クリップする
URLを入力して
記事をクリップしましょう
指定された URL のページが見つかりません
Testicle
精索静脈瘤
精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは、精巣のすぐ上の心臓に戻る静脈(蔓状静脈叢(つるじょうじょうみゃくそう))の血液が逆流し、精巣の周りに静脈の瘤(こぶ)ができてしまう状態を指します。 ...
Male consulter resolved
クリップに失敗しました
精巣

精索静脈瘤せいさくじょうみゃくりゅう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
閉じる

概要

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは、精巣のすぐ上の心臓に戻る静脈(蔓状静脈叢(つるじょうじょうみゃくそう))の血液が逆流し、精巣の周りに静脈の(こぶ)ができてしまう状態を指します。

精索静脈瘤は、一般成人男性の約15%にみられます。精索静脈瘤ができることで血流の悪化や温度の上昇が起こり、精巣が影響を受けることから、精索静脈瘤は男性不妊の原因となります。

原因

精索静脈瘤は、精巣から心臓へ戻るべき血液が静脈内で逆流することで発症します。静脈の血管には血液が心臓に向かって一方向に流れるよう、逆流を防ぐ「弁」が存在しています。精索静脈瘤では、この弁の機能が低下しているために血液の逆流が起こります。

精索静脈瘤は、解剖学的な理由から左に発生しやすいという傾向があります。左内精索静脈が合流する左腎静脈は、大動脈と上腸間膜動脈という血管に挟まれており、血液が逆流しやすくなります。この現象はナットクラッカー現象と呼ばれます。また、左内精静脈が左腎静脈にほぼ直角に合流していることも、左の精索静脈瘤が発生しやすい理由のひとつです。

症状

精索静脈瘤そのものによる自覚症状は、ほとんどありません。まれに症状として陰嚢(いんのう)の違和感や鈍痛を自覚することがあります。

精索静脈瘤に関連した重要な症状は、男性不妊です。精索静脈瘤が生じた部分には血流悪化や温度上昇などの問題が起こりやすく、精巣の機能がダメージを受けやすい状態になります。これにより、造精子機能の低下、精子のDNA損傷、男性ホルモン分泌の低下といった問題が引き起こされ、精子の量や質に影響が及ぶため、男性不妊に至ると考えられています。精索静脈瘤は進行性の病気であり、精子を作る機能は徐々に低下していきます。そのため、一人目の子どもを授かった後に次の子どもができない「二人目不妊」となることもあります。二人目不妊の原因の78%は精索静脈瘤による進行性精巣障害と報告されています。

検査・診断

精索静脈瘤は、視診や触診、超音波検査により診断されます。

視触診

視診や触診の際には、以下の特徴の有無を確認します。

  • 精巣に左右差がある:罹患側が小さくなります。
  • 陰嚢にサイズ差がある
  • 陰嚢の見た目がでこぼこしている:静脈瘤のためにでこぼこします。
  • 陰嚢が常に垂れ下がっている静脈瘤により温められた精巣を冷やそうとすることから起こります。

など

超音波検査

精索静脈瘤では超音波検査も重要です。超音波検査を行うことで、逆流している血流の状況をより詳細に調べることができます。

治療

精索静脈瘤の治療では、手術が検討されます。手術では、精巣とつながる静脈を遮断します。これにより、あらたな血行路(血液の流れ)が形成され、血流が改善されることから静脈瘤が消滅します。遮断する部位は術式で分けると主に2つあります。

高位結紮術(こういけっさつじゅつ)・腹腔鏡手術

内精巣静脈が骨盤内から陰嚢に向かう手前で遮断を行います。

低位結紮術

骨盤から静脈が出てきた部分を遮断します。

手術後に体内で精子がつくられはじめてから射精されるまでには、通常約3か月かかるため、精子の機能の改善は手術後3か月以降に期待することができます。自然妊娠が難しい場合でも、旦那さんの精索静脈瘤を手術により治すことで、体外受精、人工授精などの成績向上が期待できます。

精索静脈瘤の記事を読む

もっとみる

精索静脈瘤の記事にご協力いただいている医師