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産褥子宮復古不全
産褥子宮復古不全とは、出産後、子宮が通常の状態へ順調に戻らないことを指します。分娩後比較的早期のものとしては、弛緩出血があります。産褥(さんじょく)とは、出産後にお母さんの身体が徐々に非妊娠時の...
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産褥子宮復古不全さんじょくしきゅうふっこふぜん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

産褥子宮復古不全とは、出産後、子宮が通常の状態へ順調に戻らないことを指します。分娩後比較的早期のものとしては、弛緩出血があります。産褥(さんじょく)とは、出産後にお母さんの身体が徐々に非妊娠時の状態に戻る時期のことです。期間としては約6~8週間であり、この間に大きくなっていた子宮も少しずつ元の大きさに戻っていきます。産後に子宮が通常の状態に戻ることを産褥子宮復古と呼び、順調に通常の状態へ戻らない場合を産褥子宮復古不全と呼びます。

子宮復古は後陣痛によって促されます。分娩直後には子宮のてっぺん部分(子宮底)が(へそ)の位置まで高くなっていますが、これが子宮復古によって徐々に下がっていき、産後2週間もすると、通常はお腹の上から子宮底がはっきりと触れなくなります。しかし、子宮復古不全では子宮の戻りが不良となるため、赤い悪露(おろ)(産褥期に子宮から排出される分泌物)が長期間続いてしまうなどの症状につながります。

原因

胎盤や卵膜(破水するまで赤ちゃんや羊水を包んでいた膜)が分娩時に子宮の中からすべて排出されず、一部残ってしまうことが原因と考えられています。子宮復古は子宮の収縮によって進んでいくため、子宮が正常に収縮できない状態にあると子宮復古不全となってしまう場合があるのです。

胎盤や卵膜の排出不良が原因ではない場合もあります。たとえば多胎妊娠(双子や三つ子など)や羊水過多症の状態で出産となった際には、子宮の壁が通常以上に引き伸ばされており、産後に子宮の収縮がうまくできずに伸びきったまま子宮復古不全となるケースもみられます。

症状

多くの場合にみられる症状として、血性悪露(赤い色調の悪露)が産後2週間経っても続いたり、通常よりも子宮が大きく、軟らかい状態が続いたりすることが挙げられます。子宮復古は、子宮収縮によって胎盤や卵膜が剥がれた部分からの出血を止める役割があるため、子宮復古不全ではこの止血が充分にできず、血性悪露が長期間続いてしまうことになります。

また、この血性悪露が続くことで、細菌が腟から子宮内へ入り込みやすく、産褥感染症(子宮内感染)を起こすリスクも高い状態となります。子宮内感染が起こると、下腹痛や悪臭のある悪露がみられ、進行すると発熱する場合もあります。

検査・診断

子宮復古不全の診断には、問診と内診を含めた身体診察が重要です。産後の悪露の状態、下腹痛などの症状があるか、子宮底の高さや硬さ、そして内診による悪露の状態を確認します。子宮復古不全が疑われた場合には、子宮内の状態をより詳しく把握するため、通常は超音波検査が行われます。

これにより、子宮内に溜まっている悪露の量や、胎盤の細片など子宮復古不全の原因となる異常がないかどうかの確認ができます。より詳しく状況を知るために、MRI検査が行われることがあります。もし、すでに子宮内感染が起きていることが疑われる場合には、悪露の細菌培養検査を提出したり、全身状態を把握するために血液検査が追加されたりすることもあります。
 

治療

子宮復古不全の多くは、子宮内に胎盤や卵膜などの異物が残ってしまっていることが原因で起こるため、これを適切に取り除くことが治療につながります。症状が軽度の場合や自然回復が期待される場合には外来で経過観察となることもあります。

子宮内の異物を取り除くには、内服薬による方法と、器具を使って直接子宮内異物を除去する方法があります。内服薬では、子宮収縮促進剤が処方されます。これは分娩直後に出血予防の目的で処方されることのある薬ですが、子宮復古不全に対しても用いられます。

器具を使って直接子宮内異物を除去する方法は、より確実性が高くなりますが、痛みを伴う、合併症のリスクがある(子宮損傷や子宮内感染など)などの注意点があります。特に子宮復古不全では子宮が軟らかく子宮損傷のリスクがより高い状態であるため、そういった点を考慮したうえで治療法が決定されます。