ふんりゅう

粉瘤

別名
表皮嚢腫
最終更新日
2020年12月24日
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2020/12/24
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

粉瘤(ふんりゅう)とは、何らかの理由により皮膚に袋状の構造物ができてしまい、袋の中に脱落した角質や皮脂がたまって徐々に大きくなってしまったものです。良性の皮膚腫瘍(ひふしゅよう)の一種であり、アテローム、表皮嚢腫(のうしゅ)とも呼ばれます。さらに細菌が侵入して化してしまうと患部が腫れて赤くなり、痛みを引き起こすこともあります(炎症性粉瘤)。

治療は主に、手術による腫瘍の切除です。良性腫瘍なので治療を受けなくてもあまり問題はありませんが、化膿することもあるので早い段階で治療をすれば患者さんにとって負担の少ない治療法を選択できます。

原因

皮膚にできた袋の中に角質や皮脂がたまって固まることで形成されます。たまった角質や皮脂は袋の外にだせないため、放っておくとさらに角質や皮脂がたまってしまい、徐々に大きくなることがあります。

ほとんどの粉瘤の原因は分かっていないのが現状です。手のひら、足の裏にできる粉瘤の場合、けがやいぼができるウイルスへの感染をきっかけに発生することもあると考えられています。しかし、これらも原因の一部で決定的なものが分かっているわけではありません。

症状

粉瘤は、全身のどこの皮膚にも発症します。多くの場合、皮膚が盛り上がったやわらかいしこりとして現れます。自然となくなっていくこともありますが、基本的には自然治癒はあまりありません。放っておくと徐々に大きくなっていくこともあります。

ふくらんだしこりの中央の開口部が黒い点としてみえることがあり、強く圧迫されて開口部が破れた場合、不快な臭いのする角質が排出されることがあります。内部の角質が増えるにつれて少しずつ大きくなり、ときには数cm以上になることもあります。

通常は痛みやかゆみなどの症状はありませんが、化してしまうと腫れて赤くなり、痛みが生じることがあります(炎症性粉瘤)。これは、細菌の繁殖や内部にたまった角質に対する炎症が原因で起こると考えられています。

症状や外見が似た病気には、おできにきび石灰化上皮腫脂肪腫があります。

検査・診断

通常は診察(視診、触診)で診断されます。多くの場合特別な検査は必要なく、内部に角質が入っていることが確認できれば粉瘤であると考えます。大きなものや、強い炎症を起こした後の粉瘤の場合は、他の腫瘍と区別するためにCT検査などの画像検査が必要になることもあります。

皮膚の多くの良性腫瘍と同じく、経過観察をするか手術で取り除くかを医師と相談します。

治療

炎症を起こしていない粉瘤の場合、手術で腫瘍を取り除きます。一般的な治療では、局所麻酔の注射をして切開し、腫瘍の袋と内容物を取りだして縫合します。小さな粉瘤の場合はへそ抜き法(くり抜き法)など、傷あとの小さな治療を選択することもできます。

炎症性粉瘤の場合は、細菌感染などによる炎症が腫瘍の内部や周囲で起こりが内部にたまった状態なので、それを取り除くことが重要です。局所麻酔の注射をして皮膚を一部切開し、たまった膿を洗い流します。洗浄を数日から1週間程度継続し、炎症を鎮めます。必要に応じて抗菌薬・痛み止めの内服を行います。その後、残った腫瘍の範囲および傷の状況に応じて手術や追加の治療が行われます。

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