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胃ポリープ

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

胃ポリープとは、胃に発生する上皮(胃粘膜のもっとも表面の組織)由来で良性の胃の内腔に突出した(隆起性)病変のことをいいます。

一般的な胃ポリープとしては、過形成性ポリープ、胃底腺ポリープがあります。また、特殊なものとして胃腺腫などがあります。広い意味では、粘膜下腫瘍(胃の粘膜の表面でなく、壁の中にある腫瘍)や胃がんなど胃のなかの隆起した病変の総称としても使用されることがあります。

過形成性ポリープ

胃ポリープでもっとも多くみられるものです。発赤が強いことが多く、「くされ苺状」とも表現されます。大きさは10ミリ以下のものが多いですが、ときに30ミリ近くのものもみられます。過形成性ポリープは、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染した胃で認められる萎縮性胃炎を背景としていることが多いポリープです。

過形成性ポリープを認めた場合には、ほかにも胃がんや胃腺腫などが併存している可能性があるため、注意が必要です。 また、まれではありますが、過形成性ポリープががん化したり、出血を起こしたりすることもあります。

胃底腺ポリープ

周囲粘膜と同様の色調を示すポリープです。大きさは5ミリ前後で多発することが多く、がん化の可能性のないポリープです。比較的女性に多くみられるとされています。

胃腺腫

少し白っぽい色調の平坦な隆起が典型的なポリープです。胃の粘膜の萎縮がかなり進み、腸上皮化生(胃の粘膜が腸の上皮に置き換わる現象)のある胃でみられることが多いとされており、高齢者に多くみられます。

胃腺腫の多くは良性ですが、一部では病変の内部にがんを含んでいたり、経過のなかでがん化をきたすものもあり、必要な場合には切除治療が行われます。

原因

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した胃で認められる萎縮性胃炎を背景としているものや、胃がんなど胃のなかの隆起した病変であるものなど、ポリープの種類ごとにさまざまな原因があります。

症状

一般に胃ポリープには特に症状はありません。検診の内視鏡検査(胃カメラ)や胃X線透視検査(胃バリウム検査)で偶然みつかる場合が多いです。比較的まれではありますが、大きな過形成性ポリープが出血を起こし、貧血や下血の症状を現すこともあります。

検査・診断

胃ポリープの多くは、検診の内視鏡検査や胃のバリウムの検査で偶然発見されます。

内視鏡検査(胃カメラ)

口や鼻から内視鏡(胃カメラ)を挿入して、胃内を直接観察します。ポリープの見た目から、どの種類のポリープであるか判断することができます。さらに、生検(組織を一部採取して病理で検査すること)によって、より正確な診断を行うことができます。

胃X線透視検査(胃バリウム検査)

ポリープの有無や、ポリープの表面の凹凸の状態を観察します。

治療

過形成性ポリープ

過形成性ポリープは基本的には経過観察でよい病変です。大きさが2センチ以上であったり、経過の中で大きくなってくる傾向があるものについては、がん化が疑われる(一部にがんが含まれている)ため、切除治療を行います。また出血を起こしているものについても同様です。一般的に、切除は内視鏡(胃カメラ)を用いて行うことができ、これをポリペクトミーと呼びます。

胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープの治療は原則的には不要です。

胃腺腫

胃腺腫は基本的には良性の腫瘍であるため、経過観察中に大きさ、形態、色調などに変化を認めない限りは、切除を考慮しなくても問題はありません。その場合には、1年に1回程度の内視鏡検査を行い、病変に変化がないかをチェックします。

ただし、たとえ生検の検査で胃腺腫だと診断されていても、病変全部を切除して顕微鏡で病理検査をしてみると、実は一部にがんを含んでいたと診断されることもあります。そのため、病変の大きさが20ミリ以上と大きいもの、赤みの強いもの、病変内に陥凹(かんおう)(へこみ)を伴うものはがんを含んでいる可能性が否定できないため、切除を検討していきます。

胃腺腫の切除治療は内視鏡検査で行います。内視鏡的粘膜切除術(EMR)もしくは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれる方法で切除を行います。

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