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減圧症
減圧症とは、スキューバダイビングの潜水後や、水中・地中で行う潜函(せんかん)作業の後など、その人を取り囲んでいる環境圧が急激に低下したときに、息切れなどが生じる状態です。スキューバダイビングなど...
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減圧症げんあつしょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

減圧症とは、スキューバダイビングの潜水後や、水中・地中で行う潜函(せんかん)作業の後など、その人を取り囲んでいる環境圧が急激に低下したときに、息切れなどが生じる状態です。スキューバダイビングなどの潜水後に発生した場合、 潜水病とも呼ばれます。

水に潜ると体の周りの圧力は高くなります。減圧症は、高気圧環境にいた人が常圧環境に戻ったとき、血液中に溶け込んでいた窒素が気泡となるために起こります。

減圧症の主な症状には関節痛や頭痛、全身倦怠感、めまい、吐き気などがあります。潜水中に息切れを感じた場合は、減圧症のサインである可能性も考慮し、早めにスキューバダイビングや作業を切り上げたほうがよいでしょう。

原因

減圧症は、体の周りの圧力が急激に低くなった際、血液や関節内に窒素の気泡(窒素ガス)が生じること発症します。気泡となった窒素が血管をふさいだり、血管の細胞を障害することで、息切れや関節痛など、さまざまな症状が起こります。

たとえば、ダイビングを終え、海面に上がったり、陸に上がろうとしたりすると、体の周囲の環境圧が下がります。この際、減圧症が起こることがあります。

減圧症の発症頻度は、レジャーダイバーが約0.01~0.019%、職業ダイバーが約0.095%、米国海軍の職業ダイバーが約0.03%といわれています。

減圧症の原因や症状を悪くする要因としては、肥満、飲酒、脱水、疲労などが挙げられます。そのため、スキューバダイビングを行う前日や当日にはしっかりと休息をとり、体調を整えることが重要です。

近年では、窒素の割合を少なくして酸素の割合をやや増やした、ナイトロックスボンベ(エンリッチド・エア・ナイトロックス:酸素30~40%、残りは窒素)も普及しつつあり、減圧症の発症予防に有用ではないかと考えられています。

症状

初期症状には、潜水中の息切れ感があります。息切れを感じた段階で潜水を中断することが大切です。減圧症が進行をすると脳、心臓、脊髄(せきずい)、関節、筋肉、皮膚などに障害を引き起こします。

減圧症は、損傷した部位に応じてⅠ型減圧症、Ⅱ型減圧症に分類されます。

Ⅰ型減圧症

筋肉関節型(ベンズ)、皮膚型に分類されます。ベンズでは関節痛や筋肉痛といった症状が出現し、Ⅰ型減圧症の多くの割合を占めます。ベンズを繰り返すと、無菌性骨壊死という病気のリスクにもなります。皮膚型では、皮膚にしびれ、疼痛、かゆみを感じることがあります。

Ⅱ型減圧症

呼吸循環型(チョークス)、脳型(中枢型)、脊髄型、内耳前庭型などがあります。いずれも重症のタイプの減圧症ですが、特に呼吸循環型の場合には最重症例が多くみられます。血管の透過性が亢進しているために、血圧が低下し、右心不全や呼吸困難を引き起こします。

その他、脳型では痙攣(けいれん)や手指の麻痺(まひ)、脊髄型では下半身麻痺、内耳前庭型ではめまいや嘔吐などの症状が現れます。脊髄型は後遺症をのこしやすく、余儀なく車いす生活となる方もいます。

検査・診断

減圧症を診断するためには、患者さんの病歴と身体所見が重要になります。そのため、問診時には、病状の経過や潜水していたときの状況、急速な減圧があったかどうかなど、病歴の聴取が行われます。身体診察では、皮膚の所見や神経学的所見などが確認されます。このほか、血液検査により、ヘモグロビン値やヘマトクリット値、凝固能などを調べ、総合的な評価が行われます。

治療

減圧症の治療は、早急な高気圧酸素療法が基本となります。高気圧酸素療法により、気泡を消失させ、窒素ガスを酸素へと置き換えることができます。高気圧酸素療法が使用できない医療施設の場合、100%濃度の酸素を吸入するとともに、高気圧酸素療法が可能な施設(第2種装置を有する施設が望ましい)へ搬送します。減圧症に対する標準的な高気圧酸素療法は、アメリカ海軍治療表Table 6(通称:テーブルシックス)という治療法を使用します。

高気圧酸素療法は急性期における減圧症のみならず、後遺症が残った場合にも長期的に実施されることがあります。また、後遺症を来した減圧症ではリハビリテーションも有効です。

減圧症では、特に重症例において後遺症を発症してしまい、日常生活に支障を来すこともあります。そのため、減圧症予防が重要です。飲酒後や体調が悪い場合の潜水を避け、潜水中に異常を感じたら早めに潜水を終了することが大切です。

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