概要
痒疹とは、皮膚にかゆみを伴うポツポツとした赤色から茶褐色の盛り上がりが散在する病気です。
痒疹の原因として、アレルギーやアトピー性皮膚炎、虫さされ、糖尿病、妊娠など多くのものが挙げられていますが、なかには原因不明のものもあります。
また痒疹の経過もさまざまで、1週間程度で治まることもあれば、慢性的に年余にわたって経過することもあります。
原因
痒疹の発症原因は多岐に渡ります。虫に刺されることに反応して生じることもあれば、食事などによるアレルギー反応として痒疹を起こすこともあります。
そのほか、以下に関連して痒疹が現れることもあります。
など
ただし、こうした原因を必ずしも特定できるわけでなく、実際には原因不明のものもあります。
また、痒疹の経過もさまざまで、1週間程度で治癒することもあれば、なかには慢性的に経過することもあり、経過に応じて、急性痒疹、亜急性痒疹、慢性痒疹に分類されます。痒疹は、原因によって発症様式や経過に違いが生じます。
症状
非常に強いかゆみが生じます。また赤いポツポツとした丘疹や小結節などの皮膚症状も現れます。こうした症状は急性でおさまることもありますが、慢性的に経過することもあります。
慢性化した痒疹では、諸症状が数か月から年単位で継続したり、皮膚が茶色く硬いイボ化するなどの変化が生じたりすることもあります。
痒疹ではかゆみにより皮膚をかくため、皮膚の一部がはがれてしまい、細菌感染を合併することがあり、伝染性膿痂疹を発症することもあります。また不眠や食欲減退につながることもあります。
原因となっている病気によって現れる症状もあります。たとえば、HIV感染症に関連して発症している場合には、易感染性を反映して日和見感染症状を併発することがあります。鉄欠乏性貧血であれば、動悸や易疲労感、顔色不良などの症状がみられます。
検査・診断
痒疹の診断は、皮膚症状をもとになされます。似たような皮膚病変が生じる病気もあるため、KOH法と呼ばれる検査でカビの有無を調べたり、疥癬でないかどうか調べたり、皮膚病変を採取して生検したりすることもあります。
また痒疹は内臓系疾患に関連して現れることもあるため、これらの有無を調べることもあります。たとえば、糖尿病であればHbA1cや血糖、腎臓や肝臓の病気ではアルブミンや特定の酵素などの値を血液検査で評価します。
他にも鉄欠乏性貧血の可能性があればヘモグロビンやフェリチン、HIV感染の評価のためにウイルスの有無を評価することもあります。
治療
治療では、痒疹を引き起こした原因(原疾患)治療と、皮膚症状に対するアプローチ(対症療法)を実施します。
原疾患の治療
たとえば、扁桃や副鼻腔の細菌感染症では抗生物質による治療、悪性腫瘍では手術・化学療法・放射線療法を実施します。
皮膚症状に対するアプローチ(対症療法)
皮膚のかゆみに対しては、ステロイドやビタミンD3外用薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬の内服が検討されます。ステロイドは、外用薬による塗布のかたちをとることもあれば、内服、注射のこともあります。
また全身に皮膚症状が出ていてかゆみが強い場合には紫外線療法、痒疹の丘疹や結節に液体窒素を用いた凍結療法などが検討されます。
以上のような治療方針は、基礎疾患の有無、皮膚症状の重症度、妊娠の有無、保険適応の有無などを加味して最終決定されます。
また、皮膚を刺激することで痒疹によるかゆみが誘発されることがあるため、皮膚刺激を避ける工夫も必要となります。
医師の方へ
痒疹の詳細や論文等の医師向け情報を、Medical Note Expertにて調べることができます。
「痒疹」を登録すると、新着の情報をお知らせします
関連の医療相談が11件あります
痒疹跡が残る?
1週間前から至る所が痒くて赤いボツボツが出来心配になり病院に行ったら痒疹と言われました。相談内容は痒疹の跡は残るんですか?
今後の治療方針、病院を変える?がわからない。
現在、咳とたんが続いており、当初、副鼻腔炎と耳鼻科から診察され、投薬してもらった。 副鼻腔炎はよくなったが、咳とたんがつづいており、8月の後半から、たまに行き苦しい症状(息を思い切り吸い込めない&息を大きく吸わないともやもやする&外出時に多少の息苦しさを感じる(水を飲めば落ち着く))ような症状がでている。 耳鼻科に通院し、カルボシステインと気管支に良い漢方、先週から吸引のお薬の処方があったが、改善しているように見えない。 どうすればいいでしょうか。 8月上旬 コロナ発症、咳と痰がのこる・・・咳止めが処方され、おそらくこのせいではないか。 8月中旬 コロナの終わりかけ 念のためレントゲンと血液検査・・・現段階で問題なし 8月下旬 行き苦しさが少しでてくる・・・コロナ時に処方された去痰とアレルギーの薬を飲む 同下旬 耳鼻科に通院開始・・・副鼻腔炎の診察、アレルギーの血液検査・・・問題なし 9月中旬 耳鼻科・・・気管支の薬に切り替え 耳鼻科は3度ほど通院 副鼻腔炎のおさまりはファイバースコープで確認 2週間分の薬をわたされていて、治らなければもう一回来てもいいと言われている (予約はとっていません) 元々、エアコンの風で咳きこむ、強いにおいやホコリで咳きこむなどの自覚症状はあったが、 おそらくコロナのせいで、気管支があれてしまったのではないか、と自分では考えており、 もしそうであれば、内科などに変えたほうがいいのか、迷っています。
検便の潜血で引っかかった
お世話になります。 人間ドッグの検便にて血が混じっているといわれました。 考えられる要因はなんでしょうか。 また25年ほど前に盲腸手術で盲腸を摘出しており、関係することもありますでしょうか。
花粉症で絶歌免疫療法の治療中ですが、改善が見られない
2.5年前に耳鼻科でポスターを見て、鼻炎の舌下免疫療法を始めました。毎月錠剤を処方され毎日服用していますが、改善された自覚症状はありません。効果が分かりにくいケースもあるかと思いまが、季節要因もありますが鼻炎の症状は悪くなっている感覚があり、症状を抑える飲み薬の量も増えています。 舌下免疫療法で投薬しているスギの成分が鼻炎を起こす方に働いているのではないかと感じます。 3年を目途と言われていますのであと半年くらい残っているのですが、もうそろそろ止めた方がいいのではないかと思います。 耳鼻科の先生は、判断は私自身に委ねる感じで 事務的な口内の観察と私の希望によって処方されている感じです。 続けるか、やめるか何をよりどころに考えたらいいのでしょうか? また、1年ほど前から体のあちこちに湿疹が増えてきました。もともと湿疹はしばしばあったのですが舌下免疫療法で通院している耳鼻科や、かかりつけの皮膚科に何度か相談しましたが皮膚科ではステロイド系の塗り薬を処方され、塗っていれば湿疹は大体治まります。 この湿疹も気になるので、舌下免疫療法の効果が2.5年かけても感じられないならやめた方がいいかもと迷っています。 判断の参考になるアドバイスをいただきたいです。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。