ようしん

痒疹

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

痒疹とは、皮膚にかゆみを伴うポツポツとした赤色から茶褐色の盛り上がりが散在する病気です。

痒疹の原因として、アレルギーアトピー性皮膚炎、虫さされ、糖尿病妊娠など多くのものが挙げられていますが、なかには原因不明のものもあります。

また痒疹の経過もさまざまで、1週間程度で治まることもあれば、慢性的に年余にわたって経過することもあります。

原因

痒疹の発症原因は多岐に渡ります。虫に刺されることに反応して生じることもあれば、食事などによるアレルギー反応として痒疹を起こすこともあります。

そのほか、以下に関連して痒疹が現れることもあります。

など

ただし、こうした原因を必ずしも特定できるわけでなく、実際には原因不明のものもあります。

また、痒疹の経過もさまざまで、1週間程度で治癒することもあれば、なかには慢性的に経過することもあり、経過に応じて、急性痒疹、亜急性痒疹、慢性痒疹に分類されます。痒疹は、原因によって発症様式や経過に違いが生じます。

症状

非常に強いかゆみが生じます。また赤いポツポツとした丘疹や小結節などの皮膚症状も現れます。こうした症状は急性でおさまることもありますが、慢性的に経過することもあります。

慢性化した痒疹では、諸症状が数か月から年単位で継続したり、皮膚が茶色く硬いイボ化するなどの変化が生じたりすることもあります。

痒疹ではかゆみにより皮膚をかくため、皮膚の一部がはがれてしまい、細菌感染を合併することがあり、伝染性痂疹を発症することもあります。また不眠や食欲減退につながることもあります。

原因となっている病気によって現れる症状もあります。たとえば、HIV感染症に関連して発症している場合には、易感染性を反映して日和見感染症状を併発することがあります。鉄欠乏性貧血であれば、動悸や易疲労感、顔色不良などの症状がみられます。

検査・診断

痒疹の診断は、皮膚症状をもとになされます。似たような皮膚病変が生じる病気もあるため、KOH法と呼ばれる検査でカビの有無を調べたり、疥癬でないかどうか調べたり、皮膚病変を採取して生検したりすることもあります。

また痒疹は内臓系疾患に関連して現れることもあるため、これらの有無を調べることもあります。たとえば、糖尿病であればHbA1cや血糖、腎臓や肝臓の病気ではアルブミンや特定の酵素などの値を血液検査で評価します。

他にも鉄欠乏性貧血の可能性があればヘモグロビンやフェリチン、HIV感染の評価のためにウイルスの有無を評価することもあります。

治療

治療では、痒疹を引き起こした原因(原疾患)治療と、皮膚症状に対するアプローチ(対症療法)を実施します。

原疾患の治療

たとえば、扁桃や副鼻腔の細菌感染症では抗生物質による治療、悪性腫瘍では手術・化学療法・放射線療法を実施します。

皮膚症状に対するアプローチ(対症療法)

皮膚のかゆみに対しては、ステロイドやビタミンD3外用薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬の内服が検討されます。ステロイドは、外用薬による塗布のかたちをとることもあれば、内服、注射のこともあります。

また全身に皮膚症状が出ていてかゆみが強い場合には紫外線療法、痒疹の丘疹や結節に液体窒素を用いた凍結療法などが検討されます。

以上のような治療方針は、基礎疾患の有無、皮膚症状の重症度、妊娠の有無、保険適応の有無などを加味して最終決定されます。

また、皮膚を刺激することで痒疹によるかゆみが誘発されることがあるため、皮膚刺激を避ける工夫も必要となります。

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