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猫ひっかき病
猫ひっかき病とは、バルトネラヘンセレ(Bartonella henselae )という細菌により引き起こされる感染症です。感染経路のひとつは名前から示唆されるように猫にひっかかれることであり、ひ...
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猫ひっかき病ねこひっかきびょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

猫ひっかき病とは、バルトネラヘンセレ(Bartonella henselae )という細菌により引き起こされる感染症です。感染経路のひとつは名前から示唆されるように猫にひっかかれることであり、ひっかかれた部位に関係したリンパ節が腫れ上がります。

ネコノミと呼ばれるノミの一種にバルトネラヘンセレが寄生していることから、一部の猫が感染して病原体を有しているといわれています。ネコノミは夏から冬にかけて多く発生するため、猫ひっかき病はこの時期に流行する傾向があるとされます。

原因

猫ひっかき病の原因菌であるバルトネラヘンセレは、ネコノミの一種である“Ctenocephalidis felis”と“Ctenocephalidis canis”のなかで生息しています。ネコノミは、野良猫、飼い猫問わず、猫に寄生するノミです。また、犬にも寄生していることがあります。

バルトネラヘンセレは、猫や犬の唾液中にも分泌されるため、菌を有する猫や犬にひっかかれることだけではなく、咬まれる、唾液に触れる(たとえば口移しで食べ物を与える)などをきっかけとして、人へ感染することがあります。また、ネコノミに咬まれることで発症した例も報告されています。

症状

局所リンパ節の腫れ

猫にひっかかれることなどをきっかけに体内に侵入した病原体は、リンパの流れを介して傷口と関連した部位のリンパ節に移動し、潜伏期間を経て痛みを伴う腫れを引き起こします。以下のように、局所リンパ節が腫れることが、猫ひっかき病の典型的な症状です。

  • 手や腕をひっかかれた場合:腋窩(えきか)のリンパ節が腫れる
  • 足がひっかかれた場合:鼠径部のリンパ節が腫れる

局所リンパ節の腫れは、多くの場合抗生物質を使用しなくても治癒が期待でき、数か月ほどの経過で改善がみられます。このほか、微熱や体重減少、食欲不振などが起こることもあります。

また、リンパの流れとは無関係にバルトネラヘンセレが直接的にリンパ節に侵入して、痛みや腫れを引き起こすこともあります。典型例はあごを猫にひっかかれ、あごや耳の下などのリンパ節が腫れて痛みを生じるというものです。

なお、エイズをはじめとする免疫不全状態では、バルトネラヘンセレがより重篤な症状を引き起こす可能性が高くなります。

病原体が血液に入り込んだ場合の症状

体内に摂取されたバルトネラヘンセレは、ときに血液中に入り込むことが知られています。血液中に病原体が入り込むと、全身に原因菌がばらまかれ、急性脳症、多発性肝・脾臓肉芽腫、視神経網膜炎、関節炎など、数多くの合併症を生じることがあります。これらの病気に関連して、発熱、けいれんや意識障害、視力障害、関節の痛みなどを生じます。局所リンパ節の腫れは起こらないこともあり、診断が難しくなる状態といえます。

検査・診断

猫ひっかき病の診断に際しては、バルトネラヘンセレに特徴的な遺伝子を「PCR法」と呼ばれる検査で検出することが多くなっています。また、バルトネラヘンセレに対する抗体を検出する目的で血液検査(間接蛍光抗体法、酵素抗体法)が行われることもあります。

バルトネラヘンセレの同定検査

本来、確定診断のためには血液や傷口の膿などを採取し、病原体であるバルトネラヘンセレを特定する検査が行われます。ただし、血液中などからバルトネラヘンセレを特定できるようになるまでには時間がかかるため、実際の医療現場では利便性の観点からデメリットとなりえます。

治療

猫ひっかき病の治療は、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質が第一選択になります。

予防

飼い猫や飼い犬のノミの駆除を定期的に行うことが重要です。また、猫や犬の爪を定期的に切り、傷が生じにくいよう心がけることも大切です。バルトネラヘンセレは、食べ物の口移しでも人に伝わります。可能な限りこうした行為を避けることも、病気発症の予防観点からは重要になります。