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熱中症(こども)
暑い環境に対して体が適応できないことにより起こる状態を指します。人の体は、暑い環境にさらされたとき、汗をかくなどして体温が高くなりすぎないように調整しようとします。しかし熱中症では、この体温の調...
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熱中症(こども)(ねっちゅうしょう こども)

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熱中症

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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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熱中症(こども)とは

暑い環境に対して体が適応できないことにより起こる状態を指します。人の体は、暑い環境にさらされたとき、汗をかくなどして体温が高くなりすぎないように調整しようとします。しかし熱中症では、この体温の調節がうまくいかず、熱が体内にこもってしまいます。その結果、さまざまな症状が出現するようになります。

熱中症は、気温が上がり始める5月頃からみられるようになります。暑い日に外に長時間いることで発症するというのはもちろんのこと、室内においても発症することがあります。特に高齢者のなかには、エアコンや扇風機の風を嫌がり、温度調節をしたがらない方が見受けられます。さらに高齢者は、のどの渇きを感じにくくなっていたり、体温調節機能が低下していたりすることから室内でも熱中症にかかりやすく、救急車で搬送されるケースもまれではありません。

また子どもは自分で症状を訴えることができないこともあり、周囲が特別に注意を払って熱中症予防を心がけることが大切です。

原因

体温上昇と体温調節機能のバランスが崩れたとき、体内に熱がたまってしまうことで発症します。

体内に熱が過剰にこもる状況を考えたとき、熱中症は、労作性熱中症と、非労作性熱中症の二つに分類することができます。

  • 労作性熱中症:暑い環境のなかでスポーツ・肉体労働などの筋肉運動を行うことによる熱中症のことをいいます。
  • 非労作性熱中症:暑い環境のなかで長時間過ごすことによる熱中症のことをいいます。

 

子どもが熱中症を発症することはまれではありませんが、それにはいくつかの子ども特有の事情があります。

熱中症にならないためは、熱が体にこもらないようにする「体温調節機構」がとても重要な役割を果たします。体温調節機構をうまくはたらかせるには、汗を適切にかく必要がありますが、それには「汗腺」と呼ばれる汗を作る皮膚組織が重要になります。しかし子ども(特に乳幼児)においては、汗腺の発達が十分ではなく、体温調節機構が未熟で、熱を外部に発散させることがうまくいかないこともあります。

また、乳幼児は自分自身で体調不良を訴えることができない点、体温に応じて自分で適切に洋服の調整をすることができない点も、子どもにおいて熱中症を発症しやすい原因の一つです。 

症状

重症度に応じて症状が異なります。

初期症状としては、倦怠感、顔のほてり、立ちくらみ等です。初期の熱中症としては、熱けいれん、熱失神、熱疲労などと呼ばれる病態が生じます。手足がつる、筋肉がけいれんする「熱けいれん」と呼ばれる病態を呈することがあります。また、一過性の失神や顔面が白くなる「熱失神」と呼ばれる病態を呈することもあります。その他、熱疲労では倦怠感や集中力の低下、頭痛なども呈します(熱疲労と呼びます)。熱中症と聞くと高熱をイメージされることも多いかと思いますが、初期の段階では必ずしも熱が高いとは限らず、熱以外のこうした症状が出現することもあるため注意が必要です。

進行すると、体温が高いにもかかわらず汗が止まらない状態、もしくは発汗のない状態となります。

重症な熱中症においては、呼びかけに反応しなくなり、自分で動けないようになります。けいれんを起こすこともあります。

子どもでは、「熱」が症状の一つとなる病気は多々あります。特に夏場においては胃腸風邪が流行することもありますので、熱中症との区別が必要になります。熱中症においては、下痢を症状にみることは少ないため、症状が出現するまでの経緯を含めて、両者を鑑別するための参考になります。ただし、胃腸炎であったとしても典型的な皮膚症状、粘膜症状、下痢を必ずしも伴う訳ではないため、鑑別に困難な場合もあります。

検査・診断

症状が出現するまでの経緯を明確にする必要があります。

暑い日に外でずっと遊んでいた、車の中にしばらく放置されていた、など暑い環境下にさらされていたという情報が熱中症を疑うきっかけになります。

重症な熱中症になると、中枢神経系や肝臓、腎臓、筋肉など、全身の臓器に障害が生じるようになります。そのため、熱中症診療では、全身臓器の障害を評価するために、さまざまな検査が行われることがあります。

具体的には、血液検査にてALT、AST、ビリルビン、クレアチニンなどを検査し肝臓と腎臓の評価をします。また横紋筋融解(おうもんきんゆうかい:筋肉が壊れること)を引き起こすこともあるので、クレアチンキナーゼ(CK)を始めとした筋肉に関連した血液検査も行います。

重症な熱中症では、DIC(血液の固まり方に異常をきたす状態)を引き起こすことも知られており、これを確認するための血液検査が行われることもあります。

治療

子どもの場合、熱中症を発症していたとしても、自分の症状を周りの大人や医師にうまく伝えることができません。特に外で遊んでいる場合などでは、遊びに夢中になっているためなおさらです。

 

熱中症予防のため、また、熱中症を疑ったときには、下記のような対策が重要です。

  • 子どもの体を触ってみて、極端に体が暑くなっていないか、変な汗のかき方をしていないかを確認する
  • 1時間なら1時間と時間を決めて、一定時間で休息や水分補給を促す
  • 帽子をかぶせる、服装を外気温に合わせて適切に調整する
  • 冷たいタオル等で首回りや脇の下等、太い血管がある部位を冷やしてあげる
  •  水分のみならず塩分を含む飲み物を摂取させる
  •  軽症の段階であれば、電解質と糖分が脱水治療に適切なものを口から飲んで補給する経口補水療法(ORT: oral rehydration therapy)を促す(薬局などでも購入することが可能な商品がいくつか存在しています)

 

もし意識状態が悪化するほどの熱中症を発症した場合、無理矢理水分を取らせることは危険です。濡れたタオル等で太い血管のある部位を冷やしつつ、早急に救急車にて病院を受診することが必要です。

重度の熱中症では血圧低下を伴うことから、体温を下げるために霧吹き等で体表面に水分を散布しつつ、点滴による治療も行います。また、全身に症状が出現するため、それらに応じて適切な治療が追加されます。たとえば呼吸状態が悪化した場合は人工呼吸管理をすることがありますし、けいれん対策で抗けいれん薬を使用することがあります。

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