ししつたいしゃいじょう

脂質代謝異常

最終更新日:
2018年07月06日
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2018/07/06
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概要

脂質代謝異常とは、LDLコレステロールやHDLコレステロール、トリグリセライドといった脂質が血液中で異常に増加もしくは減少している状態を指します。

多くの場合、生活習慣の乱れなどが原因となりますが、なかには病気や薬剤が原因となり脂質代謝異常が生じている場合もあります。

脂質の状態に異常が生じると血管に不純物が蓄積し、心筋梗塞脳梗塞などの病気を引き起こす危険性が高まります。

原因

血液中の脂質バランスが崩れてしまう脂質代謝異常は、多くの場合、生活習慣や食生活の乱れが原因で生じます。具体的には、エネルギー(カロリー)の過剰摂取や揚げ物の大量摂取、アルコールの過剰摂取などが原因となりえます。

また、生活や食事習慣の乱れ以外にも、遺伝子異常を原因として発症する脂質代謝異常も知られています。たとえば、LDLコレステロールをうまく代謝するために必要不可欠な遺伝子に異常が生じることで、LDLコレステロールが異常に高くなってしまうことがあります(家族性高コレステロール血症)。

そのほかにも、糖尿病クッシング症候群甲状腺機能低下症ネフローゼ症候群などの病気に関連して脂質代謝の異常が引き起こされることもあります。また、ステロイドや経口避妊薬などの薬剤によって生じることもあります。

症状

脂質代謝異常では、血液中の脂質成分が異常な値を示す以外、特別な症状を認めないことが多いです。そのため、自覚症状がない状態であっても、血液検査で初めて病気を指摘されることは少なくありません。

一部の方においては、目の縁やアキレス腱などに異常な不純物が蓄積して、デキモノとして外から認識されることもあります(黄色腫)。

自覚症状が現れることの少ない脂質代謝異常ですが、重篤な病気を引き起こす危険因子でもあるため注意が必要です。

具体的には、心筋梗塞狭心症脳梗塞などの症状が続発する危険性があります。これらの病気を発症することで、胸の痛みや息苦しさ、手足のしびれや麻痺、意識障害などを生じることがあり、発症すると命にかかわることもあります。

検査・診断

脂質代謝の異常は、血液検査によって検出されます。具体的には、LDLコレステロールやHDLコレステロール、トリグリセライドといった脂質の血液状態を、血液検査を通して調べます。検査は空腹時に行うことが正確な結果の評価のためにも重要です。

また、脂質代謝異常は、何かしらの病気を背景として引き起こされることもあります。自覚症状や身体診察の状況を通して基礎疾患(原因となっている病気)の存在が考えられる場合、血糖値の測定、甲状腺機能、腎機能などを評価するための血液検査・尿検査などが適宜検討されます。

治療

自覚症状を引き起こすことが少ない脂質代謝異常ですが、重篤な続発症を予防するためにも積極的な治療介入が重要です。具体的には、食事内容の是正や運動を取り入れるなど、生活習慣を正すことから治療介入が行われます。食事に関しては過食を控え、動物性の油(飽和脂肪酸)を控えることなどです。

運動に関してはLDLコレステロールが高値の場合は、過度な運動により心筋梗塞狭心症につながることがあるため、運動療法を実施する前に、医師による診断を受けることをお勧めします。

食事療法と運動療法が基本となりますが、それだけでは望まれる段階までの治療効果を得ることが難しい場合もあります。この場合には、スタチン系、陰イオン交換樹脂、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤、フィブラート系などの各種薬剤の使用も検討されます。

実際にどのような治療薬を組み合わせるかは、個人の脂質代謝異常の状況によってさまざまです。

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