増加などがみられることがあります。

また、混合性結合組織病では肺高血圧症の発症の有無を評価することが重要です。肺高血圧症は心臓超音波検査や心臓カテーテル検査などにより、心臓肥大や右心室の機能を調べることで診断可能です。

治療

混合性結合組織病は発症要因が解明されていないため、根本治療は見出されていません。それぞれの症状を緩和・進行抑制のための治療法(主に薬物治療)が選択されています。レイノー症状や末梢循環障害には禁煙が必要とされています。症状が強く現れている場合には、血管拡張薬(カルシウム拮抗薬、プロスタグランディン製剤)や抗血小板薬が用いられます。

胸膜炎、発熱、関節炎などの軽症から中等症の病態には、プレドニゾロン20〜30mg/日が用いられます。出血傾向を伴う血小板減少、ネフローゼ症候群、重症筋炎、間質性肺炎急性増悪、中枢神経症状などの重症な病態に対しては、プレドニゾロン1〜1.2mg/kg/日のステロイド大量療法やステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1g/日を3日間連続投与)が行われることもあります。

ステロイド薬で効果が不十分な場合や重篤な副作用のためステロイド薬の大量療法ができない場合には、免疫抑制剤が用いられます。近年、難治性病態に対しては早期より積極的にシクロホスファミドの間欠的大量静注療法が行われるようになっています。

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