かんないけっせき

肝内結石

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

肝内結石とは、肝臓内にある胆管に結石ができる胆石症の一種です。結石の種類としてはビリルビン結石に分類されるものが多いです。胆管は胆汁という脂肪を乳化する消化酵素の通り道であり、肝臓で産生された胆汁は胆管の中を流れ、十二指腸に排出されます。この通り道に結石ができることで、胆汁がうっ滞し、さまざまな症状が引き起こされます。

原因

肝内結石が生じる正確な原因は解明されていません。かつては先天的・遺伝的な原因で胆管が拡張したり狭窄したりしていることが発症に関わると考えられていました。しかし、今では食生活や胆道感染が関わっている可能性のほうが高いと考えられています。

肝内結石の主体はビリルビン結石ですが、ビリルビン結石は胆嚢炎や胆管炎などの胆道系感染症が生じると、細菌が産生する酵素によってビリルビンが変性し、胆汁内のカルシウムと結合して結石を形成します。

また、胆汁中のたんぱく質であるムチンもビリルビン結石形成に大きな役割を担うことがわかっています。ムチンは胆石のなかでも脂っこい食事によってできやすいコレステロール結石が存在することによって産生が増加するため、肝内結石の発症や進行には食の欧米化が関わっているという考え方もあります。

症状

結石が小さい場合には無症状のことも多いですが、結石が大きくなったりたくさんできたりすると、腹痛や黄疸(おうだん)が現れます。胆管炎やそれに伴う敗血症を繰り返し発症することがあり、重症な場合には肝臓に(のうよう)ができることもあるため注意が必要です。また、胆管がんを発症するケースもあるため、慎重な経過観察をする必要があります。

検査・診断

肝内結石の診断には、画像検査で肝臓内に結石を確認する必要があります。その他にも、血液検査など補助的な検査を行います。

血液検査

肝機能の状態や炎症所見などの全身状態を把握するための検査です。胆管炎による敗血症を合併した場合には、血液検査による出血傾向などの評価が治療方針を決定するうえでも非常に重要となります。

画像検査

腹部超音波検査

結石や胆管を簡便に観察することが可能であり、診断時のファーストステップとなります。しかし、結石が小さい場合や肥満者では結石を観察することができず、さらなる精密検査が必要となります。

CT検査

超音波検査よりも詳しく結石や胆管の観察を行うことができます。全身の描出ができるため、肝機能障害を生じる病気がほかにないか調べるにも有用です。

MRI、MRCP検査

MRCP検査はMRI装置を用いて、胆道や胆のう、膵管の全体像を観察する検査であり、結石が存在する部位やどの程度の狭窄を生じているかを詳しく観察することができます。

治療

結石が小さく、自覚症状や肝機能障害など検査上の異常が見られない場合には、ウルソデオキシコール酸などの胆石を溶解する効果のある薬を内服して経過観察を行います。

胆管炎胆管がんを合併しやすいため、手術を含めた積極的な治療が行われます。治療方法として以下があげられます。

内視鏡治療

内視鏡を用いて結石を除去する治療です。内視鏡を十二指腸から胆道に直接細いカテーテルを挿入して除去するERCPと、超音波を使用し結石がある胆管にチューブを挿入し、その後に細径の内視鏡を用いて除去するPTCSがあります。

体外衝撃波結石破砕法

体の外から衝撃波をあてて、結石を粉砕する治療です。

手術

胆管がんを合併している場合や、結石の治療などが行えない場合には手術による切除が選択されます。肝臓の委縮を伴っている場合にも発がんのリスクを考慮し手術を検討します。

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