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漏斗胸
漏斗胸とは、胸の全面の中心部位が、漏斗の形に凹んでいる状態を指します。漏斗胸は産まれた時から認めることもあり、年齢を重ねるに連れて形状の変化は進行性に強くなることもあります。年齢を重ねることで自...
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漏斗胸ろうときょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

漏斗胸とは、胸の全面の中心部位が、漏斗の形に凹んでいる状態を指します。漏斗胸は産まれた時から認めることもあり、年齢を重ねるに連れて形状の変化は進行性に強くなることもあります。年齢を重ねることで自我が芽生え始めると、特に学童期などにおいては他のお子さんとの外見上の違いからいじめにあったり、精神的な負担を感じたりすることもあります。

漏斗胸は1000人に1人程度の割合で起こり、女児に比べて男子に3倍ほど多いことも知られています。扁桃腺肥大によるいびきも漏斗胸の発生に関わることが指摘されています。そのため、漏斗胸では扁桃腺の処理を行うことで改善することを期待することもあります。ただし程度の強い漏斗胸の場合には、変形した胸部に対して直接的な手を加える手術療法が選択されることになります。

胸部変形は年齢と共に進行することも多く、また精神的な影響も前面に出ることが懸念されます。したがって、症状を見極めつつ、適切なタイミングで適切な治療介入を行うことが重要であると言えます。

原因

胸は、肋骨と胸骨を中心として形作られています。肋骨は背骨の骨から左右12本ずつ出ており、前方に近づくにつれて骨から軟骨へと変化します。前胸部においては肋骨と胸骨が結合することになりますが、この部分の肋骨は骨ではなく軟骨です。

軟骨は、骨に比べて柔らかく、形状変形を来しやすいと考えられています。事実、漏斗胸は肋骨の軟骨部位の変形が生じることから発症します。呼吸をするたびに、胸骨や肋骨は内側に引っ張られたり、外側へと押し出されたりといった圧力の変化を受けることになります。漏斗胸は、こうした圧力の変化に応じて徐々に肋骨の軟骨部位が変形を来してしまい、前胸部が落ち込むことから発症すると考えられています

また、漏斗胸は扁桃腺肥大などに関連していびきをかくお子さんにおいて多く認めることも知られています。いびきをかくということは、それだけより強く呼吸をしていることを意味しています。そのため、肋骨の軟骨部位への圧力の負担も大きくなり、漏斗胸を発症しやすいと考えられています。なお、遺伝的な要素が発症に関連しているといわれることもありますが、全容は明らかになっていません。

症状

漏斗胸では、前胸部のへこみを見ることから美容的な問題を伴うことがあります。要旨の違いから精神的な悩みを抱えたり、いじめにあったりすることもあります。3歳頃までには胸のへこみも自然改善することがありますが、大きくなると自然改善が見込みにくくなります。また時間経過と共にへこみの部分も右に寄るようになります。

漏斗胸の方は、前胸部の外見上変化に伴い、少しでも呼吸を楽にするために前屈みの姿勢を取ることも多く、猫背や側弯症などの背骨の変化も見るようになります。

漏斗胸の程度が強いと、胸部に位置する心臓や肺にも影響が及ぶようになります。具体的には、循環動態や呼吸状態にも悪影響が生じることがあり、呼吸器感染症を来しやすかったり(風邪を引き起こしやすいです)、不整脈を生じたり、弁膜症を発症したりすることもあります。

検査・診断

典型的な漏斗胸の診断は外見から判断できます。漏斗胸の状況や肺や心臓への圧迫状況などをさらに詳細に評価するために、胸部レントゲン写真や胸部CT検査といった画像検査も併用されます。さらに、不整脈を来すこともあるため心電図検査にて電気活動を評価することもされます。その他心臓の動きや弁膜症を評価するために心エコーが行われることもありますし、呼吸機能への影響を確認するために呼吸機能検査が行われることもあります。

治療

漏斗胸の治療は、胸部の変形具合、内臓臓器への圧迫の程度などに応じて治療方法が決定されます。症状が軽い場合には、手術的な方法をとらずに姿勢の矯正や胸部の筋肉の増強などで対応することもあります。また、扁桃腺肥大やアデノイドに関連して漏斗胸が増悪していることが疑われることもあり、扁桃腺やアデノイドに対しての手術を行うことがあります。

呼吸循環系に悪影響がある場合や、美容的な観点からの影響が懸念される場合には、胸骨に対しての手術的な介入を行います。手術を行う年齢は、施設によって異なる部分もあります。手術方法としては、様々な方法があります1998年に発表された「Nuss手術」と呼ばれる方法を選択する施設も増えてきています。この方法では、変形している胸骨の後ろ側に金属製のバーを挿入し、胸骨が前方に矯正された形で金属を固定します。手術後に胸骨が矯正できるのはもちろん、金属を3年間ほど留置する間にさらに矯正状態が安定することも期待できます。定期的に固定状況を確認しながらフォローをし、最終的にはバーを抜くことになります。